『イスラム 中国への抵抗論理』 宮田律
レコードチャイナ 2015/1/16 新疆ウイグル自治区の有罪判決数が前年の2倍に急増、テロリストには短時間で判決―仏メディア http://t.co/q72CRqzhCp (要約) 2014年度、新彊ウイグル自治区では、他国との国境での入国審査が強化されるとともに、逮捕者の有罪判決数が2013年度の2倍に増えている。 支那政府がウイグル族への締め付けを厳しくしたことが原因で、分裂派・テロリストの名目で2万7164人が有罪判決を受けた。 同自治区はアフガニスタンを含む8カ国と国境を接していることから、支那政府は国境での審査を強化するとともに、新たに指揮官3人を派遣し、兵員を増強して防衛力を高めている。 |
昨年12月、支那政府はウイグル族に対する宗教弾圧も始めた。以下のような数々である。
①18歳未満の信仰を禁止
②教徒とわかる容貌の男女のバスの乗車を禁止
③18歳以上でも、雇用主の許可がなければモスクへも行けない
(たいていの雇用主は漢族で宗教に非寛容)
④公務員、教育関係者が宗教行事に関与しない
①18歳未満の信仰を禁止
②教徒とわかる容貌の男女のバスの乗車を禁止
③18歳以上でも、雇用主の許可がなければモスクへも行けない
(たいていの雇用主は漢族で宗教に非寛容)
④公務員、教育関係者が宗教行事に関与しない
こんな状態だから、最近は国境を越えて支那政府の支配から逃れようとする者、連帯を求めるものも多く、「イスラム国」に走る者さえいるという。もちろん、支那国内でも事件が後を絶たない。
12日、新疆ウイグル自治区疏勒県の県城(県人民政府の所在地)の商業地区で、爆発装置を点火しようとした暴徒6人を警察が射殺した。 http://www.recordchina.co.jp/a100531.html |
14日、上海の司法当局が、テロに関わったウイグル族らを中国から不法出国させようとした疑いでトルコ人10人を逮捕したと報じた。昨年11月に摘発した。ウイグル族9人も拘束して調べている。 http://www.sankei.com/world/news/150114/wor1501140027-n1.html |
18日夜、ベトナム領に逃亡を図ったウイグル族の2人が地元警察に射殺された。警察は逃げた1人の行方を追っている。 http://www.sankei.com/world/news/150119/wor1501190016-n1.html |
これはいずれも、1月に起こった事件。いったいどうなってんだ❢❢
以下過去記事
新疆ウイグルには豊富な鉱物資源、また豊穣な石油油田がある。また、巨大油田があるカザフスタンなど中央アジア諸国とも国境を接し、中国はまたパイプラインを通じてトルクメニスタンからも天然ガスを購入する予定だ。さらに中国の核実験場であり、ミサイル基地も置かれている。軍事的な観点からも新疆ウイグル自治区を中国は喪失できないことは明らかである。これらの背景もあって中国政府は新疆ウイグルに対して妥協をすることが出来ないのだ。 本書P178 |
そのための、漢人の新疆ウイグルへの移入、漢文化の影響拡大、ウイグル人の支那東部への強制移住。空き家になった家には漢人たちが住まわさせることになったという。ウイグル人には乗っ取りとしか映らない。漢人は新疆ウイグルに乗り込んで資源開発や流通の仕事に従事した。ウイグル人には資源の略奪にしか映らない。一九四〇年代には五%だった漢人の比率は、現在では四〇%に達したという。なかでもウルムチにおいては、二〇〇〇年のデータで、漢人七五・三%に対してウイグル人は一二・八%であるという。
![]() | 二〇〇九年七月、新疆ウイグル自治区のウルムチ市において大規模な騒乱が発生した。二〇〇名近い死者を出した大騒乱である。 このウルムチ騒乱の原因になったのは、ウルムチ騒乱の数日前に広東の玩具工場でウイグル人従業員が漢人従業員の襲撃を受けたことだという。この襲撃で二名のウイグル人が殺害され、多数の負傷者がでた。 |
![]() | 『イスラム 中国への抵抗論理』 宮田律 (2014/06/08) 宮田律 商品詳細を見る 中国共産党による弾圧と植民地化 |
中央アジアやトルコは、新疆ウイグルへの漢人の流入や中国政府の同化政策によりトルコ系民族としてのアイデンティティが失われることに関する懸念から、支援の姿勢を崩していない。
一九八〇年代、ソ連の侵攻を受けたアフガニスタンではムジャヒディン・ゲリラの闘争が行われソ連軍を撃退した。ソ連崩壊後は、同族トルコ人の共和国が中央アジアにできあがった。地図で見るかぎり新疆ウイグルではなく、東トルキスタンのほうがふさわしい。
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