めんどくせぇことばかり 国民国家と国民(覚書)『近代の呪い』 渡辺京二
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国民国家と国民(覚書)『近代の呪い』 渡辺京二

民衆世界の国家と関わりのない自立性を撃滅したのが近代
実体的には『国民国家の創出』。ヨーロッパにおいてはフランス革命でこれが始まる。私有財産制の確立なのではなく、『国民国家の創出』にこそ、フランス革命第一の意義が存在する。

具体的には国民皆兵制。お国のことなんてしらねえよと言っていた民衆が、喜んでお国のために死ぬことになった。そこには民衆世界の自立性は存在しない。フランス革命のキーポイントは民衆世界の自立性が解体されたことにある。

前史として存在した絶対王政時代、国民と王権の間には様々な中間団体があり、絶対王権はそれを解体しようとはしなかった。それを解体したのがフランス革命であり、中間団体の解体は民衆の自立性が侵食されていくことを意味する。

国家と国民が一体化されたとき、国家と国家の戦争は国民と国民の戦争を意味するようになる。国民と国民が全体的に戦争によって対立するというのはナポレオン戦争が生み出した新事態であった。
『近代の呪い』 渡辺京二『近代の呪い』 渡辺京二
(2013/10/17)
渡辺 京二

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豊かさの背後に刻まれた呪い
経済的には、この頃、環大西洋経済として出現した世界経済は、インド洋貿易圏、南シナ海貿易圏と拡大していた。その中で一定に地位を築くには、民衆を国民として統合する強力な国家のが必要だった。世界経済をめぐる覇権はスペイン、オランダ、イギリスと移り変わっていくが、結局は強力な国民国家を創出した国が覇権を握ることになる。

その覇権争いが東アジアまで拡大された時代が、日本においては江戸時代後半であった。明治維新の動乱はその余波として起こる。当時、日本の先覚者たちは、世界経済の中で占める地位を国民国家単位で争う状況を“万国対峙”と呼んだ。ぼやぼやしていれば、対立する諸国が国力を高めるために冷や飯を食わされる。それどころか植民地にされてしまう。

そんな時代への対応の中で明治維新が発生し、日本でも徴兵制が実施され、教育が施され、国民国家が創出されていった。同時に日本社会に網の目のように存在した様々な中間団体が侵食されていき、民衆の自立性は解体されていった。

久々に渡辺京二氏の本を読めて嬉しい。まだ、昨日読み始めたばっかりで、しかも仕事が忙しかったので、読むためのまとまった時間は取れなかったんだけど、脳みそが喜んでるのがわかる。そんなわけで、“勇み足”ぎみに、ちょっとだけ覚書を・・・

日本にとって見れば近代化された西洋の出現を背景にして、それでも結局は利益に導かれた選択を繰り返した結果が今なわけだけど、その過程でいろいろなものを失ってきた。なかにはずいぶんと味のある世間とのつきあいかたもあったのにね。

国民は国家に貼り付けられてしまったわけだけど、それでも、国民が全員政治に関心があって、政治評論家のようになるっていうのは“実に不健全な状態だ”と著者は言う。・・・もう~、まったくその通り。口にしたくてもできないことを言ってくれてほんとうにありがたい。私たちが一生のうちに遭遇する大事な問題は、ともに生きる他者との生活上の関係の中にこそあるって、本当にありがとう。


    

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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