めんどくせぇことばかり 『吉田松陰著作選 留魂録・幽囚録・回顧録』 奈良本辰也
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『吉田松陰著作選 留魂録・幽囚録・回顧録』 奈良本辰也

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『吉田松陰著作選 留魂録・幽囚録・回顧録』 奈良本辰也『吉田松陰著作選 留魂録・幽囚録・回顧録』 奈良本辰也
(2013/11/12)
奈良本 辰也

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至誠にして動かざる者は未だ之有らざるなり

一八五三年のペリー来航。明治維新が一八六八年。国を開き、世界と伍していく体制を整えるのに十五年を費やした。有色人世界で唯一欧米列強に立ち向かえるだけの国をつくりあげたことそのものが偉業と讃えられることも多い。それにしては、この十五年。あまりにも考えさせられることが多い。あの時、もし吉田松陰がアメリカに渡っていたら・・・。

実際に起こった事実のみで語るべきではない。日本には違う歴史だってありえた。よりよい選択だって、当然ありえた。何がどう・・・、誰がどう・・・。そう踏み込んでしまうとたちまち見えなくなるけど・・・。どちらにしたって、あまりにも多くの者が命を落としすぎた。
 
吉田松陰もその一人。安政六年十月に満二十九歳の生涯をとじた。獄中で書きあげた『留魂録』の冒頭は、『身はたとい武蔵の野辺に朽ちぬとも 留めおかまし大和魂』という辞世が記されている。
吾れ行年三十、一事成ることなくして死して禾嫁の未だ秀でず実らざるに似たれば惜しむべきに似たり。然れども義卿の身を以て云へば、是れ亦秀実の時なり、何ぞ必ずしも哀しまん。何となれば人寿は定まりなし。禾嫁の必ず四時を経る如きに非ず。十歳にして死する者は十歳中自ら四時あり。二十は自ら二十の四時あり。三十は自ら三十の四時あり。五十、百は自ら五十、百の四時あり。十歳を以て短しとするは蟪蛄をして霊椿たらしめんと欲するなり。百歳を以て長しとするは霊椿をして蟪蛄たらしめんと欲するなり。斉しく命に達せずとす。義卿三十、四時巳に備はる、亦秀で亦実る、其の秕たると其の粟たると吾が知る所に非ず。若し同志の士其の微衷を憐み継紹の人あらば、乃ち後来の種子未だ絶えず、自ら禾嫁の有年に恥ぢざるなり。同志其れ是れを考思せよ。

これは留魂録の中の一節だけど、なぜか好きだな。淡々と自分の死を受け入れ、かと言って悲しむなと、自分は自分の一生をしっかり過ごしたと、しっかり花も実もつけたと、いい花だったか実だったかは私の知ったことではないが、引き継ぐ者がいればしっかり実らせよ。ずいぶん勝手なことを言っているようにも思えるけど、なんだか松陰らしく自分というものにとことん淡白で、人に対してはとことん熱い、そんな部分が感じられて…。

吉田松陰が書いたものを読んでみると、やはり第一に思うのは“世界を知りたい”という彼のかきむしらんばかりの情熱。日本をなんとかしなければならないという思いは、まるで身もだえするかのように感じられる。

先日、朝鮮日報に「吉田松陰こそが日本による朝鮮侵略主義を作り上げた人物だ」とする記事が掲載された。
ソウル大学の李泰鎮(イ・テジン)名誉教授は27日、ソウル市内の東北アジア歴史財団で行われた「2010年韓日知識人共同声明記念第3回学術会議」の席上「安倍晋三首相の思想の源流は、征韓論の元祖である吉田松陰(1830-59)だ。日本が過去を十分に反省していないのは、明治時代の侵略主義をつくり上げた人物について、韓国の学界の研究がほとんど行われなかったことに起因している」と指摘した。

昨年12月に靖国神社を参拝した安倍首相は、これに先立つ同年8月13日、自身の選挙区である山口県にある吉田松陰の墓に参拝した。これについて李教授は「吉田松陰は韓国侵略の精神的支柱としての役割を果たした人物だが、韓国の学界やメディアは当時、このことにそれほど注目しなかった」と指摘した。

吉田松陰は韓半島(朝鮮半島)への侵略を主導した伊藤博文や桂太郎などの師匠であり、著書『幽囚録』を通じ、朝鮮半島や満州の征服などを説いている。明治維新後の日本は、吉田松陰の主張をそのまま実践するかのように、韓国を併合し、満州を占領するなど、侵略戦争を繰り広げた。
…以下略
李漢洙(イ・ハンス)記者

幽囚録にはたしかに以下のような記述がある。
朝鮮と満州とは相連りて神州の西北に在り、亦皆海を隔てて近きものなり。而して朝鮮の如きは古時我れに臣属せしも、今は則ちやや倨る。最も其の風教を詳かにして之れを復さざるべからざるなり。

朝鮮を責めて質を納れ貢を奉ること古の盛時の如くならしめ、・・・
これは西洋列強が領土を奪い合う東アジアにおいて、現状のように手をこまねいていれば、必ず植民地化の憂き目をみるとの危機感を募らせる中に出てくる一節である。云われた側には面白くないだろうが、文脈からすれば植民地化を逃れるための方策の一例として吉田松陰が古代の知恵を披歴しているにすぎない。そんなことを根拠に侵略主義者呼ばわりされても、冥土の吉田松陰がはた迷惑がるだろう。

吉田松陰のような憂国の士が朝鮮には、ついに出なかった。代わりに出たのが安重根のようあとさきの見境のつけられないならずものだったことを、朝鮮人は悲しむしかないだろう。


    

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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