『地獄極楽 絵本』 諸橋精光
小坊主の真観さんの描く仏さまの絵は檀家さんの間でもなかなかの評判。でも本人は気付いている。「私の描いているのは仏さまの表面の形でしかない」
そんな真観さんの手を引いて、お地蔵さまが真観さんに“人間の心の真実の姿”を見るたびに連れ出します。“人間の心の中”にこそ、地獄も、そして極楽もあるのです。それは時空を超えて、死んでから生まれ変わるまでの、《中有の旅》でもありました。
二階は子供部屋に使ってて、小学校の四年くらいから、私も二人の兄と二階で起居するようになった。でもねぇ。夜、怖いんだよね。この二枚の面に見送られて二階に行くの。右の面はどうも“なまなり”と言われるものらしい。執着や嫉妬の強さから、魔性を抑えきれなくなっていく様子をあらわすものらしい。・・・ものすごい・・・
地獄に燃えている火は、人間の心の、意識もとどかない奥底にある命の力そのもの。これが私たちの心を燃え立たせ、さまざまな善と悪の行いへと駆り立てる。そしてそこに六道が現れる。

欲望の火が悪心として現れ、他人を害し苦しめるときに現れる地獄道
卑しい貪りに浸る餓鬼道
淫、食の本能のみに従い、それを恥とも思わない畜生道
ひたすら怒りに身を委ね、闘争を喜ぶ修羅道
心に愛の幻を描き、その充足を求めて善と悪を行う人道
快楽に恵まれるが、やがて失う苦しみにもだえる天道
「人間の欲望の火と智慧の光明はコインの裏と表のようなもので、別々のものではないよ、と言っている。目をつぶれ、すると見えてくるだろう。わが心の闇のなかにも、ときに光がさすということが・・・。」
これは、山折哲雄が、この本に送った言葉です。

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そんな真観さんの手を引いて、お地蔵さまが真観さんに“人間の心の真実の姿”を見るたびに連れ出します。“人間の心の中”にこそ、地獄も、そして極楽もあるのです。それは時空を超えて、死んでから生まれ変わるまでの、《中有の旅》でもありました。
![]() | 『地獄極楽 絵本』 諸橋精光 (2014/09/11) 諸橋 精光 商品詳細を見る わがこころの闇のなかにも、ときに光がさすことが・・・ |
![]() | 子供の頃、人形が怖かった。お雛さまも、西洋人形も怖かった。なにより怖かったのはお面だな。ちょうど二階に上がる階段の途中に二枚の面が、互い違いにかかってるんだ。見ないように、見ないように・・・、でも、どうしても目が合うんだな、これが・・・。ちょっとインターネットで探してみたんだけど、ピッタリくるものがない。比較的近いものを選んでみたんだけど・・・。 | ![]() |
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卑しい貪りに浸る餓鬼道
淫、食の本能のみに従い、それを恥とも思わない畜生道
ひたすら怒りに身を委ね、闘争を喜ぶ修羅道
心に愛の幻を描き、その充足を求めて善と悪を行う人道
快楽に恵まれるが、やがて失う苦しみにもだえる天道
地獄は嫌じゃ。でも、嘘をいっぱいついたからなぁ。亡くなった母が言ってた。「お前は嘘つきだから・・・。いい子なんだけどねぇ」 だから、私が落ちる地獄は大叫喚地獄。私はそこで、鬼たちに舌を抜かれるんだ。そんでもって、グリグリされて、ペシペシされて、・・・アー、アー❢❢❢ 嫌だ、嫌だ~。 | ![]() |
これは、山折哲雄が、この本に送った言葉です。


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