めんどくせぇことばかり 『井沢元彦の激闘の日本史 南北朝動乱と戦国への道』
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『井沢元彦の激闘の日本史 南北朝動乱と戦国への道』

この間、織田信長自身の領地も飛び抜けて大きいわけでもないのに、なぜ時代が戦国の終結へむけて流れ始めたのかってことについて書いた。でも、その段階ではまだ、この本の冒頭部分しか読んでいなかった。ちゃんと読んでから書かなきゃダメだな。ついつい『軍師官兵衛』のことと一緒に書きたくなっちゃってね。

先を読んだらビックリ。趣旨としては、この本に書いてあることと大きく間違ってはいなかったからよかったけど、私が書いた記事はうんと浅はかだった。

信長
私は、“時代が流れた”とは書いたけど、この本には“どのような知見に基づいて、どんな水路に導かれて、どちらの方角に向かって時代が流れた”と書いてあった。
『井沢元彦の激闘の日本史 南北朝動乱と戦国への道』『井沢元彦の激闘の日本史 南北朝動乱と戦国への道』
(2014/06/24)
井沢 元彦

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現代の常識、日本の常識だけでは、見えない歴史がある❢



第一章  戦国をもたらしたもの―足利将軍たちの苦悩
なぜ戦国になったのか
なぜ南北朝問題は解決できたのか
なぜ三代将軍義満は横死したのか
第二章  鎌倉幕府崩壊への道―後醍醐天皇と悪党たち
なぜ後醍醐天皇の倒幕は成功したのか
なぜ足利尊氏は倒幕に走ったのか
第三章  南北朝時代をもたらしたもの―新政をゆるがす二つの「常識」
なぜ「建武の新政」は崩壊したのか
なぜ日本では武士が否定され続けるのか
なぜ日本に二人の天皇が出現したのか
第四章  戦国はどう終わったのか―常識を打ち破った天才信長
なぜ天下統一は当時の非常識なのか
なぜ信長包囲網は破綻したのか
なぜ楽市楽座は成功したのか
なぜ徳川家康は神になれたのか
 
第一章、“戦国をもたらしたもの”が、一体何であったのか。それを求めて応仁の乱、大名家のお家騒動、足利義教の大名統制、足利義満の野心と検証していく。これで結論を出すのかと思ったら、まだ出さない。第二章、一転、鎌倉幕府の崩壊に触れる。後醍醐天皇や足利尊氏、そして楠木正成の人となりにまで言及し、鎌倉幕府の滅亡を検証する。まだ、結論は出さない。もう出してもいいだろうと思うんだけど、出さない。

そのへんが井沢元彦さんらしい。しつこい(ごめんなさい)。第三章、今度は建武の新政を検証する。そしてようやく、“戦国をもたらしたもの”がなんであったのか、結論を出す。各所各所、各時代各時代で、著者は日本的特殊法則性を丁寧に説明してくれているので、井沢氏の本を読み続けている人にはしつこく感じられるかもしれないけど、その分理解が深まるし、はじめての人でもチンプンカンプンにならずに納得できるものね。

そして第四章では、信長がどうやって戦国を終わらせたのかが書いてある。冒頭に書いたけど、信長がどのような知見に基づいて、どんな水路を引いて、どちらの方向に定めて時代を動かそうとしていたかが、丁寧に書かれている。ちなみに、噂の実教出版の『高校日本史B』に、このあたりの記述を探すと・・・。
[信長の統一事業]信長は、都市と商業の発達に注目した。自治都市の堺を屈服させ、商工業が発達した都市経済を支配した。岐阜や安土に楽市・楽座令を発して座の特権を廃止し、商工業者の営業の自由を認めて、城下町の繁栄をはかった。さらには、関所を廃止し、撰銭令を出し物資の輸送、貨幣の流通など商取引を円滑にした。また信長は、畿内や征服地で検知をおこなって農業生産力を掌握する一方、残存する荘園領主にも所領規模に応じて、軍役を負担させようとした。

信長は、延暦寺を焼き討ちし、浄土真宗の勢力とも各地で戦った。大坂本願寺と10年間戦ったほか、伊勢長島や越前の一向一揆を鎮圧した。1579(天正7)年の安土宗論では、抵抗する宗教勢力は弾圧し、信長に従わせようとした。

戦国時代の朝廷は、幕府の衰退とともに財政的に窮乏していた。信長は、御所の修理や天皇の領地を回復し、公家には知行地を与えて、朝廷の再建をはかった。また、天皇への奉公不足を理由に義昭を批判するなど、天皇との結びつきを印象づけながら、天下統一を進めていた。

こんだけ面白いはずの時代が、ここまでつまらなく書かれると、どうにも絶望的になるね。しかも途中、主語述語の関係があやふやになるし、終盤に至っては“天皇”・“天皇”とその政治利用を印象づけようとしている。もしも、この記事を呼んでいる人のなかに高校生さんがいたら、教科書なんかやめて、『井沢元彦の激闘の日本史 南北朝動乱と戦国への道』を読んで❢❢

    

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































































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