『ブルーインパルス』 武田頼政
2011年11月の過去記事です。
はぁ、国が空軍を保有するというのはこういうことなのか。
これまでの自分の自衛隊観がいかに貧弱なものであったか、思い知らされました。
副題は「大空を駆けるサムライたち」
“サムライ”=“伺候するもの”
「私はここにお仕えしております。いつでもこの命をお使い下さい。」
もう少し、現代風に解釈すれば、「国のために、国を背負って闘う覚悟を固めた者」と言ったところでしょうか。
自衛隊となると、現代的解釈ではおさまらず、文字通り“命”を懸けることになってくる。
多くの自衛官が同様の覚悟を要求されているであろうし、本書に出てくる戦闘機乗りたちの姿はまさしくそうであった。
本書を手に取った動機は、「ブルー・インパルスへのあこがれ」だった。
しかし、本書のテーマは私が思っていたものとは違った。
航空自衛隊草創期の様子から、空自隊員たちのすがすがしさや苦悩、ジレンマをまなまなしく描き出している。
東京オリンピック開会式に咲かせた五輪のマーク。
源田実という男。
1987年11月14日、浜松基地航空祭におけるブルー・インパルス事故にかかわる顛末。
空に向かうアグレッサーの姿勢と、事故にかかわる顛末。
不遇の時期のブルー・インパルスを背負い、事故に泣いた自衛官の姿。
どれもこれも、読みでがありました。
ブルー・インパルス命名の背景に「原爆の青い閃光」があったという。
やはり、私たちの時代のスタート地点は、敗戦であるべきだ。
この本の心も、そこから始まっている。
著者のいうとおり、ブルー・インパルスは「ただ煙を引いて空を駆けるだけで人々の心を躍らせ」る。
しかしそれだけではなく、彼らを含む航空自衛隊は、私たちが笑い、泣きする日常を守るために、常に日本の空を駆けている。

一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
はぁ、国が空軍を保有するというのはこういうことなのか。
これまでの自分の自衛隊観がいかに貧弱なものであったか、思い知らされました。
副題は「大空を駆けるサムライたち」
“サムライ”=“伺候するもの”
「私はここにお仕えしております。いつでもこの命をお使い下さい。」
もう少し、現代風に解釈すれば、「国のために、国を背負って闘う覚悟を固めた者」と言ったところでしょうか。
自衛隊となると、現代的解釈ではおさまらず、文字通り“命”を懸けることになってくる。
多くの自衛官が同様の覚悟を要求されているであろうし、本書に出てくる戦闘機乗りたちの姿はまさしくそうであった。
![]() | 『ブルーインパルス』 武田頼政 (2011/06/08) 武田 頼政 商品詳細を見る ー大空を駆けるサムライたちー |
第一章 「東京オリンピック」と青空に描いた五輪のマーク 第二章 平和の空を舞った戦闘機パイロットたち 第三章 原爆という宿命 第四章 大観衆の前で起きた墜落事故 第五章 編隊長の「ブレイク」はなぜ遅れたか 第六章 「栄誉ある死」戦士の墓標 第七章 アグレッサーの死角 空中戦という“麻薬” 第八章 超低空飛行の陥穽ー海に沈んだ空への想い 第九章 バーティゴ(空間失調症) 第十章 アクロバットから救難隊へー嵐に生きる人生 |
しかし、本書のテーマは私が思っていたものとは違った。
航空自衛隊草創期の様子から、空自隊員たちのすがすがしさや苦悩、ジレンマをまなまなしく描き出している。
東京オリンピック開会式に咲かせた五輪のマーク。
源田実という男。
1987年11月14日、浜松基地航空祭におけるブルー・インパルス事故にかかわる顛末。
空に向かうアグレッサーの姿勢と、事故にかかわる顛末。
不遇の時期のブルー・インパルスを背負い、事故に泣いた自衛官の姿。
どれもこれも、読みでがありました。
ブルー・インパルス命名の背景に「原爆の青い閃光」があったという。
やはり、私たちの時代のスタート地点は、敗戦であるべきだ。
この本の心も、そこから始まっている。
著者のいうとおり、ブルー・インパルスは「ただ煙を引いて空を駆けるだけで人々の心を躍らせ」る。
しかしそれだけではなく、彼らを含む航空自衛隊は、私たちが笑い、泣きする日常を守るために、常に日本の空を駆けている。


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