めんどくせぇことばかり 『歴史問題は解決しない』 倉山満
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『歴史問題は解決しない』 倉山満

この間、『侮日論』を読んで、“河野談話見直しからの撤退”を決定した安倍政権に対する意見を書いた。書いたとたんにこの本、『歴史問題は解決しない』を読んだ。ペラペラめくって、いきなり序章から“安倍政権が「歴史問題」を解決できない理由”だって。ふんふん・・・、大変面白い。

支那で沖縄の領有権を主張する声が大きくなっている。韓国が対馬の領有権を主張するのはすでに常態化。アメリカでは、ロサンゼルスの映画館で「釣魚島の真相」という映画が上映された。韓国が慰安婦像を設置して話題になったグレンデール市というのもアメリカ。さすがに支那、韓国。ツボを心得ている。アメリカは、決して日本の“歴史の見直し”を許さない。

たしかにそうなんだけど、実はそうとばかりも限らないと思ってる。支那の第一列島線、第二列島線突破は、間違いなくアメリカの利益に反する。これ以上、“慰安婦”、“独島”どころか“対馬”を持ち出す韓国につきあえば、アメリカが世界から馬鹿だと思われる。なにも一事が万事じゃない。“やりよう”だと思う。
『歴史問題は解決しない』 倉山満『歴史問題は解決しない』 倉山満
(2014/01/25)
倉山 満

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日本がこれからも敗戦国でありつづける理由
序章  安倍内閣が「歴史問題」を解決できない理由
第一章  近代の前提-歴史問題を解決させたくない
第一節  古代ヨーロッパが先進地域だとの思い込み
第二節  七百年も恨みを抱き続ける意味
第三節  正しい歴史を知る恐ろしさ
第二章  ウェストファリアと反近代の衝動
第一節  キリスト教の克服から近代が始まる
第二節  絶対王権が国家主権の原点
第三節  国際法とは「王際仁義」であり「法則」である
第四節  戦争はなくせないとの思想が「文明」をもたらした
第五節  ウェストファリア体制を認めなかった人たち
第三章  ヨーロッパ近代の成立と身勝手な「文明」の押しつけ
第一節  ヨーロッパ、東方のアジアに勝利す
第二節  果たし合い(ゲーム)を楽しむ国王立ち
第三節  国民戦争は相手を抹殺しない
第四節  中華帝国の「文明」観
第四章  総力戦では歴史認識こそが最大の武器
第一節  日本-近代の模範生
第二節  世界史に巻き込まれ、撥ね返した日本
第三節  日露戦争とクラウゼヴィッツ
第四節  南北戦争で生まれたアメリカ合衆国の遺伝子
第五章  日本は敗戦国から抜け出せないのか
第一節  聖戦論に回帰した第一次世界大戦
第二節  怨念と抑圧の第二次世界大戦
第三節  「戦争」が根絶された世界
第四節  日本が敗戦国から抜け出せない理由
終章  敗戦国から抜け出す方法
  
目次を見ただけでもわかるんだけど、この本は“この現代世界がどのようにして成り立ったか”、“そんな現代世界で、私達はどう生きるべきか”を語ったもの。

「いいえ、歴史とは記憶だけの科目ではありません。現代がどのようにして成立し、今後どう生きるかを考える力をつける科目です」なんて、社会の先生が言いそう。まさしくその通り、この本は歴史の本。日本を含めた“世界の歴史”。その中で日本人がどう生きるべきか。いや、どんな生きるすべが日本人には残されているのかを語った本。

敵との妥協、敵を根絶しないという決断は、悪魔との取引。だから宗教戦争はどうしても悲惨な戦いになる。その宗教戦争に決着をつけるきっかけとなったのがウェストファリア条約。

三十年戦争は、主戦場となったドイツでは、土地の三分の二が焦土と化し、人口の四分の一が消滅したという。妥協を許さない宗教戦争としてのこの戦争に、フランス・ブルボン家は対ハプスブルク家の立場から、カトリック教国でありながらプロテスタント側に立って参戦した。フランスの参戦でこの戦争は“覇権争い”の様相を濃くし、妥協の余地が生まれる。そして成立するのがウェストファリア条約。

この条約により、帝国から主権国家の独立が確認され、主権国家の並立、宗教権力と世俗権力の対等という、現代に通じるウェストファリア体制が成立する。

本書では、このウェストファリア体制の理解のために多くのページが割かれている。この体制下、「戦争はなくならない」という前提のもとに近代国際法が成立し、戦争は主権国家同士の“決闘”としてルールがもうけられた。このルールの適用範囲内が文明地域であり、非文明地域への侵略にはなんの制約もない。それが近代世界である。この説明は分かりやすい。

日本は不平等条約を押しつけられながらも文明国への編入を目ざして改革を進め、日清、日露の戦争を通して、非白人地域で唯一文明国の仲間入りを果たした。そこへ、新たなルールを引っさげてアメリカが登場する。三十年戦争を知らない非ウェストファリア体制国家たるアメリカは、原理主義のもとに“正義”の旗印を上げ悪魔との妥協を拒んだ。相手を焼きつくすまで続く総力戦、宗教戦争の再燃である。

焼きつくした後の相手には、あらためて“悪魔”のレッテルを貼り付ける。ここまでが戦争である。だから決して“悪魔のレッテル”はがしは許さない。“悪魔のレッテル”こそが歴史認識である。

とても分かりやすい。本当にこのレッテルをはがそうと思えば、もう一度戦争をやり直すくらいの気持ちがなければできるはずがないと、本書では述べられている。そのとおりだと思う。まだ書きたいことがあるんだけど、だいぶ長くなっちゃったんで、それはまた今度。


    

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































































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