めんどくせぇことばかり 『旧日本陸海軍の生態学』 秦郁彦
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『旧日本陸海軍の生態学』 秦郁彦

内容云々はともかく、私みたいな人間は、著者秦郁彦さんみたいな人にはどうやったってかなわない。あの粘り気、粘着質、変質的なまでの喰らいつき、まとわりつくようなしつこさ。・・・とてもかなわない。これに関してはどうにもならない。努力して身につくものではない。なんだか尊敬しているように聞こえないかもしれないけど、尊敬してる。なんだか褒め言葉に聞こえないかもしれないけど、すべて褒め言葉。そうそう、“精緻な実証主義”っていうべきんだな。こういう人を学者さんて言うんだろうな。

私は、読ませてもらおう。読ませてもらって、秦郁彦さんの研究成果を、出来る限り上手に活かそう。そうすることで、秦郁彦さんの粘着力に応えよう。

『旧日本陸海軍の生態学』 秦郁彦『旧日本陸海軍の生態学』 秦郁彦
(2014/10/09)
秦 郁彦

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- 組織・戦闘・事件-
第一章   統帥権独立の起源
第二章   日清戦争における対東学軍事行動
第三章   閔妃殺害事件の全貌
第四章   再考・旅順二〇三高地攻め論争
第五章   満州領有の思想的源流
第六章   張作霖爆殺事件の再検討
第七章   「百人斬り」事件の虚と実
第八章   第二次世界大戦における日米の戦争指導
            ―戦争終末構想の検討
第九章   ミッドウェー海戦再考
第十章   太平洋戦争末期における日本陸軍の対米戦法
            ―水際か持久か
第十一章  ベトナム二百万人餓死説の実態と責任
第十二章  第二次世界大戦の日本人戦没者像
            ―餓死・海没死をめぐって
第十三章  軍用動物たちの戦争史
第十四章  第二次大戦期の配属将校制度

秦郁彦さんが専門誌に発表した論考を集成したもので、ここに掲載された十五編は、いずれも単行本未収録だそうです。「一般向けには本書がはじめての活字化」って書いてあるんだけど、なんだか読んだことがあるような気がするものもあるんだけどなぁ。他の人の書いたものだったかなぁ。たとえば、“閔妃殺害”に関わる件とか、“満州某重大事件”に関わる件とか、“百人切り”に関わる件とか・・・。

それにしても、この十五編。一つ一つがすごい。すごい“粘り気”・・・、いやいや実証主義的執着心。なかでも、興味深く読ませてもらったのは、第十二章『第二次世界大戦の日本人戦没者像ー餓死・海没死をめぐって』

実は、つい先日読んだ、門田隆将さんの『慟哭の海峡』と、やなせたかしさんの『おとうとものがたり』の影響だな。どうしてあの時の日本陸海軍には、ああも愚将がそろったか。しかも、良質なほど先に死ぬ。あとになればなるほど、目を覆いたくなるような・・・。

餓死者六十万? 海没者四十万?

それって、戦争すらできない国だったってことじゃないか。ああ、情けない。『慟哭の海峡』では、海に放り出されて生還した人の話を読んだ。そんなにも過酷な状況を生き延びたのかと、絶句した。でも、生き延びなかった多くの人、その前に艦と運命を共にした大多数の人がいる。

“ベンチが阿呆やからだから野球もでけへん”・・・って言ったのは江本孟紀だったよな。まったくよくわかる。こんなざまじゃあ、戦争もできない。

その陸海軍の最も愚かな体質を濃厚に引き継いでいるのが、今の日本の官僚システムだよな。だいたい、あの愚将たちの戦争を、日本人は総括してないんだよね。それをすることで、今の官僚システムを立て直すことにつながっていかないかな。


    

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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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