『名著で読む世界史』 渡部昇一
表紙の写真は“プリマポルタのアウグストクス”で、バチカン美術館に所蔵されている。かっこいいなぁ。足元に配置されるのは女神ウェヌスの子、アモル。ウェヌスはユリウス家を象徴する女神で、その一族に連なるカエサルの後継者であることをあらわしているのかなぁ。
もともと知識さえ不足している私だけど、昨今の情報社会についていけない状態では、人前に提示できる知識量では三流以下。あとは人並み以上程度には本を読んだ経験から蓄積された・・・はずの、人間や社会に対する観察眼を自負したいところなんだけど・・・。
そういうわけで、渡部昇一氏の選んだ、“革命的な知の光”を示したと思われる人たちの十二の著作。塩野七生氏の『ローマ人の物語』が含まれているのが嬉しいな。
タキトゥスの『ゲルマニア』、ドーソンの『ヨーロッパの形成』、チェスタトンの『アメリカ史』、マコーリーの『イングランド史』、ベロックの『The Jews』はぜひ読もう。他の本は読んだか、なんかの形で内容はに触れている。
中でも興味深いのは、荒削りな内容のようではあるがチェスタトンの『アメリカ史』。《アメリカに中世はない》というのは、いわれてみればその通り。そして、ドーソンの『ヨーロッパの形成』には、その中世の重要性が語られているらしい。この本では、11世紀ごろ、ゲルマンの好戦的世界が西欧キリスト教的世界に抱合されて騎士道が成立しており、これをもってヨーロッパの統一の象徴としているという。さらに、タキトゥスの『ゲルマーニア』でローマ人との比較で紹介されるゲルマン人を知ることができれば・・・。なんだ、世界史を軽く総なめできるや。
渡部昇一氏はそうやって選んでたってことか。すごいな。『ドイツ参謀本部』も面白かったけど、ドカンと一発、渾身の作品を読ませてもらいたいな。
*『アメリカ史』は、渡部氏の監修で、『アメリカ史の真実』という本になっている。『ヨーロッパの形成』『イングランド史』『The Jews』はちょっと手に入れるのが難しいみたい。残念。







一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
最近は、インターネットその他、情報を手にし、知識を入れるには手段に事欠きません。知識はいくらでも簡単に手に入ります。本書は、そうした情報や知識の提供を目的とはしていません。知識を得るというより、そこから「知の光を得る」「歴史を見る目を養う」ことを目的としたいと思います。 “まえがき”より |
もともと知識さえ不足している私だけど、昨今の情報社会についていけない状態では、人前に提示できる知識量では三流以下。あとは人並み以上程度には本を読んだ経験から蓄積された・・・はずの、人間や社会に対する観察眼を自負したいところなんだけど・・・。
そういうわけで、渡部昇一氏の選んだ、“革命的な知の光”を示したと思われる人たちの十二の著作。塩野七生氏の『ローマ人の物語』が含まれているのが嬉しいな。
![]() | 『名著で読む世界史』 渡部昇一 (2013/10/31) 渡部 昇一 商品詳細を見る 混沌とした現代を行くていくための指針 |
第一章 ヘロドトス『歴史』 | なぜ、ペルシャ戦争に向かったのか |
第二章 ツゥキディデス『歴史』 | ペロポネソス伝送を体験した人物が・・・ |
第三章 カエサル『ガリア戦記』 | ローマ帝国がヨーロッパに及ぼした影響 |
第四章 タキトゥス『ゲルマーニア』 | ローマ人との対比で描かれたゲルマン人 |
第五章 塩野七生『ローマ人の物語』 | 「物語」としてのローマ |
第六章 ドーソン『ヨーロッパの形成』 | 「暗黒の中世」観を転換させる画期的な書 |
第七章 マキアヴェッリ『君主論』 | 君主に必須な要素は「徳」ではなく「力」と「計略」 |
第八章 クラウゼヴィッツ『戦争論』 | 戦争を技術論ではなく哲学として・・・ |
第九章 渡部昇一『ドイツ参謀本部』 | ドイツ軍におけるリーダーと参謀 |
第十章 シュペングラー『西洋の没落』 | 西洋が頂点にあるとき、その没落を見つめた |
第十一章 チェスタトン『アメリカ史』 | 日米関係を考える上で必要な、アメリカの正体 |
第十二章 マコーリー『イングランド史』 | なぜ、イギリス議会政治が栄え、今日に至ったか |
第十三章 ベロック『The Jews』 | ユダヤ人に迫る危機、そして世界史に及ぼす影響 |
タキトゥスの『ゲルマニア』、ドーソンの『ヨーロッパの形成』、チェスタトンの『アメリカ史』、マコーリーの『イングランド史』、ベロックの『The Jews』はぜひ読もう。他の本は読んだか、なんかの形で内容はに触れている。
中でも興味深いのは、荒削りな内容のようではあるがチェスタトンの『アメリカ史』。《アメリカに中世はない》というのは、いわれてみればその通り。そして、ドーソンの『ヨーロッパの形成』には、その中世の重要性が語られているらしい。この本では、11世紀ごろ、ゲルマンの好戦的世界が西欧キリスト教的世界に抱合されて騎士道が成立しており、これをもってヨーロッパの統一の象徴としているという。さらに、タキトゥスの『ゲルマーニア』でローマ人との比較で紹介されるゲルマン人を知ることができれば・・・。なんだ、世界史を軽く総なめできるや。
渡部昇一氏はそうやって選んでたってことか。すごいな。『ドイツ参謀本部』も面白かったけど、ドカンと一発、渾身の作品を読ませてもらいたいな。
*『アメリカ史』は、渡部氏の監修で、『アメリカ史の真実』という本になっている。『ヨーロッパの形成』『イングランド史』『The Jews』はちょっと手に入れるのが難しいみたい。残念。


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