めんどくせぇことばかり 『奥秩父 山、谷、峠そして人』 山田哲哉
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『奥秩父 山、谷、峠そして人』 山田哲哉

無謀な、コースを外れたスノボを楽しみに行って遭難した人たちのことで記事書いていたら、無性に山が恋しくなってしまった。四月辺りの将監峠にあがって、小屋で一週間くらいゆっくりしてみたいな。そういえばそんな贅沢な登山なんて、一度もしたことないな。何やってたんだろうな。将監峠

奥秩父 山、谷、峠そして人奥秩父 山、谷、峠そして人
(2011/12/15)
山田 哲哉

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高齢者の、山での遭難事故が多い。報道を聞けば、やはり無理がある。

高校で山岳部に入って“山屋”になった。もちろん遮二無二「頂き」を目指した時期はあるものの、“山屋”の本質は、ひたすら山のなかに身を置くことと考えるようになった。生まれながらの股関節変形症で、痛みがひどくなったここ十五年は、それすらあきらめた。

高齢でも登山を続けられる健康な方が羨ましい。時に妬ましい。「だから年取ってからの山登りなんてやめたほうがいいんだよ」なんて、言い捨ててしまうこともある。言っておいて、後で惨めになる。

風呂に入るように、山にも浸かってもらいたい。ドップリと、首まで。この本の著者は奥秩父にドップリ首まで浸かっている。本当に好きなんだとすぐ分かる。奥秩父が。

紹介されているのは、甲武信、金峰、雲取、和名倉、飛龍、両神、雁坂、十文字などなど。いいなぁ。懐かしいなぁ。高2の夏休みは甲武信の小屋でアルバイトをしていた。週末の予定がなければ、雲取ヒュッテに歩荷に行った。

でも懐かしがってばかりもいられない。奥秩父は幾つもの問題を抱えているという。私にはもう行くことはできないが、昔のように、ドップリ首まで浸かれるような“山”であって欲しい。
山から多くの人々が恵みを得て生きることは、ほとんどなくなってしまった。生活のためのいまある「山仕事」とは、巨大な林道を山中に走らせる道路開削の仕事であり、無数の堰堤を次々と無垢の谷の中に建設する仕事であり、つまり奥秩父の山と谷に巨大な建造物を作り上げる公共投資型の仕事のことだ。これは、山と谷から自然に生み出される物を、そこで働くことで分けてもらい、人々の生活に供給して生きていくかつて存在した生業とは本質的に違う。山の中から生業としての山仕事が消え去り、代わりに重機の騒音だけが山の中に響きわたるようになって、奥秩父の山の中からは登山者以外の人の姿は綺麗さっぱり駆逐されてしまった。山も谷も峠も、下り立った山里も静かになってしまった。
 

もう私は行くことはないが、一番好きな場所は、将監峠である。春から初夏のさわやかな季節、将監小屋の前でなにもせず、一日を過ごす。最高だ。

忙しく「頂き」を目ざす人達、奥秩父にドップリ浸かって見ませんか。雨が降ったら小屋の軒先で、雨見ながらチビチビ一杯やって過ごして見ませんか。



   





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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本








































































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