めんどくせぇことばかり 『ヴァロワ朝』 佐藤賢一
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『ヴァロワ朝』 佐藤賢一

百年戦争に混乱するフランス。物心ついたことには悪名高い傭兵部隊の一員として、自らも最低の悪事に手を染めるピエール。その彼がジャンヌ・ダルクとの出会いを通し人間性を取り戻してゆく。
良王ジャンニ世治世の一三五八年、百年戦争のさなかに起こった最悪の農民の反乱は“ジャクリーの乱”と呼ばれる。“ジャック”は農民の賤称。首謀者は、“赤目のジャック”と呼ばれる男。
誰にも見向きもされなかったはずのブルターニュの小貴族ベルトラン・デュ・ゲクラン。そのまれに見る戦の才を見出したのは、フィリップ六世、ジャンニ世とイギリスに敗れ続けたフランスを背負うことになったシャルル五世。彼がフランスに持ち込んだ近代は、あまりにも早すぎた。
被告はルイ十二世。原告はジャンヌ・ド・フランス。国王と王妃の間で争われた世紀の離婚裁判。主人公はカルチェラタンきっての天才と言われた『伝説の男』、フランソワ。王妃の依頼を受け、圧倒的に不利、逆転不可能と言われた法廷に挑む。
中世パリ学生街を舞台とした物語。カルチェラタンは「ラテン語街区」という意味だそうですね。まさしく神学生の街。ロヨラ、ザビエル、ルター、カルヴァンらが登場するってだけでもワクワクの作品。
佐藤賢一さんにしちゃあ、めずらしい短篇集。『傭兵ピエール』秘話みたいな、百年戦争がらみが三編、レオナルド・ダ・ヴィンチがらみが三編、レコンキスタ関係が一編。肩の力を抜いて読んでね。


『ヴァロワ朝』  佐藤賢一『ヴァロワ朝』 佐藤賢一
(2014/09/18)
佐藤 賢一

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『カペー朝』に続く、佐藤賢一氏のフランス王朝史2
はじめに   王朝が交代するということ
第一章   幸運王フィリップ六世(一三二八年~一三五〇年)
第二章   良王ジャンニ世(一三五〇年~一三六四年)
第三章   賢王シャルル五世(一三六四年~一三八〇年)
第四章   狂王シャルル六世(一三八〇年~一四二二年)
第五章   勝利王シャルル七世(一四二二年~一四六一年)
第六章   ルイ一一世(一四六一年~一四八三年)
第七章   シャルル八世(一四八三年~一四九八年)
第八章   ルイ一二世(一四九八年~一五一五年)
第九章   フランソワ一世(一五一五年~一五四七年)
第十章   アンリ二世(一五四七年~一五五九年)
第十一章   フランソワ二世(一五五九年~一五六〇年)
第十二章   シャルル九世(一五六〇年~一五七四年)
第十三章   アンリ三世(一五七四年~一五八九年)
第十四章   国家改造の物語
ヴァロア朝の王の即位年齢は、十三人の平均で二十三歳八ヶ月。カペー朝は二十三歳五ヶ月。

ヴァロア朝の平均在位年数は二十年一ヶ月。カペー朝は二十四年四ヶ月。

ヴァロア朝の平均没年齢が四十三歳九ヶ月。カペー朝は四十七歳十ヶ月。

著者の言うとおり、栄養状態、医学の発展、衛生環境が、時代とともに良化していることを思えばたしかに不思議なことである。ヴァロア朝時代は戦争の繰り返しといえば、カペー朝も同様。だけど、やっぱり戦争の質と大きさが違うのは確か。百年戦争、ブルゴーニュ戦争、ブルターニュ戦争、イタリア戦争、ユグノー戦争と、それまでのフランスが根本から変化しかねない戦争に、王たちの命がすり減らされたとは考えられる。

当時のフランスはヨーロッパ一の大国だったそうで、人口千七百万人は、スペインやドイツの二倍、イングランドの四倍であったという。もはや、カペー朝時代の家族経営の統治は、とうに限界に達していたというのが著者の考えだ。

新しい統治の方式は、シャルル五世が先鞭をつけ、シャルル七世が確立し、ルイ十一世、フランソワ一世がら精力的な後継者が拡大発展させた諸々の国家制度であるという。
前に進んだり戻ったり、♫ 三歩進んで二歩下がる ♫ ことで、分厚い中世という時代が作り上げられていく。それを、深層心理みたいな心の土台として近代が幕を開ける。中世という背景を持つ近代と持たない近代。持たない近代から始まったアメリカという国に関して、著者は『アメリカ第二次南北戦争』という本を書いている。

でも著者の本当の興味は、本来、♫ 三歩進んで二歩下がる ♫ ことによって、後世に厚みを加えた時代にあるのだろう。冒頭に上げた本は、もしかしたらもれがあったかもしれないけど、著者がヴァロア朝時代を題材にして書いたもの。・・・どれもこれも、私を寝不足に追い込んだ本ばかりだ。


    

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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