めんどくせぇことばかり 『日本人はどう住まうべきか?』
FC2ブログ

『日本人はどう住まうべきか?』

 1937年鎌倉市生まれ。東大医学部から解剖学教室。95年、東大医学部教授を退官し、98年には同大名誉教授に。  89年、『からだの見方』  2003年、『バカの壁』
yourou.jpg
kuma2.jpg 1954年横浜生まれ。東大建築学科から、2009年より東大教授。建築関係各賞を受賞。2010年には、『根津美術館』で毎日芸術賞受賞。
『日本人はどう住まうべきか?』『日本人はどう住まうべきか?』
(2012/02/02)
養老孟司、隈研吾 他

商品詳細を見る
常に現場から物を考える、脳医学者と建築家の対談です
十七歳離れた二人ながら、二人には、同じ“栄光学園中・高”の生徒であったという共通項がある。同校はイエズス会の経営する学校で、そこでの教育には“アンチ宗教改革”の精神が色濃く残されていたという。そんな様子を、隈研吾さんが書いた“あとがき”の中から拾ってみる。
royora.jpgイエズス会の創設は1534年。当時、ヨーロッパはルター、カルヴァンらによる宗教改革の嵐が吹き荒れていた。イエズス会は、スペインのイグナティウス・デ・ロヨラや、日本でも馴染みの深いフランシスコ・ザビエルらによって、アンチ宗教改革をテーゼに掲げて設立された、反宗教改革(カウンター・リフォメーション)の雄であった。

イエズス会の理念は、一言で言えば現場主義に尽きる。逆に言えば、彼らが批判し、敵対したルターたちの宗教改革は、一種の頭でっかちであった。聖書を徹底的に読み込んで自省することで、天国に迎え入れられるというのが、宗教改革のテーゼであった。お金で免罪符が手に入るまでに腐敗していた既製のカトリック教会への批判として、ルターたちは徹底した内省主義を主張し、個人が個人の内省によって神の国に至るという、近代的個人主義を宗教に導入したのである。

それに対し、イエズス会は現場主義で闘おうとした。個人主義、内省主義は、人を頭でっかちな観念主義者に貶めると、ロヨラたちは考えた。ロヨラはそもそも軍人で、しかも若いころはプレーボーイで鳴らしていた。軍人もプレーボーイも、観念主義、個人主義から最も遠い人たちである。観念主義、個人主義では絶対に戦争には勝てないし、女をものにすることは出来ない。現場主義者だけが戦いを勝ち抜き、女をものにすることができるのである。

現場主義者はまず肉体を重視する。強靭な肉体を持っていなければ、現場という過酷な場所を生き抜くことは絶対に出来ないからである。我らが栄光学園も、徹底した肉体主義であった。真冬でも校庭を走らされ、「お前たちは運動が不足しているから、余計な妄想にとらわれる」と、スペイン人修道士から怒鳴られ続けた。

現場主義のイエズス会は、ヨーロッパにこだわらずに「外に出ろ」と、修道士たちのケツを叩いた。ヨーロッパという小さな閉じた世界のなかで、宗教改革v.s.反宗教改革という観念的論争を続けているのは時間の無駄だ。そんなことにエネルギーを費やすくらいなら、ヨーロッパの外に出て布教活動に汗を流したほうがよほどマシだと、イエズス会は考えたのである。

今、日本では、“現場主義”が貫けない状況が、各界に広がっている。時には、非常に重要であったはずの“現場”そのものが消失している。それでも隈研吾さんがこだわる現場主義が、本書に出てくる“だましだましの思想”ということになる。

私たちは、災害の圧倒的なパワーを目の当たりにした。二度と被害を受けないようにと対策を講じようにも、これだけの自然の脅威の前に足をすくませるばかりである。一方には、完全に安全の保証された理想都市を求めて手をこまねいているなら、一つ一つの現場に足を運んで、“だましだまし”自分たちにできることは何かを必至に探ることを選ぶ者たちがいる。この手法こそが現場主義である。




にほんブログ村 本ブログへ一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
読書
記事一覧


関連記事

テーマ : 精神世界
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください


あなたにとって切ない歌とはなんですか?
いい歌はたいてい切ない。あるときふとそう気づきました。
カウンター
カテゴリ
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































































リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
最新記事