アフガン・イラク戦争の背景(覚書)『日本人が知らない軍事学の常識』 兵頭二十八
『軍事学』という視点で世界を見るとこう見えるのか。・・・たしかにずいぶん違うな。印象としては、あまりにも冷徹、言葉そのものの意味において、“リアル”。 それなりに情報を仕入れて、自分なりに世界を、そして日本の現状を認識しようと努めているけど、『軍事学』という視点を欠いては、それは不可能ってことだな。
それにしても、ここまで冷徹な目でいまの日本を見てみると・・・、なんだかうすら寒くなってくる。
イラク占領作戦や、アフガニスタン「十年戦争」の背景には一九九八年のパキスタンの第一回核実験があるという。作れるはずのない国が原爆を作った。そのことが、アメリカを恐怖に陥れたという。
二〇〇一年の同時多発テロ。それがアメリカによるアフガニスタンへの対テロ戦争に直結する。一義的にはビン・ラディンの補殺が目的であるが、伏線としてパキスタンの山間に貯蔵されているとみられる原爆を、アルカイダやタリバーンといった過激派が入手するのではないかという恐れがアメリカにはあったと著者は言っている。事実、二〇一一年にビン・ラディンを射殺した現在でも米軍の作戦は継続されている。イラクの核保有疑惑に過敏に反応した理由も同様であるという。
アメリカは、すでにアフガニスタンで多くの戦死者を出した。こんな厄介なことになったのも、もとをたどれば、パキスタンの核開発を手助けした支那政府の存在がある。
アメリカと支那の密接な経済関係をもとに東アジアを語る論調がある。しかし、アメリカにとっての支那は明確な敵国である。
それにしても、ここまで冷徹な目でいまの日本を見てみると・・・、なんだかうすら寒くなってくる。
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もし今日、反米的な反近代国家が核爆弾を手にしたら、それを一九四一年の日本軍のように、自滅覚悟でいきなり米本土に対して行使しないという確からしさはないのです。米国人の安全に責任のある政府が、そんな未来を恐れるのは自然でしょう。 シナは、国連安保理常任理事国であり、かつ、核不拡散条約の加盟国でありながら、その隣国パキスタンの核武装を止めず、むしろ合力し、さらに北朝鮮をも同じパターンで核武装に走らせた。・・・ ソ連崩壊後の米国は八方手を尽くして、旧ソ連が数千発も製造した小型の戦術核兵器が、混乱に紛れて闇市場へ流出しないように奔走していたさなかだったのです。北京の態度はその米国の努力をあざ笑うかのように映じました。 |
二〇〇一年の同時多発テロ。それがアメリカによるアフガニスタンへの対テロ戦争に直結する。一義的にはビン・ラディンの補殺が目的であるが、伏線としてパキスタンの山間に貯蔵されているとみられる原爆を、アルカイダやタリバーンといった過激派が入手するのではないかという恐れがアメリカにはあったと著者は言っている。事実、二〇一一年にビン・ラディンを射殺した現在でも米軍の作戦は継続されている。イラクの核保有疑惑に過敏に反応した理由も同様であるという。
アメリカは、すでにアフガニスタンで多くの戦死者を出した。こんな厄介なことになったのも、もとをたどれば、パキスタンの核開発を手助けした支那政府の存在がある。
アメリカと支那の密接な経済関係をもとに東アジアを語る論調がある。しかし、アメリカにとっての支那は明確な敵国である。
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