めんどくせぇことばかり 《おやじ、涅槃でまつ》(覚書)『はじまりのブッダ』 平野純
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《おやじ、涅槃でまつ》(覚書)『はじまりのブッダ』 平野純

親しい人に、《おやじ、涅槃でまつ》という遺書を残し、自殺した役者がいた。

沖雅也。左は『太陽にほえろ!』に“スコッチ刑事”として出ている頃のものだと思うけど、見たとおり、かっこいい役者だった。
沖雅也
場所は新宿京王プラザホテル最上階、警備員の静止を振り切って、後ろ向きのまま静かに体を崩して128m下まで落ちていったという。

好きな役者だけにこの人の自殺はちょっとショックだった。『太陽にほえろ!』もかっこよかったけど、『俺たちは天使だ!』の方が人気があったかな。自殺のわけについては色々言われたけど、・・・おそらく役者だったことじゃないかな。京王プラザホテル最上階のヘリに立つ沖雅也が、スローモーションのように後ろ向きに倒れていく様子が、・・・目に浮かぶ。

『はじまりのブッダ』 平野純 『はじまりのブッダ』 平野純
(2014/08/18)
平野 純

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ー初期仏教入門ー

人が来世についていだく希望や目的は、欲望にもとづいて生じる。《スッタニパータ》

そう、もしそうであるならば、その欲望の除去こそが誰にとっても最優先、最も寛容なことがらであるはずだ。そう考えるブッダにとって、「生まれ変わってもう一度身体を持ちたい」と願う、輪廻までして生きのびたいと欲する人間は、もはやいぎたない欲求に最後までしがみつく唾棄すべき存在にすぎない。愚か者は何も分かっていない。修行にもとづき一切の執着を断ち切った安息の境地、ねはんは、死後ではなく現世のなかで達すべきゴールである。
本書P105

沖雅也は親しい人を「涅槃でまつ」つもりで死んだ。でも、ブッダの言ってる涅槃は《あの世》という意味じゃないし、だいたい《あの世》のことなんかブッダは一言も言ってない。一休さんだってそんなことは言ってない言ってないどころか・・・、一休さんってブッダの上を行ってるんじゃないか?
能く物を案ずるに、地獄も遠からず。鬼というものは瞿曇なり。一代蔵経は、皆な人間を痛めんがためなり。あら憎やの釈迦殿や。色々嘘をつきておいて、それを誰かと問えば、「よしなの問わず語りや」

瞿曇というのは“くどん”と読むが、「ゴータマ」を表す漢字だそうで、 「地獄は遠くにあるものではなく、まさに目の前に広がる世界こそが地獄である。だいたいブッダこそが鬼であり、その説法こそが人を苦しめる。まったく釈迦殿は憎らしいことにさんざん嘘をついておいて、人から指摘されると“ひとりごとです”とは・・・」とか言ってたらしい。
一休さん開祖さま相手にも容赦無いのは、「そこまで言わなくてもいいものを・・・」って気持ちの現われだったりしないかなって思うんだけど、それは置いとく。
地獄はまさにこの世界そのものって一休さんは言ってる。ブッダと同じ。さらにブッダは、ならば涅槃もこの世界のなかでたどり着くべき目標であって、死後に涅槃に辿りつくとか、あの世がすなわち涅槃であるとか、そんなことはまったく言ってない。あの世も輪廻も、ブッダは「あるもないも、そんなことは知らないよ」って言ってるだけ。

「涅槃で待つ」と言われれば、それは“場所”か。死後の世界という意味か。死ねば終わり。死ねば人は土水火風に分解され、魂の不滅などありえないと一休さんは言ってる。でも煩悩尽きない私にとって、魅力を感じるのは沖雅也が誰かを待ってる“あの世”を思いながらこの世を生きること。そんなことを思いながら死んで、やっぱり“あの世”がないことが分かったら・・・? そんなこと、知ったこっちゃねぇや。


    

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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