めんどくせぇことばかり 『かの名はポンパドール』 佐藤賢一
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『かの名はポンパドール』 佐藤賢一

類まれなる美貌と女性的魅力を武器に、寵姫として皇帝や王に取り入り、やがて宮廷に確固たる地位を築いて政治をも壟断する女。思い起こされるのは武則天や西太后。特に西太后は、その死後まもなくにして辛亥革命を迎え皇統を失うことを考えれば、ポンパドールの立場により近いだろうか。

おっと・・・、そんなふうに一括りにしてしまえば身も蓋もない。ポンパドールも西太后も、まずはいい女だったってことだ。 その上に、男顔負けの能力と、なによりも確固たる信念を持っていた。

『かの名はポンパドール』 佐藤賢一『かの名はポンパドール』 佐藤賢一
(2013/09/11)
佐藤 賢一

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かの名はポンパドール
   ・・・ポンパドール侯爵夫人ジャンヌ・アントワネット・ポワソン
支那帝国に比べてフランスのシステムを考えれば、寵姫とはいえ女が、人事のみならず政策にまで関与するというのは、通常あり得ることとは思われない。

ディドロ、ダランベール、モンテスキュー、ルソーといった啓蒙思想家の活動を助け、産業の育成への関心も高く、マリア・テレジアとの間に外交革命を成し遂げ、七年戦争を皮切りにフレンチ・インディアン戦争やプラッシーの戦いと、後のフランスの行く手を左右する時期、政策に直接関与する。

ただの“寵姫”であるならば、ありえない。ただの“寵姫”であるならば・・・
いいえ、そうではありません。これは新しい挑戦なのです。ええ、抱かれるだけが女の価値じゃないはずだもの。それなしでも、いる意味があるはずだもの、ええ、ええ、わたくし、挑戦してみます。ポンパドール侯爵夫人という、新しい女の形の創造に

そうかぁ、彼女の挑戦が、今も私の“お母ちゃん”みたいな生き方を生み出したのかぁ・・・なんてことはともかく・・・、実際、そんな形がありえたのだから仕方がない。ルイ15世にとって必要な“人物”であったということだ。
と、ここまで書いて、やはり取り上げなければならないのがルイ15世。この物語の主役は、この人物ではないか。どうにも『わが名はポンパドール』という、ルイ15世を主人公とした物語を読んだような気がしてならない。

“手のつけようがない・・・”というのが、太陽王ルイ14世の後を継いだ彼のフランス観ではなかったか・・・。だからこそ、例外に例外を重ねたような、ポンパドールの生き方がありえたのでは・・・
ルイ15世

ポンパドールという目の付け所といい、内容といい、著者らしい一冊という感じがする。でも一人の女の内面を書きすぎたんじゃないかなって、そんな感想を持っている。同名の漫画の原作にもなってるらしいけど。『ベルサイユのばら』同様、少女漫画は苦手なたち。少女漫画として書かれることを前提に書かれたお話だったのかな。

『我が亡き後に洪水は来たれ』

ポンパドール夫人が発したという説が有力な言葉だけれど、それは実際に後におこるフランス革命で、フランスがメチャクチャになるからこそ力を持つ。ポンパドールの生き方を考えれば・・・、その説、どうも私にはしっくりこない。ちょっと近視眼的な感が否めない。

    

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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