めんどくせぇことばかり 『イザベラ・バードの東北紀行 会津・置賜篇』 赤坂憲雄
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『イザベラ・バードの東北紀行 会津・置賜篇』 赤坂憲雄

今まで、イザベラ・バードの書いたものを読んでも、それを検証・解説したものを読んでみようとは思わなかった。東洋文庫の『完訳 日本奥地紀行』を読んでも、注釈を丹念にたどっていくような読み方はしたことがない。私なんかには、ものの理解は“だいたい”くらいがちょうどいいし、“適当”が適当で、“なんとなく”が心地よい。でも、“だいたい”でも、“適当”でも、“なんとなく”でも、本質を大きく踏み外したことはない。・・・、だろうと思う。・・・、きっと・・・

この本を手にしたのも、別に理解を深めようとしたわけじゃない。“だいたい”の理解が踏み外してないかなっておもって。・・・、じつは、たまたまでね。読んでみたら、“やっぱりね”って。

『イザベラ・バードの東北紀行 会津・置賜篇』 赤坂憲雄『イザベラ・バードの東北紀行 会津・置賜篇』 赤坂憲雄
(2014/05/22)
赤坂 憲雄

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『日本奥地紀行』を歩く



バードの『日本紀行』は、感じたことをそのまま素直に文章にしているからいいよね。130年後の日本で、こんなにも読まれていることなんて、おそらく念頭に置かずに、その時の心の動きをそのまま文章にしているように思える。

『日本人はおとなしく、悪意のない人々で、その土地のものとは違う服装をして一人旅をする女性であったも、危険な目に合うことも、礼を失することをされたり侮辱されたりすることも、金をゆすられたり過剰な料金を取られることもまったくない』って書いたところを読めば嬉しくなるし、『彼らの精神的な水準は肉体的な水準に比べて高いのだろうかと自問してしまう。彼等は礼儀正しいし心優しいし勤勉だし、重罪とは無縁である。しかし、日本人と談話してきた経験やここで今見ていることからすると、ここの人々の基本的な道徳水準は非常に低く、生き方が正直なわけでも清らかなわけでもないと判断するほかない』なんて書いたところ読むと“アラアラ”と思う。

さらに、『汚い家屋のなかに、あぐらをかき、うつ伏せに寝転んでいる人々は、未開人も同然で、容姿の点でも生活習慣に上品さのかけらもない点でも、ひどいの一言で、特に後者の点は私がこれまでその中で過ごしてきたことのある未開の人々に比べても際立っていた』なんて書かれたらムッとする。

でも、“はじめに”で著者が言っているように彼女はイギリス人、それも突出した力を持ったあの時代のイギリス人。そして、キリスト教徒、彼女の本を読んでいると、結構めんどうくさいキリスト教との匂いがする。最後に女。そのあたりを補正しながら読むのも楽しい。

でもそれ以上にね。この時期、梅雨まっただ中。そんな時の旅がどんなものか。実は私は知ってる。山登りでね。雨の中を一日歩いて、適地を探してテントを張って、じめつくテントで一晩過ごす。翌朝も雨なら、雨の中で濡れたテントをたたんで、濡れながら雨の中を出発。夕方まで振り続けば、雨の中で濡れたテントを引っ張りだして雨のなかに張る。気分だけが晴れるはずがない。

そのへん考えれば“だいたい”見当がつく。「男も女も人前に肌を晒すことを恥としない未開人ではあるが、むき出しの好奇心とつつましやかな礼儀正しさは、他では例のない、好ましい国民性である」なんてところじゃないかなぁ。

    

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No title

こんばんは。
バードの描写は極端な時がありますね。
実際に「未開」に見えたら彼女にとっては未開だったのでしょう。
ところがアイヌ地域に入ったら褒めまくりなんですよね。彫りの深い容姿なだけでこれだけ感想が違うのかと思いました。
それからバードはいわゆる「いいところの子」だったのでしょうか、同時代の英国の炭鉱町など酷い状態、産業革命に乗れない田舎村も前近代的だったのは多数の英文学に書かれてるのですが・・
明治期は西欧でさえ未開的な部分があったのをスルーしていますが、まあ主観とはいえ正直に書いたのでしょう。

紺屋の鼠 さま

白人様におもねるつもりはないのですが、その眼で見てなお、認めざるをえない日本を書いたってことでしょうね。

ありがとうございました



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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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