『逆説の日本史 テーマ編 英雄の興亡と歴史の道』
日本の通史を描き出すことを目的として、『逆説の日本史1 古代黎明編 封印された「倭」の謎』が発行されたのが1993年10月。その後、だいたい1年に1冊のペースで発行されて、最新刊が『逆説の日本史19 幕末年代史編2』で2013年4月の発行。
著者の井沢元彦氏は、今、58歳で、『逆説の日本史1』が出た頃は38歳だったわけだ。著者が「本編」と呼ぶ通史のシリーズは19巻まで来たわけだけど、でも正直言って、まだ先は遠いはずだ。にもかからわず、にも関わらずである・・・。
「神は細部に宿り給う」
たしかに、たしかに歴史の中でも、細部にこそ何らかの意志が働いていたのではないかと考えさせられることが起こる場合がある。たしかに、司馬遷は偉大なる『史記』において、通史に当たる「本記」の他に「列伝」「世家」「表」などを書いて歴史を様々な視点から立体的に分析しようと努めた。
著者は、通史だけでは表せない歴史の細部を“テーマ編”の中に書くという。そう言って書かれたのがこの本、『英雄の興亡と歴史の道』である。
それはいい。いや良くない。・・・ああ、支離滅裂だが、私の思いをわかっていただけるだろうか。
20年をかけて19巻まで来た「本編」だが、まだ江戸時代を終えてない。明治、大正を経て、いよいよあの戦争を描くことになる。道はまだ半ば。著者は「本編」を終えることが出来るだろうか。私が先に死ぬのは構わない。私が死んでも、その先、著者が満足行く仕事をし終えてくれるなら、自分がそれを読めなくても十分だ。怖いのは、著者が道半で亡くなって、自分が跡に取り残されることだ。
そんなこと考えると、とりあえず「本編」を先に急いでほしいとも思うんだけど・・・、“細部”に光を当てるからこそ、「本編」の輝きも増すことを信じて、ひたすら伊澤さんの健康を祈ろう。





井沢元彦の本

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
著者の井沢元彦氏は、今、58歳で、『逆説の日本史1』が出た頃は38歳だったわけだ。著者が「本編」と呼ぶ通史のシリーズは19巻まで来たわけだけど、でも正直言って、まだ先は遠いはずだ。にもかからわず、にも関わらずである・・・。
「神は細部に宿り給う」
たしかに、たしかに歴史の中でも、細部にこそ何らかの意志が働いていたのではないかと考えさせられることが起こる場合がある。たしかに、司馬遷は偉大なる『史記』において、通史に当たる「本記」の他に「列伝」「世家」「表」などを書いて歴史を様々な視点から立体的に分析しようと努めた。
著者は、通史だけでは表せない歴史の細部を“テーマ編”の中に書くという。そう言って書かれたのがこの本、『英雄の興亡と歴史の道』である。
それはいい。いや良くない。・・・ああ、支離滅裂だが、私の思いをわかっていただけるだろうか。
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そんなこと考えると、とりあえず「本編」を先に急いでほしいとも思うんだけど・・・、“細部”に光を当てるからこそ、「本編」の輝きも増すことを信じて、ひたすら伊澤さんの健康を祈ろう。
第一章 「戦争」の道 勝敗を分けた将軍たちの戦術と戦略 義元奇襲の伝説を生んだ桶狭間への道 金ヶ崎退却戦で負けなかった兵法 「姉川合戦」で敗走した浅井長政への温情 「中国大返し」を成功させた秘密 賤ヶ岳の「小返し」に生かされたノウハウ 関ヶ原の戦いの直前「のんびり行軍」の大謀略 「島津の退き口」はなぜ「成功」といえるのか 関ヶ原の戦いに抱いていた野望 戦国大名の武名を高めた「河越夜戦」 石橋山からの脱出に見る強運 自死で「士道」の貫いた元農民 西南戦争「熊本経由」の愚策 第二章 「経済」の道 軍団と統治から見た武将たちの経済力 騎馬隊の運用と棒道 第三章 「政治」の道 政策実現までの権謀術数を検証混成部隊だった騎馬軍団の限界 川中島の合戦が短期決戦だった理由 足軽集団「一領具足」という農民兵 毛利家躍進の秘密は石見銀山にあり 関所撤廃が裏目に出た本能寺の変 日本の道路舗装率が極めて低い本当の理由 難治の地肥後を掌握した土木名人 倒幕を成し遂げた「失意と希望」の道 「友愛の人」が生み出した「南北朝」の混乱期 足利将軍家への「正義」の代償 京を追放後の本拠地「鞆幕府」が備後にあった? 本能寺の変と四国占領計画 伊賀越逃避行と「カルネアデスの舟板」 忍城攻防の敗戦がもたらした烙印 大阪城入場を黙認した家康の誤算 藩政改革を阻んだ名門のプライド 武士道を守り「朝敵」となった会津藩の無念 公武合体反対派を恐れた降嫁の中山道 旗本の面子を潰した浪士隊という「皮肉」 明治維新と長州の名コンビの命運 第四章 「外交」の道 強大な敵や異国との交渉術を解読 バルカン政治家の軍略を支えた外交力 第五章 「文化」の道 波乱の人生を駆け抜けた背景厳冬期の日本アルプスに挑んだ「さらさら越」の壮挙 豪胆な男が秀吉と演じた化かし合い 「隠密説」を否定できない剣豪の生涯 出石潜伏期間の「役者」ぶり 薩長同盟成立の陰に健脚あり 果たして平和の使徒だったのか 軍学者として黒船に乗船するタイミング 漂流民を生んだ江戸幕府の政策 親日外国人第一号がペリーに送っていた書簡 ユートピア日本の国際化への道 「平家落人の里」と「逃げ場のある社会」 能や歌舞伎になった「安宅の関」の真実 キリスト教の「殉教者」だったのか 戦国時代に生きた女たちの幸福論 俳句を芸術にまで高めた旅の俳諧師 隠居が成し遂げた「日本地図」測量の旅 |
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