めんどくせぇことばかり 『原爆といのち 漫画家たちの戦争』
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『原爆といのち 漫画家たちの戦争』

八月から九月にかけて、中沢啓治氏(故人)の代表作『はだしのゲン』が、昨年末から松江市立小中学校の図書館で書棚に並べず、自由に閲覧できないの状態にあることが一斉に報じられた。様々な立場から様々な意見が表明された。意見は千差万別ではある。ただ、「今回のように右側からの声にしろ、左側からの声にしろ、表現の自由は最大限に尊重されるべき」という意見が多かったのは間違いない。一見、良心的に見えるのだが、『はだしのゲン』の中の一部の記述は“尊重されなければならない表現の自由”の範囲を大きく踏み出していると考えている私のような人間にしてみれば、一般、特に子供が自由に見ることができるような扱いにすることは、やはり不都合だ。

この本の中にも、中沢啓治氏の書いた『おれは見た』が収録されている。『はだしのゲン』以上に、中沢啓治少年が体験した原爆の様子が描かれている。戦後の世の中で中沢氏が漫画家としての地歩を固め、母親が亡くなるまでの中沢氏の半生が描かれている。

原爆が投下された爆心地の様子を伝える漫画として、とても価値の高いものだと思う。『はだしのゲン』も、本来はそういう漫画だったはずなんだけど、全十巻のうち六巻以降はただの政治的プロパガンダにすぎない。しかも、立ち位置が極めて偏っている。図書館における閲覧どころか、学級文庫として教室においてあるケースも決して珍しいものではない。

『原爆といのち 漫画家たちの戦争』『原爆といのち 漫画家たちの戦争』
(2013/03/04)
手塚 治虫、中沢 啓治 他

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漫画家も戦争と向き合った


ごめんなさい。本の紹介が遅れました。金の星社というところから出された『漫画家たちの戦争』全六巻のうちの一つ、「原爆といのち」と題して、原爆をテーマにした漫画を集めた本です。他の五巻は、「子どもたちの戦争」、「戦争の傷跡」、「戦場の現実と正体」、「未来の戦争」、「別巻資料」という構成のようです。

監修者の中野晴行さんが、『漫画家たちの戦争』各巻の構成についてと題して、次のように書いています。
多くの犠牲を出したアジア・太平洋戦争が終わって、まもなく68年を迎えようとしています。日本は戦争に敗れましたが、焦土の中から立ち上がり、世界が驚くほどの経済成長を遂げてきました。戦争放棄を盛り込んだ平和憲法によって、戦後に生まれた多くの日本人は戦争の悲しみを知らずに生きてくることができました。

しかし、世界の各地で戦争や紛争は続いていて、たくさんの命が奪われています。その中には、みなさんのような子どもがたくさん含まれています。

わたしたちは、子どもたちに二度と戦争の悲しみを繰り返させないために、選集『漫画家たちの戦争』をつくることにしました。戦争を実体験として語ることができる人が年々少なくなる中で、子どもたちが親しみを持っている漫画という形で戦争のことを伝えたいと考えたからです。

あの戦争を“アジア・太平洋戦争”とする立場。“平和憲法の力で戦争に巻き込まれずに済んだ”とする立場。もっとしっかり過去の歴史や現代の社会情勢と向き合う覚悟がないと、大切なものを守りぬくことは難しいだろう。監修者はともかく、ここに取り上げられた漫画家たちは、少なくともこれを書いた時点においては、戦争と真向から向かい合っている。
『ブラック・ジャック』から「やり残しの家」   手塚治虫
「おれは見た」   中沢啓治
「地獄」   辰巳ヨシヒロ
「九平とねえちゃん」   赤塚不二夫
「星はみている」   谷川一彦
「黒バットの記録」   貝塚ひろし

    

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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