めんどくせぇことばかり そうだったのか久坂玄瑞(覚書)『逆説の日本史 20 幕末年代史編3』 井沢元彦
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そうだったのか久坂玄瑞(覚書)『逆説の日本史 20 幕末年代史編3』 井沢元彦

初っ端から、ひとつの疑問が解決した。笑われるかもしれないけど、こんなことも知らなかった。でも、さすがに心にひっかかっていて、なのに分からなかった。・・・その訳がこういうことなら、私には一生わからなかったろうな。
《久坂玄瑞とは何者か》ということについてである。

「防長第一流の人物たり、因って亦、天下の英才たり」という吉田松陰の評価ゆえか。
久坂玄瑞
木戸孝允は、「玄瑞は死んだとき二十五歳であった。惜しいかな。彼をなお世にあらしめ、ますますその志すところを尽くさしめたら、成就するところ現在の如きにとどまらなかったであろう」と、評した。

「お国の久坂先生が今も生きて居られたら、お互いに参議だなどと云って威張っては居られませんがな」とは、西郷隆盛が木戸孝允に語ったところであるという。

だけどなぁ、久坂玄瑞は蛤御門の変で死ぬわけだけど、そこまで藩論をリードした久坂玄瑞は、結果として長州を窮地に追い込んで死んでるわけだ。そのことと、松蔭、孝允、西郷の評価が重ならない。

『逆説の日本史 20 幕末年代史編3』 井沢元彦『逆説の日本史 20 幕末年代史編3』 井沢元彦
(2013/10/10)
井沢 元彦

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西郷隆盛と薩英戦争の謎



久光に制圧されて、計画が寺田屋事件となって消滅したため、長州人らは共に立つことが出来ず、知らぬふりで、戈をおさめて口を拭いて済ますことになったが、久光としては、「我が藩士らを扇動し、資金を与えまでして事を起こさせようとした」と、長州藩に対して面白くない感情を持つことになった。(中略)このことが、従来歴史学者らに等閑されていたため、両藩の関係にも、西郷の行動や心理にも、理解し難いところが多く、したがって誤った解釈もされているのである。
これは、島津久光上洛にともなう寺田屋事件に関する海音寺潮五郎の評価だそうだ。久光がとった場違いな行動により、寺田屋に集結していた薩摩藩士とその仲間の長州藩士の計画は水に流れた、ということのようだ。この段階において、薩摩と長州は連携していた。

著者は本書の中で、この連携を“第一次薩長同盟”と呼んでいる。しかし、薩長同盟に第一次と第二次があったという認識はない。薩長同盟といえば、坂本龍馬や中岡慎太郎の奔走によってなっ同盟が唯一と考えていた。薩長が恩讐を抱えるのは禁門の変がきっかけである。著者はそれ以前の薩長の関係を“常識の盲点”と言っているが、国民はともかく、私にとってはそのとおりだった。
寺田屋の有馬新七らが討手に殺されずに、当初の暗殺計画(佐幕派の筆頭である関白九条尚忠、京都所司代酒井忠義暗殺)を実行していたら、長州藩士の一部がただちにこれに呼応する手筈になっており、長州の京都藩邸には兵が詰めていたのだ。しかし寺田屋事件が起こったため、呼応計画は中止となってしまったのである。

そしてその“第一次薩長同盟”の立役者が、朝廷や諸藩攘夷派に多くの知古を持つ久坂玄瑞だったという。寺田屋事件直前には、公武合体を主導した長井雅楽を失脚に追い込んで攘夷派を励まし、家老浦靱負とはかって京都藩邸に兵を動員し、藩公金で薩摩藩同志の行動を支援していた。かりに、有馬新七等薩摩藩同志が関白邸、京都所司代役所に切り込んでいれば、長州藩兵もただちに呼応し青蓮院宮を政権の中心にすえ、倒幕派クーデターを成功させていた公算が高い、と著者は書いている。・・・たしかに、会津藩主松平容保はまだ京都守護職にはなく、幕府は京都に兵力を持っていない。

 
このことが、なぜスポットライトを浴びていなかったのか。久坂玄瑞は、“第二次薩長同盟”における坂本龍馬の役割を果たしたわけだ。そして、“第一次薩長同盟”の行動を失敗に追い込んだのが、島津久光であった。この後、薩摩藩は久光の意向に反した行動をとった西郷や大久保らによって、維新成功の片輪の役割を果たした。島津久光は、ただ“彼らの主君であった”という功によって、歴史の流れを妨害したにも関わらず、左大臣に任ぜられ、公爵にもなった。香淳皇后(昭和天皇妃)は久光のひ孫に当たる。

つまり、歴史学者たちは、とくに官学系の歴史学者たちは、権威におもねり、事実の究明に手を抜いてきたということだ。私はこの時期の攘夷派っていうのが嫌いで仕方がない。久坂玄瑞もそうなんだけど、“嫌い”と歴史は関係ないからね。幕末に関するものを読むたびに必ず登場する久坂玄瑞。その割にやったことを考えると、そこまで取り上げられる理由がどうも納得出来ない。そんな不思議がようやく解決した。


    

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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