『民話の世界』 松谷みよ子
この文庫版は2014年8月第一刷だけど、原本は1974年に刊行されたものだそうだ。すげぇな。私が14歳の時だ。これだけのもの書くんだから相当年齢も経てないと・・・。失礼だけど調べたら1926年生まれって、えー❢ もうすぐ1世紀で、しかもご健在。
松谷みよ子公式ホームページ http://matsutani-miyoko.net/miyokosroom/




私が著者の松谷みよ子さんを知ったのは1987年に生まれた長女の絵本を選んでいたとき。ほるぷ出版の営業のおばさんが熱心に勧めるのが松谷さんの本だった。なんか私にはピンとこなかったんだけど、松谷さんの本を何冊か購入した。大人の私にはちっとも面白く感じられない松谷さんの本を、なぜか長女はキャッキャ言ってうれしがり、しまいにはなめ回して表紙だけにしてしまった。
言葉を理解する前の話だけど、話を理解するようになってからも松谷さんの本を喜んだ。絵と、少ない言葉だけの本だけど、その背景に幾層にも積み重なった、この『民話の世界』にあるような世界を、子どもは感じ取っていたのかもしれない。
明るすぎて、隅々まで見えることは、・・・困ったもんだね。夜もそうだけど、人の生活もさ。見え過ぎたら、面白くもなんともありゃしない。暗さは怖さだった。いたずら坊主が納屋に押し込められて泣き喚いたら、・・・虐待として通報しなさいだってさ。馬鹿か?私を助けてくれたのは、近所に住んでるおばさんだった。外から扉を開けてくれて、私の母に一緒になって謝ってくれた。いま考えれば、打ち合わせ通りだったかもしれないけどさ。でもあの暗闇はとても貴重な体験だった。
幸せというべきか。私にとっては山ん婆はいた。河童は見たことないけど、高学年になるまで淵には怖くて近づけなかった。山の神の祠に手を出すと蛇が本当に出てきたし、山の中で複数の友人たちと同時に不思議な音を聞いた。天狗の叫び声のような・・・。
川に落ちて死に損なったのは小学校三年生のとき。下唇はぶら下がり、上の前歯を4本失った。自分が化け物になっちゃった。・・・そんな経験ができた私は、幸せだったというべきかもしれない。これは本心。

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私が著者の松谷みよ子さんを知ったのは1987年に生まれた長女の絵本を選んでいたとき。ほるぷ出版の営業のおばさんが熱心に勧めるのが松谷さんの本だった。なんか私にはピンとこなかったんだけど、松谷さんの本を何冊か購入した。大人の私にはちっとも面白く感じられない松谷さんの本を、なぜか長女はキャッキャ言ってうれしがり、しまいにはなめ回して表紙だけにしてしまった。
言葉を理解する前の話だけど、話を理解するようになってからも松谷さんの本を喜んだ。絵と、少ない言葉だけの本だけど、その背景に幾層にも積み重なった、この『民話の世界』にあるような世界を、子どもは感じ取っていたのかもしれない。
![]() | 『民話の世界』 松谷みよ子 (2014/08/12) 松谷 みよ子 商品詳細を見る 語り継いできた祖先たちの世界 |
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幸せというべきか。私にとっては山ん婆はいた。河童は見たことないけど、高学年になるまで淵には怖くて近づけなかった。山の神の祠に手を出すと蛇が本当に出てきたし、山の中で複数の友人たちと同時に不思議な音を聞いた。天狗の叫び声のような・・・。
川に落ちて死に損なったのは小学校三年生のとき。下唇はぶら下がり、上の前歯を4本失った。自分が化け物になっちゃった。・・・そんな経験ができた私は、幸せだったというべきかもしれない。これは本心。


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