めんどくせぇことばかり 『一神教と国家』 内田樹・中田考
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『一神教と国家』 内田樹・中田考

以下の二人の対談
内田 樹
1950年東京都生まれ。思想家・武道家。神戸女子学院大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論等。著書に『私家版・ユダヤ文化論(文春新書)等多数。
中田 考
1960年岡山県生まれ。イスラーム学者。同志社大学神学部元教授。専門はイスラーム法学・神学。哲学博士。著書に『イスラームのロジック』(講談社)他。
中田考氏はムスリムなんだそうで、ムスリムの語るイスラームは、やっぱり外の人間が語るものとは違うんだな。なんだかんだ言っても“テロリスト”というイメージは、私の頭にも刷り込みが進行しつつあった。この程度の段階で中田氏の語るイスラームに触れることができてよかった。

なにせ世界に十六億人もの信者を抱えるイスラームを誤解したままでは、世界の理解なんてできるはずがないからね。

『一神教と国家』 内田樹・中田考『一神教と国家』 内田樹・中田考
(2014/02/14)
内田 樹、中田 考 他

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イスラーム、キリスト教、ユダヤ教
序  レヴィナシアン・ウチダ、ムスリム中田先生に出会う   内田樹
第一章  イスラームとはなにか?
第二章  一神教の風土
第三章  世俗主義が産んだ怪物
第四章  混迷の中東世界をどう読むか
第五章  カワユイ
(^◇^)カリフ道
補遺  中東情勢を理解するための現代史  中田考
イスラームとはなにか、イスラーム・ユダヤ教・キリスト教の比較、一神教と多神教の比較などといえば、やはりかた苦しく思われがちだが、そうならないのは両者が“生身の身体感覚”から語っているから。“生身の身体感覚”って言うのは、実感をともなう、つまり観念に堕ちないってことかな。とにかく、他の宗教に関わる本にありがちな“わかりにくさ当然”みたいな本じゃあない。

だから、語られる現場はあくまでも“今”。アメリカ主導で進められるグローバル化の中で、イスラームはどう生きているのか、私達はどう生きるのかってことが、本書の主題。

二人はグローバル化を強く懸念する。世界の人々が同じ言語を使って、同じものを食べ、同じ商慣習により取引し、同じように考え、同じ欲望をもち、同じものを買う。、その言語は英語で、食い物はアメリカ人みたいな食い物、アメリカ流の商慣習を世界が受け入れ、アメリカ人とおんなじように考え、アメリカに欲望を刺激されて、アメリカから買う。

そこに何かしらの理念があるわけじゃなくて、あるのはただ、お金のダイナミズムのみ。拝金主義そのもの。グローバリズムとはいえ、それは単なるアメリカ化。国民国家はローラーをかけられたようにおしなべて平準化される。世界でも特殊な文化を持った日本のような凸凹も、いつかはまっ平ら。日本列島はあっても日本人は消え、存在するのはアメリカみたいに金持ちと貧乏人だけになる。

ああ~、やだやだ。だいたいウェストファリアも理解できない中世国家のアメリカ風にローラーかけられるなんて、真っ平ごめん。宗教戦争の時代に逆戻りだよ。・・・そうか、だから捕鯨反対なんだ。

反捕鯨運動の本質は“魔女狩り”だね。死刑廃止運動も、わけの分からない環境運動とか人権運動もみんな“魔女狩り”と同じ本質を持ってるんだな。

グローバル化の最大の障壁がイスラームであるという。その理由は、イスラームは本来がボーダーレスな存在であるからだという。だからグローバル化の動きは、非イスラームに関しては領域国家を解体する方向で、ボーダーレスなイスラームに関しては領域国家に封じ込め、分断する方向で進められていくという。たしかに・・・。

中田考氏のイスラーム主義も、内田樹氏の護憲派としての意見も、私は受け入れられない。でも、両氏の考え方や認識にも勉強させてもらう部分はある。“グローバル化”に対する認識はおんなじ。“反グローバル化”というところに価値判断の基準を置いているのかな。“護憲”というのもその辺りに根本があるか?ともかく、日本はさらに特殊な立場をもつ。そのアメリカに戦争で負けたってことで、敗戦後の体制からの脱出も重要課題。難しい問題。“護憲”で乗りきれるとはとても思えない。


    

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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