山崎豊子さん、一周忌に
産経ニュース 2014.9.28 山崎豊子さん一周忌、最後の全集刊行開始
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以下は過去記事、しかもほんのちょっと前の記事なんだけど、《九月で一周忌》ということなので、追悼の気持ちを込めて九月中に・・・。
あの時の雰囲気、よく覚えている。なんだか自衛隊が、かわいそうでかわいそうでね。いたたまれなかった。二〇〇八年のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突の時もね。 戦後日本が宿命的に抱えた矛盾がある。その矛盾をじっくり時間をかけて煮詰めて濃縮したのが自衛隊。なんと一粒で三十個分の矛盾が手軽に取れるみたいな組織。でも、確実に自衛隊は日本を守ってるんだけどな。 やはり山崎さんが書きたかったのも、そういうことなんだろうな。
真珠湾攻撃で、特殊潜航艇搭乗員として湾内に奇襲攻撃を行ない、潜航艇が挫傷して日本人捕虜第一号となった酒巻和男という人物がいる。戦後は経済人として活躍し、一九九九年に八十一歳でなくなっている。この物語は、この人物が主人公の父親という設定である。 第一部の最後、主人公が最新鋭米原潜の乗組要員としてハワイへ派遣されることが決まる。巻末に付された山崎プロジェクト編集室文責で書かれた《『約束の海』、その後・・・》によれば、そこで主人公は捕虜第一号となった父の足跡をたどることになる。つまり、“父”が、第二部の主人公となる。そして第三部。山崎豊子さんは、ここで「戦争と平和」に真正面から向かい合おうとしたいたらしい。 仕方がない。山崎豊子さんの手を借りずに向かい合おう。私のようなバカには難しいことだけどさ。 |


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