めんどくせぇことばかり 『さらばスペインの日日』 逢坂剛
FC2ブログ

『さらばスペインの日日』 逢坂剛

何かに急き立てられるようにして読んで・・・、おっ、終わってしまった。読み終わってしまった。・・・どうしよう・・・

『さらばスペインの日日』 逢坂剛『さらばスペインの日日』 逢坂剛
(2013/11/22)
逢坂 剛

商品詳細を見る
イベリア・シリーズ・・・16年目にして最終巻

主人公の北都昭平は、陸軍参謀本部付情報将校、つまりスパイ。直属の上司、参謀本部総務部長の神山正興少将から受けた密命は、中立国スペインで米英の大使館員や情報員と非公式に接触し、できるかぎり早期に和平交渉を行うための緒をつかめというものだった。

主人公の北都昭平。スペイン内戦の中、共和派の地下活動に従事するペネロペ・サルトリオ。イギリス秘密情報部MI6に属するが、敵国のスパイ北都との恋に落ちるヴァジニア・クレイトン。これら架空の人物が第二次世界大戦という時代のうねりに翻弄されていく姿が描かれた物語。

脇を固めるのがこの時代を生きた実在の人物たちだからこそ、北都やペネロペ、ヴァジニアら、歴史に名を留めるわけではない者たちの必死の生き様が輝く。駐スペイン日本大使須磨弥吉郎、駐ドイツ特命全権大使大島浩、キム・フィルビーは20世紀最大のスパイと呼ばれる人物。アプヴェア長官のヴィルヘルム・フランツ・カナリス提督は反ヒトラー運動を貫いた真の愛国者であったという。

著者がこのシリーズを書いたのは、太平洋戦争を描いた小説は多いが、この時期にヨーロッパで生きた日本人を扱った小説がなかったからだそうだ。スペインやポルトガル、スウェーデンなどの中立国では、積極的かつ効果的に情報活動を展開できたという。外交官、武官らの公務員のみならず、新聞特派員、商社マン、銀行マンといった民間人も戦争遂行のための情報活動に巻き込まれていたそうだ。

そういった、今まで書かれなかった、戦争のもう一つの側面に光を当てた物語になった。なによりも面白かった。直前の第6巻『暗殺者の森』が出されたのが2010年9月、最終巻『さらばスペインの日日』が出たのが2013年11月、3年間も待たされた。第1巻の『イベリアの雷鳴』から数えれば14年。作者の書き初めからは16年だそうだ。

50代も半ばに入り、つくづく思う。このイベリ・シリーズのようなおもしろい物語を、あといくつ読めるだろう。それ以上に気になるのは、シリーズ物の最後を読まずに死にたくないということ。あるいは、シリーズ物の最後を書かずに作者に死なれちゃ困るということ。んん~、どちらもそうそう、うまくはいかないか。

イベリア・シリーズ最終巻を読み終わってしまった。ああ、・・・もっとゆっくり読めばよかった。


         

にほんブログ村 本ブログへ一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
読書
記事一覧


関連記事

テーマ : 歴史・時代小説
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください


現代とはなぜこんなにも棲みにくいのか。
前近代から近現代へと変貌し続ける世相の本質をつかみ生き方の支柱を示す。
カウンター
カテゴリ
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
最新記事