『古代史謎解き紀行III:九州邪馬台国編』 関裕二
もともとの本は、2006年5月にポプラ社から出されたそうで、ずいぶん前だな。著者はたくさん書いているから、読んだような気もするし、読んでないような気もするし・・・。でも、この紀行ものもおもしろいね。地図帳を開きながら、ああでもない、こうでもないと、・・・すごくおもしろい。
さて、地図を見ながら、なにを推理していったかというと、この本の題名にもあるように、“邪馬台国”はどこにあったか。・・・納得してしまった。まあ、誰にでも、いとも簡単に納得させられてしまう私ですが・・・。
ちなみに、下の項目を見てもらって分かるように、結局、この“邪馬台国とはなにか”という問題が、古事記や日本書紀の中に巧妙に隠しこまれて粉飾された“大和建国の謎”につながる、ということになる。
“いまさら邪馬台国論争?”って人がいたら、そうじゃない。・・・そうじゃなくないか。でも、他の邪馬台国論争に比べて圧倒的に面白い。なんといってもここまで来ちゃうとさ、邪馬台国論争だって、宗教化、イデオロギー化しちゃうよね。わかんないのは本人たちだけで、“私の神様のご利益はすごいんです”とかって言われても、しらけるばかり。そういうものとは完全に違うから、もしまだだったら、安心して読んで。
紀行ものであることがこの本の魅力の基でもある。魅力を分かってもらうためにあえて紹介するけど、福岡に、高良山ていう低山があってね。312mの山なんだけど、古くから軍事的要衝としても注目されていたという。そしてその南西、博多周辺の有力勢力からすれば、高良山を挟んだ反対側に“山門”という地名がある。下の地図を見てね。
地図を見ながらだと一目瞭然でしょ。それにこの地図、魅力的でしょ。まあ、本書に載ってるものではないんだけど。地域をこういうふうに俯瞰すると違う見方ができるよね。地図はもう少し大きくできるからね。
△が高良山。
◯が山門。
博多から壱岐、対馬、朝鮮と、一直線。繁栄する博多の背景に大宰府があって筑紫野の狭隘。しかし、地図だと一目瞭然ね。高良山を抑えられれば九州北部は手も足も出ない。この背景に邪馬台国があって九州北部連合政権の長となったというのは非常に合理的である。
しかし、高良山から見て東にある日田。東の勢力に日田を抑えられると、連合政権は分断された上に身動きを封じられてしまう。日田は筑後川の上流で、筑後平野に多大な影響を与える地でありながら、豊の国に属する。豊・・・、トヨ・・・? 台与・・?
著者の九州紀行は“追い落とされた者たち”を追って有明海へ、南下して引っかかるのが野間岬。そして高千穂峰を越えて宮崎県、日向国へ。・・・ここまでにしておこう。







一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
さて、地図を見ながら、なにを推理していったかというと、この本の題名にもあるように、“邪馬台国”はどこにあったか。・・・納得してしまった。まあ、誰にでも、いとも簡単に納得させられてしまう私ですが・・・。
ちなみに、下の項目を見てもらって分かるように、結局、この“邪馬台国とはなにか”という問題が、古事記や日本書紀の中に巧妙に隠しこまれて粉飾された“大和建国の謎”につながる、ということになる。
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“いまさら邪馬台国論争?”って人がいたら、そうじゃない。・・・そうじゃなくないか。でも、他の邪馬台国論争に比べて圧倒的に面白い。なんといってもここまで来ちゃうとさ、邪馬台国論争だって、宗教化、イデオロギー化しちゃうよね。わかんないのは本人たちだけで、“私の神様のご利益はすごいんです”とかって言われても、しらけるばかり。そういうものとは完全に違うから、もしまだだったら、安心して読んで。
紀行ものであることがこの本の魅力の基でもある。魅力を分かってもらうためにあえて紹介するけど、福岡に、高良山ていう低山があってね。312mの山なんだけど、古くから軍事的要衝としても注目されていたという。そしてその南西、博多周辺の有力勢力からすれば、高良山を挟んだ反対側に“山門”という地名がある。下の地図を見てね。

地図を見ながらだと一目瞭然でしょ。それにこの地図、魅力的でしょ。まあ、本書に載ってるものではないんだけど。地域をこういうふうに俯瞰すると違う見方ができるよね。地図はもう少し大きくできるからね。
△が高良山。
博多から壱岐、対馬、朝鮮と、一直線。繁栄する博多の背景に大宰府があって筑紫野の狭隘。しかし、地図だと一目瞭然ね。高良山を抑えられれば九州北部は手も足も出ない。この背景に邪馬台国があって九州北部連合政権の長となったというのは非常に合理的である。
しかし、高良山から見て東にある日田。東の勢力に日田を抑えられると、連合政権は分断された上に身動きを封じられてしまう。日田は筑後川の上流で、筑後平野に多大な影響を与える地でありながら、豊の国に属する。豊・・・、トヨ・・・? 台与・・?
著者の九州紀行は“追い落とされた者たち”を追って有明海へ、南下して引っかかるのが野間岬。そして高千穂峰を越えて宮崎県、日向国へ。・・・ここまでにしておこう。


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