めんどくせぇことばかり 『「アメージング・グレース」物語』 ジョン・ニュートン
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『「アメージング・グレース」物語』 ジョン・ニュートン

2013年1月の記事に加筆修正したものです。
アメージング・グレース
Amazing grace! (how sweet the sound)   That saved a wretch like me!
I once was lost, but now an found,   Was blind, but now I see.

Twas grace that taught my heart to fear,   And grace those fears relieved;
How precious did that grace appear,   The hour I first believed!

Through many dangers, toils and snares, I have aiready come;
Tis grace has brought me safe thus far, And grace will lead me home.

The Lord has promised good to me, His word my hope secures;
He will my shield and portion be, As long as life endures.

Yes, when this flesh and heart shall fail, And mortal life shall cease;
I shall possess, within the vail, A life of joy and peace.

The earth shall soon dissolve like snow, The sun forebear to shine;
But God, who called me here below, Will be forever mine.


アメージング・グレース。主は何と美しい響きであろうか。私のような者までも救ってくださる。道を踏み外しさまよっていた私を、神は救い上げてくださり、今まで見えなかった神の恵みを、今は見出すことができる。

神の恵みこそが 私の恐れる心を諭し、その恐れから心を解き放ち給う。信じる事を始めたその時の神の恵みのなんと尊いことか。
これまで数多くの危機や苦しみ、誘惑があったが、私を救い導きたもうたのは他でもない神の恵みであった 。

私に良きことを約束して下さった、主の約束は私の希望の支え、 主は私の盾になってくれるだろう、命が続く限りは。アメージング・グレース。                                                                                           

そう、この身と心が尽き果て、この世の生が終わるとき、 私が後の世で手に入れるものがあります、喜びと平和の生活です。

地球は間もなく雪のようにとけ、太陽は輝くことをやめるだろう、だが、かくも卑しき私に声をかけてくださった神は、永久に私のものになるだろう。 
『「アメージング・グレース」物語』 ゴスペルに秘められた元奴隷商人の自伝『「アメージング・グレース」物語』 ゴスペルに秘められた元奴隷商人の自伝
(2012/12/03)
ジョン・ニュートン、中澤 幸夫 他

商品詳細を見る
ゴスペルに秘められた元奴隷商人の自伝
「アメージング・グレース」の詩を書いたのは、奴隷商人、奴隷貿易船の船長だったという。この本は、二〇〇六年十二月に第一刷発行の増補版として、二〇一二年十二月に発行されている。第一刷発行以来、地道に読者を増やしてきたのだろう。まるで、ジョン・ニュートンが書いて一七七九年に出版された『オウルニィの讃美歌集』に含まれる「アメージング・グレース」が、徐々に知られ、メジャーとなったメロディーで飾られ、多くの人が好んで歌い、聞くようになったように・・・。
第一部   名曲「アメージング・グレース」秘話
第二部   『物語』
第三部   『その後のジョン・ニュートン』
第四部   『奴隷貿易についての考察』
補章     クラパム派とウィリアム・ウィルバーフォース

第二章『物語』の中で、ジョン・ニュートンは自分の波乱万丈の人生を語っている。しかしそれが、聖職者が知り合いの聖職者に宛てた手紙であるために、聖書の文脈や聖職者間の常識がふんだんに盛り込まれていて、その意味を理解するのは難しい。私はそれらを無視して読み飛ばした。第三章『その後のジョン・ニュートン』はニュートンの身近にあった牧師が、牧師になってからのニュートンの生活を書いたもの。第四章『奴隷貿易についての考察』は、ニュートンが一般の人向けに書いた、奴隷貿易の廃止を訴える論文。第五章は、妻の病状の悪化に伴いニュートンが一線を退いた後の奴隷貿易禁止運動が書かれている。

興味を持って読んだのは、第四章の『奴隷貿易についての考察』である。実際に奴隷貿易に船長として携わった本人の証言とあって面白いが、さすがに十八世紀に生きたジョン・ニュートンを超える知識を現代は持っている。特別真新しい内容があるわけではない。

より面白かったのは、巻末に付けられている「ジョン・ニュートン関連年表」をもとに、奴隷貿易に関わっていたと思われる頃の彼の人生を、第二章『物語』から読み取ることだった。奴隷貿易に従事しながら、おそらく彼の心はそれによって蝕まれていたではあろうけれども、第一次の関心事は‘妻からの手紙’なのだ。妻から届くはずの手紙が届いていないことにニュートンはあわてふためくのだ。挙句の果ては、妻は死んでいるに違いないと思い込み、悩み続けるのだ。彼が悩み続けたセントクリストファー島は、奴隷の積み出し港。『奴隷貿易についての考察』で彼自身が報告している通り、彼の船には二二〇~二五〇の奴隷が積み込まれ、女たちには予測することがあまりにも簡単な運命が実現する。そんなところで彼は、妻からの一通の手紙が来ないと言ってあたふたしているのだ。

《人間には指導者として生まれてくる者もいれば、知能が劣っているために人に仕えるために生まれてくる者もいる。これは神が定めたヒエラルキーである。人に仕えるために生まれてきた者にとっては、服従することが幸福につながるのである。》


その時代のニュートンは、確かにそのような世界に生きていたのだ。

子どものころに見たアメリカのテレビドラマに『ルーツ』がある。黒人作家のアレックス・ヘイリーが自分の祖先を追い求める物語。そして、西アフリカから奴隷船に乗せられた誇り高きマンディンカ族の戦士、クンタ・キンテにたどりつく、という物語だったように記憶している。その奴隷船の船長が、敬虔なキリスト教徒だった。ジョン・ニュートンに重なった。



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No title

私は、マーク・トゥウェイン作「ハックルベリー・フィンの冒険」を読んで、冒頭の部分にショックを受けた記憶があります。
英語のテキストだったのか、全部を読んではいないと思います。
ハックルベリー・フィンは、よく知られているトム・ソーヤーの親友という設定だったので、同じように暢気なジュブナイルだと思っていたのです。
当時のアメリカ人(白人)は、黒人が奴隷であることを当然だと思っていたことがよく分かります。

しのぶもじずり さま

マーク・トウェインの書いたものって、面白いんだけど、どっかこわいですよね。
いつ読んだかも定かじゃないんだけど、『不思議な少年』は怖かった。
“少年”は神だったか、悪魔だったかさえはっきりしないけど。
道ばたの石ころ一つの因果で人の人生を変えることのできる“少年”。

社会そのものが逃れがたい問題の上にあって、笑いさえも陰を引きずるような・・・

ありがとうございました



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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































































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