『愛国・憂国・売国』 鈴木邦夫
2011年12月19日の記事に加筆修正したものです。
『愛国と憂国と売国』
「下品で嫌な題名だなぁ。やっぱりそういうことが書いてあるんだろうなぁ」と思いつつも、読む本がなくなりそうだったので手にしました。
事前の予想通りの意味でこの題名がつけられたわけではありませんでした。「とかく世間はそういったレッテルを貼って人を分類したがる」、そんな風潮を鬱陶しく思ってつけられた題名であったようです。そのことは大賛成です。
この本を読む前には、著者の鈴木邦夫氏に関する知識はなにもありません。「あっ、あの右翼か」とも何とも思っていたわけではありません。読んで分かったことですが、何かとややこしく、レッテルの貼りにくい人物のようで、そんなややこしい人物の存在というのは、今の世相にあっては大変貴重ではないかと思いました。
改憲派、護憲派。
TPP容認派、絶対反対派。
原発推進派、反対派。
なぜだろう。最近の日本の二極分化は・・・。ひとこと言えばレッテルを貼られ、もう一言言えば裏切り者扱い。 いつお前の仲間になった。あ~あ、もうたくさん。こっちでもあっちでもない、第三の、あるいは第三.五の、不確かな道を進もう。
日本は豊かな国だとは言っても、生きていくのは結構大変で、つらい思いも、悔しい思いもかみしめて、妻の笑顔や、子どものあどけない寝顔に励まされて、また次の日も頑張ろうと・・・。
だから多少意見が違おうが、いや、全く意見が違っていても、その人もその人なりに頑張っているんだろうと、その人を立場もろとも思いやる。
激情に流されたことがないじゃないけど、どこかでそれは恥ずかしいことと思っていた。ぐっと飲み込んで笑顔を作る私のような生き方は、おそらく著者からお許しをいただけるものではないだろう。だから激しく生きたことや激しい時代であったことをを並べ立てられても、「あらあら・・・」程度の感想しかもてない。
でも、私はこの人を受け入れられる。
第四章 「私が出合った素晴らしい人々」に登場する人物が、私からはとても「素晴らしい」とは思えない人物であったとしても・・・。
この人は、自分が言っているとおり、変化していく人物であると思えるからだ。本書で時々登場するが、間違ったと思ったら面子こだわらずに心から誤る人物に思えるからだ。
著者は勉強を続け、これからも成長する自分を意識しているという。大変結構なことで、私も見習いたい。そして著者ほどではないとしても、「誠実」であり、少しは「誠意」を示せる人間になりたいと思う。私にもっとも欠けていた部分だし・・・
あれ、私はすでにこの本からの影響を受けてしまっていた。







一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
『愛国と憂国と売国』
「下品で嫌な題名だなぁ。やっぱりそういうことが書いてあるんだろうなぁ」と思いつつも、読む本がなくなりそうだったので手にしました。
![]() | 『愛国と憂国と売国』 鈴木邦夫 (2011/11/17) 鈴木 邦男 商品詳細を見る 世間はそういったレッテルを貼って人を分類したがる |
事前の予想通りの意味でこの題名がつけられたわけではありませんでした。「とかく世間はそういったレッテルを貼って人を分類したがる」、そんな風潮を鬱陶しく思ってつけられた題名であったようです。そのことは大賛成です。
この本を読む前には、著者の鈴木邦夫氏に関する知識はなにもありません。「あっ、あの右翼か」とも何とも思っていたわけではありません。読んで分かったことですが、何かとややこしく、レッテルの貼りにくい人物のようで、そんなややこしい人物の存在というのは、今の世相にあっては大変貴重ではないかと思いました。
第一章 右翼人の憲法論 第二章 右翼人のつくられ方 第三章 右翼人の生活と意見 第四章 私が出会った素晴らしい人々 第五章 右翼人と左翼人 第六章 右翼人にとっての三島由紀夫 |
改憲派、護憲派。
TPP容認派、絶対反対派。
原発推進派、反対派。
なぜだろう。最近の日本の二極分化は・・・。ひとこと言えばレッテルを貼られ、もう一言言えば裏切り者扱い。 いつお前の仲間になった。あ~あ、もうたくさん。こっちでもあっちでもない、第三の、あるいは第三.五の、不確かな道を進もう。
日本は豊かな国だとは言っても、生きていくのは結構大変で、つらい思いも、悔しい思いもかみしめて、妻の笑顔や、子どものあどけない寝顔に励まされて、また次の日も頑張ろうと・・・。
だから多少意見が違おうが、いや、全く意見が違っていても、その人もその人なりに頑張っているんだろうと、その人を立場もろとも思いやる。
激情に流されたことがないじゃないけど、どこかでそれは恥ずかしいことと思っていた。ぐっと飲み込んで笑顔を作る私のような生き方は、おそらく著者からお許しをいただけるものではないだろう。だから激しく生きたことや激しい時代であったことをを並べ立てられても、「あらあら・・・」程度の感想しかもてない。
でも、私はこの人を受け入れられる。
第四章 「私が出合った素晴らしい人々」に登場する人物が、私からはとても「素晴らしい」とは思えない人物であったとしても・・・。
この人は、自分が言っているとおり、変化していく人物であると思えるからだ。本書で時々登場するが、間違ったと思ったら面子こだわらずに心から誤る人物に思えるからだ。
著者は勉強を続け、これからも成長する自分を意識しているという。大変結構なことで、私も見習いたい。そして著者ほどではないとしても、「誠実」であり、少しは「誠意」を示せる人間になりたいと思う。私にもっとも欠けていた部分だし・・・
あれ、私はすでにこの本からの影響を受けてしまっていた。


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