めんどくせぇことばかり 『GHQの検閲・諜報・宣伝工作』 山本武利
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『GHQの検閲・諜報・宣伝工作』 山本武利

マッカーサーは戦略家、いや政治家としての類まれな力量を持っていた。占領統治者としての彼には職業軍人としての知識は、もはや大きな要素ではなかったという。「私は経済学者であり、政治家であり、一種の神学者でもあることが要求された」と述べ、「国民を全体主義的な軍部から解き放ち、政府を内部から自由化するという実験」を行なったと自ら総括している。その壮大な実見に参謀や幕僚を巧みに抜擢し、時代の変化に応じて適材適所に使った。 日本人の意識改革ではCCDとCIEを使い分けた。全体主義からの解放を図る占領初期にはCCDにはフーバー、CIEにはダイクに代表されるニューディーラーを配置し、冷戦期の到来とともに彼らをウィロビーやニュージェントという反共主義者に変えたが、マッカーサーの支配した全期を通じて、民主主義を浸透させる基本方針は貫いた。マッカーサーや彼の意を体した参謀や幕僚たちが黒子に徹し、天皇をはじめ政治家、役人、そしてメディアを陰で操作、誘導させたからこそ、ブラック革命工作は成功した。こうして日本人によるアメリカ人のための日本のアメリカ化が促された。
GHQの検閲・諜報・宣伝工作 (岩波現代全書)
GHQの検閲・諜報・宣伝工作 (岩波現代全書)

(2013/07/19)
山本 武利

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独立後60年を越えた日本は、GHQの行なった検閲・諜報・宣伝工作から解き放たれるべき時だ。
第一章  GHQ/SCAPによる多様な工作
1 CCDを通じた検閲工作
2 通信検閲とインテリジェンス
3 メディア検閲と諜報
4 CCDとCIAの協力関係
5 CIEの宣伝・宣撫工作
第二章  通信検閲と諜報工作
1 重視された郵便検閲
2 電信・電話検閲による諜報工作
3 ウォッチ・リストとTOS
4 PPB部門と通信部門との異なる目的
第三章  活字メディア検閲
1 事前検閲の開始
2 最初から事後検閲のメディア
3 事後検閲への移行と諸段階
4 CCD検閲の終わり
第四章  放送・紙芝居・映画検閲
1 放送検閲
2 ピクトリアル・メディア検閲
第五章  日本人の対応  
1 経験語らぬ日本人検閲者
2 検閲優等生の朝日新聞
3 日本共産党メディアのプレス・コード違反事件
4 右翼の対応
5 永井荷風とフラタニゼーション
おわりに
 

冒頭の文章は、“おわりに”のなかの、さらに最後に出てくる著者のまとめと言ってよい文章である。まさに、『GHQの検閲・諜報・宣伝工作』は、“日本人によるアメリカ人のための日本のアメリカ化”であった。江藤淳はそれを、“閉ざされた言語空間”と表現したが、それでも日本人は言語空間を開放させずにここまでの“戦後”を過ごした。本書は、江藤淳が戦後日本に鳴らした警鐘を、資料による検証を行うことで現代日本人の前に突きつけたと言っていいだろう。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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