『韓国 葛藤の先進国』 内山清行
二〇一三年三月に出された本。書かれた時から考えれば一年くらいたっている。この本の中にはいろいろな心配事が書かれているけど、この一年でそれらの心配事はより厚く、よりどす黒い雲のように韓国社会をおおった。この一年・・・、第二次安倍内閣の一年、朴槿恵大統領の一年。心配事の幾つかは現実の危機となってすらいる。
日本人が書いた韓国論にはめずらしく、著者は“おわりに”の中で「朝鮮半島の魅力に取りつかれ」たと言っている。著者の感じている魅力とは、簡単にはへこたれない韓国人持ち前のチャレンジ精神のようだ。たしかに、いやになるほどのエネルギッシュさを感じさせられることがある。ただそれが日本への対抗心が伴う場合が多いので、私なんかは辟易とさせられてしまう。人それぞれで、著者は私なんかとは違う感覚を持っているのだろう。
少子高齢化への対応、サービス産業の高度化、米国との同盟関係、台頭する支那とどう向き合うか。著者が言うとおり、日韓には共通する課題が多い。韓国がそれにどう取り組むか。鍵になるのは“日本”であることは間違いない。これまでがそうであったように・・・。その時問題になるのが、韓国人が“日本”をどう認識するか。それは、彼らが自分をどう認識するかと同じ意味を持つ。彼らが自分自身や自分たちの歴史と正面から向き合えるか。それが大きな問題になる。
著者は、そうは考えてない。領土にしても、慰安婦にしても、現状をもとにして日韓の政治問題として解決すべき問題というスタンスを取る。日本経済新聞のソウル支社長さんだけど、日本経済新聞というところがそういうところなのかな。
“北東アジアの先進国同士が、協力しながら課題を克服し、世界に貢献する。本書のタイトルには、そんな期待も込めた。いつか実現することを願ってやまない。” 《おわりに》にそうある。
まっ、私だってそう思いますよ。明治の時代から、そう願った人たちはたくさんいました。でもみんな、失望させられたわけです。韓国人が、自分や、自分の国の歴史と正面から向き合ってくれれば、その上で彼ら持ち前のへこたれないチャレンジ精神が日本とのスクラムの上に発揮されるっていうんなら、それは頼もしいパートナーになるでしょうけど。






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日本人が書いた韓国論にはめずらしく、著者は“おわりに”の中で「朝鮮半島の魅力に取りつかれ」たと言っている。著者の感じている魅力とは、簡単にはへこたれない韓国人持ち前のチャレンジ精神のようだ。たしかに、いやになるほどのエネルギッシュさを感じさせられることがある。ただそれが日本への対抗心が伴う場合が多いので、私なんかは辟易とさせられてしまう。人それぞれで、著者は私なんかとは違う感覚を持っているのだろう。
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著者は、そうは考えてない。領土にしても、慰安婦にしても、現状をもとにして日韓の政治問題として解決すべき問題というスタンスを取る。日本経済新聞のソウル支社長さんだけど、日本経済新聞というところがそういうところなのかな。
第一章 天国と地獄 救われない超競争社会 1 もう一つの分断国家 2 財閥たたきと財閥頼み 第二章 脆弱と野望 輸出立国の明暗 1 岐路に立つFTA戦略 2 為替に揺れる経済 3 新重商主義の行方 第三章 過去と未来 日韓関係波高し 1 検証・竹島上陸 2 従軍慰安婦問題とは 3 再スタートに向けて 第四章 本音と建前 北朝鮮問題の行方 1 金正恩の一年 2 対話と圧力のはざまで 3 南北分断の現実 4 惑う外交 第五章 権力と蹉跌 大統領の宿命 1 新大統領誕生 2 強さと弱さ |
“北東アジアの先進国同士が、協力しながら課題を克服し、世界に貢献する。本書のタイトルには、そんな期待も込めた。いつか実現することを願ってやまない。” 《おわりに》にそうある。
まっ、私だってそう思いますよ。明治の時代から、そう願った人たちはたくさんいました。でもみんな、失望させられたわけです。韓国人が、自分や、自分の国の歴史と正面から向き合ってくれれば、その上で彼ら持ち前のへこたれないチャレンジ精神が日本とのスクラムの上に発揮されるっていうんなら、それは頼もしいパートナーになるでしょうけど。


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