めんどくせぇことばかり 欧米人のうらやむ日本(覚書)『日本人の背中』 井形慶子
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欧米人のうらやむ日本(覚書)『日本人の背中』 井形慶子

今回私が読んだのはこの文庫版じゃなくて2008年初版のサンマーク出版が出したもの。この6年間でも、”日本”に関する一般的論調には微妙な変化が生まれているように思う。

日本人自身が日本を積極的に評価していこうとする風潮は、この6年間でもだいぶ強まった。それ自体悪いこととは思わない。その傾向の中で行き過ぎや事実に基づかないものを抑えていくというのが自然な姿だと思う。

当然のことながら書き手は、その時々の社会的風潮を前提にしてものを書く。同じ人間が同じことを訴えようとしても、社会的風潮が異なれば、各内容にもそれが現れる。そんなことを原因とするであろう微妙な感覚的ズレが、この本には感じられる。・・・間違えないでね。著者の言ってることがズレてるってことじゃないからね。

『日本人の背中』 井形慶子『日本人の背中』 井形慶子
(2010/10/20)
井形 慶子

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欧米人はどこに惹かれ,何に驚くのか
第1章  欧米人のうらやむ日本
第2章  欧米人の不思議がる日本
第3章  自信の持てない日本人
第4章  日本人が尊敬されるために
第5章  これからどうなる日本人
・・・私がこの本に感じた、”今”との微妙なズレの背景には、この本が書かれた年、2008年。3・11以前の本だということがあるように思う。あそこを起点に、やはり日本人は変わった。自分自身を捉え直そうとしているように思う。そうしようとした時、あまりにも見過ごされてきた自分たちの特殊性、特に外から見て“うらやまれる”点に関心が集まるのはごく自然。つまり、“日本人による日本人の再評価”。

それを考えた時、本書でそれに当たるのが、第1章の『欧米人のうらやむ日本』なんだけど、だいぶ遠慮がちに書かれているように感じてしまう。今なら、それこそ第1章をより詳しく、より様々な事例をあげることで一冊の本にするほうが、読者の関心を引けたんじゃないかなって思う。
第1章  欧米人のうらやむ日本
  • 欧米人が絶賛する日本の風呂
  • 日本食は究極のヘルシーフード
  • なぜ彼らは居酒屋にハマるのか?
  • 「わび・さび」文化に魅せられる欧米人
  • 「オタク」と「マンガ」に世界が注目
  • 日本人も知らない神秘の日本

第1章の項目を見ても、今は常識となっている様々な日本初の文化を先んじて取り上げている。書き様によっては、これだけで一冊の、内容豊富な本になったろうと思う。

もちろん本書はそれだけを目的にした本ではない。好き嫌いにかかわらず国際化する世界において、その世界とそれぞれの立場で関係して、私たち日本人は生きていく。その日本人に、日本人にも誇るべき数々の美点があること、またちょっとした意識の改良でさらに日本人の世界が広がっていくことを訴えている。もちろんその点で捕らえてみても、価値の高い本だとは思う。

ただし、部分、部分、「ここは著者の考え方は違うんじゃないかな」って思うところがあった。そんな点について、あとでもう一度、この本の記事を書くことになると思う。


    

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No title

おじゃまします。
戦後の悪しき教育のためなのか?「外国」を無批判に高く見る人がいまだにいます。一つには外国語へのコンプレックスだと思います。そろそろ戦後も終わって、等身大の日本を自覚する時期に来ているように思います。

英語教育についても、会話ができると便利ですが仕事や勉強となればそれなりの内容の意志疎通をするわけです。日本人同士であっても文章力が必要です。

きちんとした文法に基づく読み書きに一番力を入れるのは大切なことです。後進国で外国語会話に力を入れているのは海外に出稼ぎに行かせることを前提にしているからです。ペラペラしゃべっても読み書きをさせるとひどいものです。英語を公用語の一つにしている国の出身者でもほとんど書き直しというレベルまで手直ししたことがあります。

MK さま

コメントありがとうございます。

英語は苦手です。それ以前に、会話によるコミュニケーションが苦手です。どうも私は思考の方向性に他の人との違いがあるらしく・・・、いつも相手に予想外の言葉を・・・、有り体に言えば的外れな言葉を返しているらしいのです。私の中ではふさわしい言葉なのですが、相手を戸惑わしてしまうようです。

だから英語は諦めます。迷惑をかけるのは、日本の方だけにしておこうと思います。

ありがとうございました



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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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