めんどくせぇことばかり ユダヤ人(覚書)『名著で読む世界史』 渡部昇一
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ユダヤ人(覚書)『名著で読む世界史』 渡部昇一


渡部昇一氏の書いた『名著で読む世界史』で紹介されている十三冊の中に、とても気になる本があった。ヒレア・ベロック(一八七〇~一九五三)の書いた『The Jews』という本である。
ずいぶん多くの著作を残している人物のようだが、Wikipedhiaによれば、邦訳されているのは『聖ジャンヌ・ダーク』(1949年、中央出版社)、『奴隷の国家』(2000年、太田出版)、『子供のための教訓詩集』(2007年、国書刊行会)、『ウィリアム征服王の生涯―イギリス王室の原点』(2008年、叢文社)の四冊だけで、残念ながら『The Jews』の邦訳本はないらしい。

とても残念。英語で読める人が羨ましい。

渡部昇一氏の紹介を読んで、とても興味深かったのは、ヒレア・ベロックが二〇世紀前期の段階で、“ユダヤ人が危険であること”を、臆せずにはっきり書いているということ。彼が指摘しているものは、とりあえず、以下の二点らしい。
  • ロシア革命は、ユダヤ人の革命であった
  • 第一次世界大戦で、対立する両陣営に武器を供給して稼いでいた
トロツキーがユダヤ系で、レーニンの母親もユダヤ系であったことは聞いたことがあるが、ボリシェビキの大多数がアメリカから応援に駆けつけたユダヤ人であったというのは知らなかった。さらに、ニコライ二世家族が無残に殺された背景で、没収されたロマノフ王朝の財宝がヨーロッパのオークションに出回り、その恩恵に預かったのがユダヤ人であったということも。

そのロシア革命が発生したのは、第一次世界大戦のさなかである。第一次世界大戦では、ロスチャイルド家の鉱山の鉛で作った弾が、ドイツにも連合国にも売られ、両軍の兵士の命を奪っていた。

長い歴史の中、ユダヤ人はその劣等的立場を攻撃されてきたわけだが、この二つの出来事が、ヨーロッパの人々に、「ユダヤ人は危険である」という意識を定着させていったと、ヒレア・ベロックは警告しているのだという。“ユダヤ人は国境を越えて流血に関わり、国境を越えて巨額の富を蓄えている”、つまり、「ヨーロッパ人の血をすすっている」というところだろうか。

『The Jews』の出版は一九二二年である。その十一年後の一九三三年には、反ユダヤ主義を掲げたヒトラーがドイツの首相になっているのは、渡部昇一氏の指摘する通りである。世界史の教科書では、ヒトラーの“反ユダヤ”は唐突で、ヒトラー個人の精神性に多くの責任が帰せられることが多い。しかし、本当は、ヒレア・ベロックが、すでに警告を発していたのである。

『名著で読む世界史』 渡部昇一『名著で読む世界史』 渡部昇一
(2013/10/31)
渡部 昇一

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混沌とした現代を行くていくための指針

渡部昇一氏の慧眼は、二〇世紀前期にヒレア・ベロックが感じた危機感を、現代国際社会に当てはめたことである。いま、世界経済を動かしているのはアメリカ経済であり、アメリカ経済を動かしているのは連邦準備制度理事会(FRB)である。FRBはアメリカとイギリスの大銀行群で通貨発行権はそこに加わっている銀行だけが持っている。そこでユダヤ系企業が力を持っている。「これがグローバル化の正体です」と、渡部昇一氏も書いている。

長く、国を持たなかったユダヤ人。多くの《国民》にとって国境は自らを守るものであるが、ユダヤ人にとって国境は単なる障害である。その状況で、能力と契約によって生き延びてきたユダヤ人にとって、グローバル化こそは夢の実現であると。

そのような状況にある今、ヒレア・ベロックの『The Jews』はぜひ読んでおきたいものだが、邦訳がないということでは私には・・・。


    

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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