『タブーの漢字学』 阿辻哲次
面白おかしい漢字の話。ただの知識だけの本なら、どこにでもゴロゴロしているが、こういう本を書ける人は、そうはいないだろうな。「ヴェルサイユ宮殿には一切お便所がなかった。廷臣や宮女はお部屋に蓋付きの椅子があって、フタを開けると便器があった。一杯になるまで中身を捨てないから、ヴェルサイユ宮殿はうんこ臭かった。」なんて話がポンポン飛び出す。幅広く、奥深い知識に支えられているから、とにかく面白い。こういう人を師としたら、勉強って面白いんだろうな。
『解手』って「トイレに行く」っていう意味なんだって。なぜだと思う?
チ・チ・チ・チ・チ・チ・チ・チ・・・・・・・・・・・・・・
正解は、“続きを読む” を開けてみて・・・
性について、死について、ウンコやオシッコについて、ですよ。なんて本だろ。
「一人前の立派な男」をあらわす時、あなたなら何をもとにして文字を作る?「一人前の立派な男」を表す漢字は“士”ですよね。この基になったのは、勃起した男性器。ヤッパリそうだよね。“且”という字もそうだそうです。“且”は、より立派そう。
性器そのものは“陽”と“陰”という字で表されるのは知ってるけど、“也”という字、この字はもともと女性器そのものを表す文字だったって。
ドヒャー❢もっとすごいのが“色”。それだけで期待できそう。そのとおり、つくられた頃は男女の性行為そのものをあらわす文字だったそうだ。う~ん、“色”?
たしかに、ひざまずいた女を男が後ろから抱き、背後から覆いかぶさって交わっている。ああ、もうこの字を冷静に見ることはできないだろう。
すみません。少し興奮してしまいました。そんな漢字の話から、「男女間の深い契り」のことを“巫山の雲雨”と呼ぶという故事まで、もうまったく飽きることがありません。これを書いた阿辻哲次さんの本、他にも探してみようかな。











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![]() | タブーの漢字学 (講談社学術文庫) (2013/07/11) 阿辻 哲次 商品詳細を見る 日常の話から歴史や逸話まで、豊富な話題を紹介しながら、漢字とタブーの関係をつづる。 |
チ・チ・チ・チ・チ・チ・チ・チ・・・・・・・・・・・・・・
正解は、“続きを読む” を開けてみて・・・
序章 言い換えられることば 第一章 「性」にまつわる漢字
第三章 大小便と「月のさわり」
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性について、死について、ウンコやオシッコについて、ですよ。なんて本だろ。
「一人前の立派な男」をあらわす時、あなたなら何をもとにして文字を作る?「一人前の立派な男」を表す漢字は“士”ですよね。この基になったのは、勃起した男性器。ヤッパリそうだよね。“且”という字もそうだそうです。“且”は、より立派そう。
性器そのものは“陽”と“陰”という字で表されるのは知ってるけど、“也”という字、この字はもともと女性器そのものを表す文字だったって。

ドヒャー❢もっとすごいのが“色”。それだけで期待できそう。そのとおり、つくられた頃は男女の性行為そのものをあらわす文字だったそうだ。う~ん、“色”?

たしかに、ひざまずいた女を男が後ろから抱き、背後から覆いかぶさって交わっている。ああ、もうこの字を冷静に見ることはできないだろう。
すみません。少し興奮してしまいました。そんな漢字の話から、「男女間の深い契り」のことを“巫山の雲雨”と呼ぶという故事まで、もうまったく飽きることがありません。これを書いた阿辻哲次さんの本、他にも探してみようかな。


トイレにいくことをあらわす表現の中では、最も上品な部類に入る。
万里の長城は、東の山海関から西の嘉峪関まで全長二千四百キロにおよび、その全線のあらゆるところに大小無数の要塞と狼煙台が建てられた。要塞は基本的に十キロにひとつずつ作られた。もちろん軍事的に重要な場所ではこの間隔が更に狭くなる。
長城守備の屯田兵は、ほとんどが浙江省や福建省など南方から強制移住させられてきた人たちだった。彼らは強制移住の途中、ずっと両手を縛られたままだった。しかし両手を縛られていたらトイレにも行けない。そこで用を足す時だけは手をほどいてもらえた。
万里の長城は、東の山海関から西の嘉峪関まで全長二千四百キロにおよび、その全線のあらゆるところに大小無数の要塞と狼煙台が建てられた。要塞は基本的に十キロにひとつずつ作られた。もちろん軍事的に重要な場所ではこの間隔が更に狭くなる。
長城守備の屯田兵は、ほとんどが浙江省や福建省など南方から強制移住させられてきた人たちだった。彼らは強制移住の途中、ずっと両手を縛られたままだった。しかし両手を縛られていたらトイレにも行けない。そこで用を足す時だけは手をほどいてもらえた。
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