めんどくせぇことばかり 支那皇帝は総合商社の社長(覚書)『岡田英弘著作集 第四巻 シナとは何か』
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支那皇帝は総合商社の社長(覚書)『岡田英弘著作集 第四巻 シナとは何か』

先日読んだ、長谷川慶太郎さんの『破綻する中国、繁栄する日本』の中で、支那の経済を支えてきたシャドーバンキングはすでに破綻しているということを書いていた。そしてそのシャドーバンキングを経営していたのが人民解放軍であること、破綻したシャドーバンキングを救済することで、習近平は人民解放軍を手の内に入れたと書いている。

その理屈は分からないでもないんだけど、なぜ人民解放軍がシャドーバンキングの経営主体であるのか、さっぱり理解できなかった。

この本を読んで、それがよくわかった。

『岡田英弘著作集 第四巻 シナとは何か』『岡田英弘著作集 第四巻 シナとは何か』
(2014/05/24)
岡田英弘

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What is China?



皇帝とはヨーロッパ人が言う「エンペラー」でも、「カイザー」でもない。それはわれわれが「中国」と呼んでいる総合商社の社長である。・・・この本の著者、岡田英弘氏はそう書いている。
シナの徴税制度には「租」と「税」があるが、租としてはおもに穀物などの農産物が実物徴収され、これらは県城の倉庫に収められ、首都には運ばれなかった。一方、税については都市の城門が税関となり、そこを通る商品の一割相当が市場を管理する皇帝の手数料として徴収された。国内にもいたるところに税関があり、そこでも手数料が徴収されたが、この税は皇帝の私財となった。

また、皇帝は銀行家でもあった。最近までシナには銀行がなく、資金を借りたければ紫禁城の窓口の宦官に借用書を出して金を借りた。また、皇帝は磁器や絹織物などの直営工場も数多く所有しており、なかでも最高級品はそれらの直営工場で生産され、皇帝の専売となった。また、皇帝は鉱山の開発や経営にも携わっていた。このように皇帝はさまざまな事業を経営しており、戦争と外交には皇帝の私財が当てられた。

一方、官吏は本来皇帝の倉庫に泊まり込んで食料を食べる人のことを指し、皇帝の奴隷であったが、皇帝が偉くなると官吏の地位も上がった。皇帝制度、すなわち官僚制度は、唯一の産業あるいは企業であり、シナでは役人にならなければ意味がなかった。漢人の上昇志向とは、役人になることであった。現在でも共産党や国家の幹部の給料は高く、内部情報が得られるという利点もある。この内部情報には二十二等級のレベルがあり、幹部のレベルに応じて情報の質が異なる。また、上級幹部になればなるほど外国製品が手に入るなどの特権も多い。このような制度は皇帝制度の時代からまったく変わっておらず、同じ原理で出来ている。
本書P103

支那の皇帝は、支那という総合商社の社長であり、帝国とは社長の会社経営の縄張りということのようだ。これだけだと、なぜ、皇帝の奴隷である官吏が経営主体になりえるのかわからないけど、それは次のような理由のようだ。
シナの独特のやり方で、地方のあらゆる官庁は独立採算制なのである。それぞれサービスをする範囲が決まっており、サービスを供与したらその分だけコミッションを取るというシステムで、官吏は原則として俸給はもらっていない。・・・

つまり、地方に出かけているシナの役人は、裁判で原告と被告の療法からコミッションを取ったり、口利きするなどして生活費を稼いでいたので、だから独立採算制といったのだが、今でもそうで、中国人民解放軍は万を数えるほどの私企業を抱えている。それは兵隊や将校の生活を支える糧になっているのである。

・・・だから、兵器工場でピストルを大量生産して、日本のヤクザに売りさばく、などというのは彼らにとっては常識的なことで、こういうことを言えば言うほど、中国はいったい国家であるのかということが疑問になってくる。じつは中国はいまだに国家になっていない。皇帝時代のままなのである。
本書P119

疑問の大半が解決した。著者がこれを書いたのは一九九八年から一九九九年にかけてのようだけど、なんでこういった知見が一般に普及してないのだろう。「馬鹿は知らなかった私だけ」ならいいんだけど、いろんな報道に触れても、私以上の馬鹿がたくさんいるみたいで、とても心配。

    

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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