狂人ウィルソン、挑発ルーズベルト(覚書)『大間違いの太平洋戦争』 倉山満
![]() | 一九一三年から二一年までのウッドロー・ウィルソン大統領。著者は、“狂人ウィルソン”と呼んでいる。第一次世界大戦では国際法の中立規定を無視して参戦国相手に商売して大儲け。参戦後は国際法違反の通商破壊をやりまくり。 ひどいのは、第一次世界大戦末期に発表したウィルソンの「十四か条宣言」 |
「航海の自由」は、大英帝国の海上覇権へのいちゃもん、太平洋を庭とする日本へのいちゃもんでもある。
「民族自決」は、弱小民族でも意思と能力次第で主権国家となれると扇動。意思と能力は“独立戦争”以外では示しようもなく、つまり暴動を煽っているということ。
「バルカン半島と中東の新秩序構築」、これはひどい。ハプスブルク帝国は八つ裂き、オスマン・トルコは抹殺。
一九三三年から四五年までのフランクリン・ルーズベルト大統領。一体全体、なにをやりたかったんだろう。ご先祖が支那人をアヘン漬けにして大儲けしたことへの罪滅ぼしか、やたらと支那の肩をもって、むやみに日本を挑発。 何の意味があったんだ?それこそスターリンの言いなりか? | ![]() |
![]() | 『大間違いの太平洋戦争』 倉山満 (2014/07/16) 倉山 満 商品詳細を見る 本書には無意味な自虐史観は一切盛り込まれていません |
日英、両国にとっての不幸の始まりは、ワシントン会議で日英同盟を解消したこと。でも、その失点を取り戻すチャンスはいくらでもあった。残念なことに、日英双方がそれを放棄した。たとえば、一九二七年にイギリスが南京事件で支那ナショナリズムの餌食に成ったとき、日本はイギリスを見捨てた。二八年から二九年の山東出兵や済南事件では、イギリスが日本を笑って見てた。
満洲で支那ナショナリズムの餌食にされた帝国臣民は朝鮮人で、彼らを助けるために日本は満州事変を起こした。大半の日本人がそれを必要なことと認識していた。出先で勝手に外国と戦端を開いた関東軍であったが、世論はそれを支持した。
長引くデフレ不況。口を開けば「日中友好」を繰り返し、拉致被害者一人取り戻せない外務省。政党政治家や文官に媚びて出世を図る高級将官。こうした不満を解決してくれるのは軍人さんしかいない。・・・これが昭和六(一九三一)年の日本です。 本書P95 |
ネヴィル・チェンバレンが日本に関係の改善を持ちかけていたって言うことは知らないんだよなぁ。しかもその前段として、イギリスと共同での支那財務改革に日本が協力すれば、満州国を承認するとまで・・・。たしかに米に追い立てられ、米独ソに包囲される現状を、なんとか変えていきたいという欲求がイギリスにはあったんだよなぁ。しっかり調べてみよう。
「一体なにをしたかったのか」・・・と、そのセリフがなんど出てくることか。日本も、ドイツも、イギリスも、アメリカも・・・。一貫して成し遂げたのは、唯一、ソ連。つまり、スターリン。立派なものだ。
スターリンだけが・・・? なぜ、可能だったんだ? ・・・社会主義思想だよね、きっと。資本主義への絶望と社会主義への羨望の中で、世界が己を失ったのか。だとしたら、“今”はかなり危険な状況ということか。資本主義への絶望は、一九三〇年台のものよりも大きいんだから。


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