めんどくせぇことばかり 『アジア全方位 papers 1990-2013』 四方田犬彦
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『アジア全方位 papers 1990-2013』 四方田犬彦

まだ一昨日の記事が引っかかってる。公開しちゃった以上、今更引っ込めるのもかっこ悪いしなぁ。あんまり熱くなった記事を書きたくないんだよなぁ。

昨日書いた以上の原因がはっきりした。あの記事書いていたとき、この本読んでたんだ。そんで、頭に血が登ってたんだな。そんなわけで、貧血気味の人は是非どうぞ。

『アジア全方位 papers 1990-2013』 四方田犬彦『アジア全方位 papers 1990-2013』 四方田犬彦
(2013/10/12)
四方田犬彦

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アジアという文脈の中で考えてきた?


著者の四方田犬彦さんという方は、東大で宗教学を学んで、長らく明治学院大学教授として映画史の教鞭をとった方だそうだ。今は物書きに徹しているとか。この本の中にも書かれているけど、朴正煕時代の韓国に留学し、建国大学校に勤務した経験もあるということで、日韓関係にも一家言を持っているらしい。
Ⅰ  誰もしらないところに行く
Ⅱ  鳥を贈る
Ⅲ  離騒のなかの映像
Ⅳ  パレスチナ芸人、日本に来たる
Ⅴ  他者と内面


一九九〇年から二〇一三年までのエッセイ集で、アジア各地を飛び回る著者の旅の記録という趣きの本。ずいぶん忙しい方のようだ。

…旅の記録…は面白かったり、そうでなかったり、眉をひそめさせられたり。でも、“コカの葉とトウモロコシ”とか、“朴正煕大統領が暗殺された日”とか、“シオニズムの映画的表象”とか、結構興奮するものもあった。中でも韓国体験は、著者の軸を構成する大事な要素らしい。それは分厚いエッセイ集の底流として全体を支えているように感じられるんだけど、『Ⅴ 他者と内面』の中の、“他者としての日本、内面化された日本―日本による韓国併合百年を振り返って”という著者本人による講演録を読めばはっきりする。

歴史認識は、三十年前の私が学生の頃と一緒。著者は一九五三年生まれなので、おそらく四十年前の知識のままに今日までを過ごした方だろう。そのままの眼で、日本と日本人を、韓国と韓国人を見て、そして感じたことを書いている人のようだ。
この屈辱的(ペリーの黒船外交で不平等条約を“押しつけられた”こと)な心理的不充足感を解決するもっとも簡単な方法とは、自分よりも遅れている隣人を見つけ出し、自分が欧米諸国にされたのとまったく同じ屈辱を、その隣人に体験させることでした。西欧近代の模倣を国是とするに至った日本は、その悪徳である植民地主義をも模倣したのです。台湾を、「満州国」を、そして韓国を植民地化せんとする欲望の背後には、こうした無意識的な反復強迫が働いていたのだと、私は考えています。
ということです。

その文脈の中では、これほどの人が福沢諭吉の“脱亜論”の本質を知らないはずはなかろうに、「“脱亜入欧”と掛け声だけは勇ましく」と、本質を無視して使われます。

戦後の韓国と真正面から向き合った人物として、大島渚にいろいろなことを代弁させているけれど、同じように本気で向き合ったからこそ日本は韓国を併合せざるを得なくなってしまったとは、考えてもいないらしい。

この本読んでたから、熱くなって一昨日のような記事を書いちゃったんだな。・・・人によるけど、さっき紹介した『Ⅴ 他者と内面』の該当の講演録から読むことをおすすめする。分厚い本でね。全部で五二五ページ。終盤の四三〇ページにして該当の講演録を読み、熱くなりたくなかったらね。あっ、でも、貧血気味の方にはそのほうがいいかも。

前に書いたけど、この方は今、明治学院大学をやめて文筆に専念されているらしい。それだけは良かったと思う。

    

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本


















































































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