めんどくせぇことばかり 『負けるはずがなかった! 大東亜戦争』 倉山満
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『負けるはずがなかった! 大東亜戦争』 倉山満

これ言うと、いつも引かれてしまうんだよね。“世界を敵に回して敗れたあの戦争の反省は・・・”ってことに関してなんだけど、「もう二度と、戦争には負けない」。

だって、「もう二度と、戦争はしない」っておかしいでしょ。誰が、好き好んで戦争なんかするか。アメリカの軍産複合体は別にして・・・。それこそ先帝の、そして明治帝の、『四方の海 みなはらからと 思ふ世に など波風の 立ちさわぐらん』だ。「しない」つもりでも、やってくるんだよ、戦争はさ。巨大津波に、“想定外”って言ってた奴らとおんなじだ、それじゃあ。
この間読んで、ここでも紹介した右の本。今回読んだ『負けるはずがなかった❢大東亜戦争』と時代的には完全に重なっている。日本人はアメリカを対照にこの戦争を考えがちだけど、『大間違いの太平洋戦争』はイギリスを対照にしなければ本質は見えないと訴えた。

今度の本は、ロシアの目を取り入れている。各所に“ロシアからみた日本”、“ロシアからみた世界”、“ソ連からみた日本”、“ソ連からみた世界”というページがある。
もちろん、イギリスを対照としなければあの戦争はわからないという本質は踏み外してはいない。だけど、ロシアの視点を持たないとあの戦争が理解できるはずがない。ロシアこそがあの時、世界の鼻面を引き回したのだから。そして社会主義こそが、あの戦争の勝者なのだから。

あの戦争はわかりづらい。なんで、日本とイギリスが戦争するの?なんで、日本とアメリカが戦争するの?なんで日本が負けなきゃいけないの?この本ほど、そのことに焦点を当てた本はなかったかもしれない。

『負けるはずがなかった! 大東亜戦争』 倉山満『負けるはずがなかった! 大東亜戦争』 倉山満
(2014/08/04)
倉山満

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なぜ、これで負けるの?
第一章  世界最強だった帝国陸海軍を指導した明治の元老
第一節  大国ロシアと明治新政府の奮闘
第二節  日英同盟と日露戦争
第三節  バルカン紛争から第一次世界大戦へ
第四節  ソヴィエト帝国誕生
第二章  「外務の頭脳硬化、度し難し」の時代へ
第一節  ワシントン体制が孕む危機
第二節  満洲事変とワイマール共和国
第三節  ヨーロッパを覆う反共の盾
第四節  自ら孤立を深める日本
第三章  バカとスパイが踊った支那事変
第一節  事変勃発、「暴支膺懲」で喜んだ人たち
第二節  ファシズム国家になれなかった日本
第三節  支那事変は徹頭徹尾「日英問題」だった
第四節  ノモンハン事件は日ソ両方の敗北だった
第四章  英霊たちを無駄死にさせた大東亜戦争
第一節  松岡洋右の苦悩
第二節  必死だったアメリカ、敵を見ていなかった日本
第三節  ハワイを攻撃した愚将山本五十六 戦争設計がなかった東條英機
第四節  外務省の無能と隠蔽
第五節  ミッドウェー以後は消耗戦だった
第六節  遅すぎた和平工作
第七節  終戦工作の英雄と国賊
まとまってないのに変なことを言ってなんだけど、戦間期って世界が狂ってたよね。なぜ狂ったかって、やっぱりロシア革命だろう。キリスト教的救済の必然性が弱者のルサンチマンをあおったように、貧しき者たちの目の前に、食えば楽して豊かになれるという人参がぶら下げられた。

『資本論』や『共産党宣言』は、マルクスによる福音書、エンゲルスによる福音書。レーニンは黙示録の世界で、スターリンや毛沢東は、現世に解き放たれた地獄からの使者。奴らはルサンチマンを餌にして膨れ上がり、負けるはずのない、滅びるはずのない日本を手玉に取った。日本は地獄に突き落とされた。第二次大戦やその後のスターリンや毛沢東の支配は地獄そのもの。ロシア革命はそういう奴らを見境もなく解き放っちゃったんだ。

この本みたいに、身悶えするように、敗戦の歴史から何かをつかみとろうとする著者のような姿勢は尊敬に値する。私も少しでも近づきたいと思うからこそ読むのだが、それでもそこにあるのは魑魅魍魎の世界。追い求めた先には理解の外が待ち受けていることも覚悟のうち。



    

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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