めんどくせぇことばかり 『逆説の日本史 20 幕末年代史編3』 井沢元彦
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『逆説の日本史 20 幕末年代史編3』 井沢元彦

手に入れるのが半年も遅れてしまった。

『逆説の日本史』シリーズが江戸時代に入ったのは12巻だった。ちょっと調べてみたら、12巻が出たのは2005年の5月だった。・・・9年も前だ。とは言っても、この20巻でわけじゃない。20巻江戸時代が終わったの題名は“西郷隆盛と薩英戦争の謎”で、語られたのは第一次長州征伐のとばっ口まで。あれっ、1862年・63年・64年のたったの3年間かよ明治に向けて、語られていないものはまだまだ多い。次はなんだろう。薩長同盟締結。家茂急死。孝明天皇暗殺?討幕の密勅に大政奉還。うわっ、近江屋事件も・・・、鳥羽伏見も・・・、あらら、赤報隊は?。次で江戸時代が終わるのかどうかも・・・。し、し、通史を描き上げるまで死なないでね、井沢さん。 ・・・あっ、私も死ねない・・・。

『逆説の日本史 20 幕末年代史編3』 井沢元彦『逆説の日本史 20 幕末年代史編3』 井沢元彦
(2013/10/10)
井沢 元彦

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西郷隆盛と薩英戦争の謎



第一章 明治維新まであと6年 一八六二年編・・・幕府を窮地に陥れた生麦事件と島津久光
第二章 明治維新まであと5年 一八六三年編・・・“攘夷は不可能”を悟らせた薩英戦争と下関戦争
第三章 明治維新まであと4年 一八六四年編・・・沖永良部島流罪の西郷赦免で歴史は動いた

“尊皇”、“佐幕”、“攘夷”、“開国”・・・。
 
通常は“尊皇攘夷”と使われて、まるで尊皇派はイコール攘夷派であるかのようだよね。それでもって、その対極にあって対立するのが“佐幕開国”。ううう・・・、めんどくせぇことこの上ない。当時、基本的に尊皇に楯突くやつなんかありえないわけで、尊皇と佐幕はある奴に言わせれば対立する概念だけど、別の奴に言わせればちっとも対立してない。攘夷と開国は、言葉の上でも対立するように思えるけど、“大攘夷”というと、「開国した上で外国から学び、力をつけた上で立ち向かう」という意味になって両立してしまう。

言葉にすることで合理的に理解されてしまった時代は、言葉に制約されてしまっては決して理解できない時代だった。

尊皇の鎧をまとい攘夷の戈で武装した長州人。イスラームだろうが朱子学だろうが、原理主義で凝り固まった奴らは今も昔も同じ。聞く耳なんて持たない。自分の心の中に渦巻く怒りに身を任せるのみ。でもその怒りというのはきわめて個人的感情で、長州人Aと長州人Bの怒りは全く関係ない。イスラームAとイスラームBの怒りも全く関係ない。それってあくまでも個人のものだからね。

でも、それを利用しようって奴にとっては、とっても使い勝手のいい感情。ちょっと息吹きかけたり、うちわであおいだりね。ある時点まではとっても使い手のある原理主義なんだけど、久坂玄瑞はそれを利用しまくって、やがて持て余して焼け死んだわけだ。中には自分の立身にうまくつなげた奴もいるけどね。この本の中では、山県有朋の妻にケツを拭かせた男の話もあったけど・・・。

いいんだ、久坂玄瑞が何人死のうと。だけど、そういうキチガイ連中のお陰でどれだけの真っ当な人たちが犠牲になったことか。まったく今も昔もおんなじだな。・・・この本の中ではまだそこまで行ってないけど、挙句の果てが会津戦争だかんね。もちろん、キチガイ連中も歴史の“コマ”であったことは疑いないけどね。

「この人物は、この幕末思想史のなかで、どこに身をおいていたのか」・・・それを掴んでおかないと、わけがわからなくなる。一つ、長州と言ったって、そのなかでもさまざま。この本はその辺をとても上手に教えてくれている。たとえば、「高杉晋作が上海で二挺買ったピストルの一挺を坂本龍馬に渡した」話とか、「毛利敬親がそうせい侯と呼ばれざるを得なかったわけ」とか言った話は、とても面白かった。

「嫌でござんす、ペリーさん」
・・・1853年にペリーがやってきてから明治に変わる1868年までに15年。誰かの書いた本で、「何を15年もの時間をかけてしまったのか」という趣旨の意見を読んだことがある。・・・いやいや、しょうがねぇだろう。


    

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本






















































































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