めんどくせぇことばかり 『政治の起源 上』 フランシス・フクヤマ
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『政治の起源 上』 フランシス・フクヤマ

20世紀の最終盤、自由な民主主義こそが、政体の既定値としての形態であることが、当然のこととして受け止められるようになった。

21世紀にはいってからの10年間で、今度は“民主化後退”が起きた。

ロシア、ベネズエラ、イランでは民主主義の前進が逆転した。選挙で選ばれた指導者が不正選挙を行い、テレビ局や新聞社を閉鎖、買収したり、反政府活動を弾圧している。

カザフスタン、ウズベキスタンなど旧ソ連後継諸国の多くでは、権威主義と民主主義のはざまにはまりこんでしまった。制度が民主主義的なものでも、実力がなければ社会にその効果をもたらすことはできない。

統治不全ということなら、ベネズエラのウーゴ・チャベスやボリビアのエボ・モラレスらのようなポピュリスト型指導者は、格差社会における民衆の不満を表面化させ正常を不安定にすることはあっても貧困を根絶できていない。コロンビア、メキシコ、エルサルバドルでは、犯罪組織が国家とその制度を脅かしている。

経済変動も、人々が政治に懸念を抱く原因の一つとなる。グローバル資本主義は必ず定期的な危機を招く。1990年代始のヨーロッパ、1997年のアジア、1998年のロシアとブラジル、2001年のアルゼンチン、2008年のアメリカ。

『政治の起源 上』 フランシス・フクヤマ『政治の起源 上』 フランシス・フクヤマ
(2013/11/06)
フランシス・フクヤマ

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人類以前からフランス革命まで
一人の天才の出現か、多くの者達の長年の、何世代にもわたる血と汗の結晶として生み出されたものであっても、今、眼の前にあるものならば、今に生きる者の常識でしかない。著者の言うとおり、“民主主義”というのもそういったものの一つだろう。

西欧社会は、さまざまな歴史の積み重ねによって“民主主義”というシステムを作り上げた。ただしそれは、“民主主義”という単品で存在するわけではなく、“国民国家”とか、“資本主義的自由経済”とか、“近代的軍隊”とかとセットになって世界に乗り出した。世界の多くの地域は圧倒的な力を持つ西欧諸国の植民地にされていった。国家を運営する体制を民主主義セットに転換することなく、すでにそれを備えた国家の圧力に抗することは不可能だった。

そんなこんなで戦争と革命の20世紀が存在したわけだけど、その最終盤に民主主義は政体の既定値として受け入れられるようになった。本来は、西欧という世界の辺境における“特殊”であったものが“普遍”の地位を獲得した。それが、21世紀に入って後退の局面に転じたという。

本書は、当たり前に存在してきた政治制度の歴史的起源を明らかにすることによって今ある諸制度の機能への理解を深め、制度の崩壊の過程を解き明かすために書かれた本のようです。

政治制度の発展の様子を歴史を追ってみていくわけだけど、第一部は【国家以前】っていう題名。ホッブス、ロック、ルソーの自然状態から始まるっていうんだから、著者は徹底した人のようだ。

第1部  国家以前
第1章  政治の必要性
第2章  自然状態
第3章  家族・群れから部族へ
第4章  部族社会における所有権、正義、戦争
第5章  リヴァイアサンの出現
第2部  国家建設
第6章  中国の部族主義
第7章  戦争と中国における国家の台頭
第8章  偉大な漢システム
第9章  政治制度の崩壊と家産制の復活
第10章  インドの経験した回り道
第11章  ヴァルナとジャーティ
第12章  インドの政体の弱さ
第13章  イスラム教徒の部族主義からの脱却
第14章  イスラム教を守ったマムルーク
第15章  オスマン帝国の機能と衰退
第16章  家族関係の弱体化を招いたキリスト教

下巻ではフランス革命辺りまで進むらしい。・・・あれ。・・・
失礼。“序言”に書いてあった。なんでも、・・・『政治の起源』には続編があって、その続編で現代まで話を進めるということ。

ということで、第2部を読もう。・・・ごめんなさい。読む前に書いちゃった。


     

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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