『「イギリス社会」入門』 コリン・ジョイス
著者は、一九九二年に来日して二〇一〇年までの十八年間を日本で過ごす。一九七〇年生まれということなので、二十二歳から四十歳まで。人生を決する重要な時期を日本で過ごした。日本を離れる頃には、かなり日本人化していたに違いない。
その著者が書いた『「イギリス社会」入門』。第一刷は二〇一一年。異邦人の目を合わせ持ったイギリス人がとらえた“イギリス社会”が浮かび上がる。私の興味は、“イギリス人らしさって何?”ってことかな。
読み終わっても、イギリスの何たるかがわかったわけじゃない。そんなこと当たり前か。一冊や二冊の本でわかるほど、イギリスが分かりやすいはずもない。でも、分かったこともないわけじゃない。イギリスっていうのは、おもしろそうな国だってこと。もう一つ、日本人とは、どこか深いところで分かりあえそうな気がするってこと。
そうそう、当初の関心事の“イギリス人らしさ”。もちろんわかったわけじゃないんだけど、ここまでたどってきた“歴史”を大切にしてるってことじゃないかな。ケルト、ローマ、アングロ・サクソン、デーン、ノルマン、王室に至ってはスペイン、スコットランド、オランダ、ドイツと、よくもまあここまで入り乱れたもんだ。イギリス人が王室に求めるのは、そんなイギリスの歴史を体現する存在であってほしいということなんじゃないかな。
もちろん背景には、今のイギリスに対する強烈な“誇り”があって、だからこそ、ここに至る“歴史”の中に“イギリス人らしさ”が培われてきたのだろう。
自国に誇りが持てず、自国の歴史をそのまま抱きしめられない人を、日頃、近くに見ているだけに、イギリス人のこういうあり方が、この上なく好ましく思われる。
1~19までのどれが重要とか、どこにそういうことが書いてあるってわけじゃないんだけど、「12 紅茶」、「13 飲酒」、「14酒場」、「15 歴史」、「16 留学」、「17 風物」あたり、とても面白かった。






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その著者が書いた『「イギリス社会」入門』。第一刷は二〇一一年。異邦人の目を合わせ持ったイギリス人がとらえた“イギリス社会”が浮かび上がる。私の興味は、“イギリス人らしさって何?”ってことかな。
![]() | 『「イギリス社会」入門』 コリン・ジョイス (2011/07/07) コリン・ジョイス 商品詳細を見る 日本人に伝えたい本当の英国 |
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読み終わっても、イギリスの何たるかがわかったわけじゃない。そんなこと当たり前か。一冊や二冊の本でわかるほど、イギリスが分かりやすいはずもない。でも、分かったこともないわけじゃない。イギリスっていうのは、おもしろそうな国だってこと。もう一つ、日本人とは、どこか深いところで分かりあえそうな気がするってこと。
そうそう、当初の関心事の“イギリス人らしさ”。もちろんわかったわけじゃないんだけど、ここまでたどってきた“歴史”を大切にしてるってことじゃないかな。ケルト、ローマ、アングロ・サクソン、デーン、ノルマン、王室に至ってはスペイン、スコットランド、オランダ、ドイツと、よくもまあここまで入り乱れたもんだ。イギリス人が王室に求めるのは、そんなイギリスの歴史を体現する存在であってほしいということなんじゃないかな。
もちろん背景には、今のイギリスに対する強烈な“誇り”があって、だからこそ、ここに至る“歴史”の中に“イギリス人らしさ”が培われてきたのだろう。
自国に誇りが持てず、自国の歴史をそのまま抱きしめられない人を、日頃、近くに見ているだけに、イギリス人のこういうあり方が、この上なく好ましく思われる。
1~19までのどれが重要とか、どこにそういうことが書いてあるってわけじゃないんだけど、「12 紅茶」、「13 飲酒」、「14酒場」、「15 歴史」、「16 留学」、「17 風物」あたり、とても面白かった。


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