『サイパンから来た列車』 棟田博
倉本聰さんの『歸國』、見た?
調べたら、二〇一〇年の八月十四日に、TBSの終戦ドラマスペシャルとして放映さらたんだそうだ。面白かったよなぁ。
この『歸國』じゃなくて、『サイパンから来た列車』、昭和三〇(一九五五)年の本だそうだ。そんなに前か。私は生まれてすらない。物語も、日本兵たちの魂が帰ってきた“現代”はこの本が出た昭和三〇(一九五五)年だった。敗戦ののち、十年しかたってない時代だった。
それがNHKのラジオドラマで放送されたんだそうだ。それを聞いてた倉本聰さんが、二〇一〇年の“現代”に、六十五年ぶりに英霊たちを戻したわけだ。
一九五五年という“現代”に帰った英霊たちにさえ、著者は「こんな、だらしのない、腰の抜けてしまった日本には、さらさら用はない」と語らせている。二〇一〇年、倉本聰さんに言わせれば、「消費経済が世をせっけんし、義務より権利が重視され、個人の自由が優先され、国家の品格などどこかに吹っ飛んだ」“現代”に英霊たちを帰還させる。
ちなみに、原作は短編で、内容も淡白。でも、本質はしっかり受け継がれている。棟田博さんによって書かれ、倉本聰さんに踏襲されているこの物語の本質は、英霊たちの優しさだと思う。どこまで優しいんだ。できれば応えたいなぁ、その英霊たちの優しさに・・・。







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調べたら、二〇一〇年の八月十四日に、TBSの終戦ドラマスペシャルとして放映さらたんだそうだ。面白かったよなぁ。
![]() | 『サイパンから来た列車』 棟田博 (2010/08/04) 棟田 博 商品詳細を見る これがあの、『歸國』のもとになった本 |
この『歸國』じゃなくて、『サイパンから来た列車』、昭和三〇(一九五五)年の本だそうだ。そんなに前か。私は生まれてすらない。物語も、日本兵たちの魂が帰ってきた“現代”はこの本が出た昭和三〇(一九五五)年だった。敗戦ののち、十年しかたってない時代だった。
それがNHKのラジオドラマで放送されたんだそうだ。それを聞いてた倉本聰さんが、二〇一〇年の“現代”に、六十五年ぶりに英霊たちを戻したわけだ。
一九五五年という“現代”に帰った英霊たちにさえ、著者は「こんな、だらしのない、腰の抜けてしまった日本には、さらさら用はない」と語らせている。二〇一〇年、倉本聰さんに言わせれば、「消費経済が世をせっけんし、義務より権利が重視され、個人の自由が優先され、国家の品格などどこかに吹っ飛んだ」“現代”に英霊たちを帰還させる。
ちなみに、原作は短編で、内容も淡白。でも、本質はしっかり受け継がれている。棟田博さんによって書かれ、倉本聰さんに踏襲されているこの物語の本質は、英霊たちの優しさだと思う。どこまで優しいんだ。できれば応えたいなぁ、その英霊たちの優しさに・・・。


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