めんどくせぇことばかり バグダーディはカリフ?(覚書)『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北』 内藤正典

バグダーディはカリフ?(覚書)『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北』 内藤正典

イスラム国でカリフを名のったバグダーディ。カリフというのは、まあ、世界史の教科書なんかに書いてあるところでは、「ムハンマドの後継者」ということになる。もともとの意味が「代理人」という意味だそうで、そうとらえれば「地上における神の代理人」か。イスラム共同体を率いるムハンマドの後継者。神の意志であるイスラム法を代行する者。バグダーディ
カリフの条件
1 公正であること
2 知識があり、賢明であること
3 心身が健全であること
4 イスラム教の敵と戦う勇気と気概を持っていること
ウィキペディアで見てみると、その他にもいろいろと細かいことが書いてあるけど、まあ、信望のある者ってところかな。そこで、バグダディはどうかってことか。今はまだ、“自称カリフ”だけどね。

アッバース朝時代、やがてカリフはアミールやスルタンと言った政治勢力に支配の正当性を与えるだけの存在に落ちぶれる。スルタンが強大な力を持ったオスマン帝国は、その権威づけすら必要としなかった。18成功後半、オスマン帝国の凋落が明らかになる頃、帝国はアッバース家の末裔からカリフの地位の禅譲をうけ、スルタン・カリフ制を始める。

・・・んでもって、第一次世界大戦。壊滅状態のオスマン帝国からイスラム色をすっかり抜き取り、トルコ共和国建国にこぎつけたのがケマル・アタチュルク。一九二三年の建国の翌年にはカリフ制を廃止。

大変な変化を強いられた時代だった。日本だってそうだったでしょ。ウェストファリア体制のもと、領域国民国家に切り替えていかないと生き残れない時代だったんだからさ。でも確かに、そうなった以上、カリフ制は“百害あって一利なし”ってことになりかねないよね。国家の利害を超越して「地上における神の代理人」なんて、選出できるわけがないもんね。

『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北』 内藤正典
『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北』 内藤正典
(2015/01/16)
内藤 正典

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ー混迷を極める中東に突如現れたイスラム国ー

日本だって、価値観を共有しない国が周囲にあります。だからといって、存在を否定するわけにはいきません。カリフ制のイスラム国ができたなら、まず必要なことは、どのように共存できるのか、対話を通じて模索することです。そのうえで、私たちは、あなた方の主張のここは理解できるけど、ここは絶対に受け入れられないと主張すべきです。ムスリムは、イスラム国のような強硬な組織に属する人であっても、武力で威嚇しない限り、おそらく異教徒との協議に応じるでしょう。

イスラム国が、もしそれを拒むなら、過去のイスラム帝国が歩んできた道のりまで全面的に否定することになります。それをするなら、もはや空想的イスラム国と言わざるをえません。彼らも現実の世界に生きており、異教徒、あるいは多神教徒の処遇に関する問題にさえ、何らかの和議の余地があると考えます。
本書P91~92

“あとがき”の日付は二〇一四年一二月です。ことここに至り、著者もイスラム国への期待は放棄されたでしょう。「ヨーロッパに隣接する空間、あるいは非イスラム圏のアジアに迫ってくるようなことは、現在のところありえない」と言っておられたのだから。たとえそれが、安倍首相の中東歴訪、援助、演説のカウンターであったとしても、先に無辜なる日本人を手にかけたのは彼らだ。

ただし、彼らの現れた理由、『カリフ制によるイスラム国の建設は、どうしようもなく堕落したムスリム世界の再生をめざす一つの実験』という意見は、たしかに著者の言うとおりだと思う。周辺のイスラム教国家が、それこそ率先してイスラム国の空爆するのは、そういう背景があるからこそだ。あのヨルダンの攻撃にも、やはりそういう背景がある。

欧米も、イスラム教国家も、今、自分たちの行いによって発生したイスラム国を、なかったことにしようとしている。まさしく、“臭いものにはふた”だね。でも、そんなことしてると、もっと臭い連中が出て来るな、必ず・・・。






    






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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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