めんどくせぇことばかり 実教日本史を読んでみた(覚書)『古代史は知的冒険』 関裕二

実教日本史を読んでみた(覚書)『古代史は知的冒険』 関裕二

やはりハイライトは“入鹿暗殺”だよね。関さんは『皇極四(六四五)年に、中大兄皇子と中臣鎌足の手で蘇我入鹿ら蘇我本宗家が滅ぼされ、、大化の改新が断行された。・・・旧態依然としていた統治システムは、ここで刷新され、律令制度が整えられた・・・そう、学校の教科書で教えられているのでは・・・』 と書いている。ちょっとその辺を、前から何度か紹介しているおちゃらけ《実教出版 高校日本史B》で確認してみよう。


それは《第1章 原子・古代 第2章 古代国家の確率 2 古代国家の成立「大化の改新は何を改革したのか」》という項目の中にある。その冒頭でこの教科書は《歴史の窓》という題名を設け、そこに“入鹿暗殺”を記述している。
六四五(大化元)年六月一二日、明日香板葺宮で、三韓(高句麗・百済・新羅)の使者が調(服属を表す品物)を献上する儀式をとりおこなっていたときのことであった。中大兄皇子と中臣鎌足(のちの藤原鎌足)らは、皇極天皇の面前で蘇我入鹿を殺した。こうして大化の改新が始まった。なぜ、皇子たちは、入鹿を殺してまで新たな国づくりをめざしたのだろうか。

いかがなもんでしょうか。見事なまでに日本古代史への憎悪をかきたてるじゃありませんか。まあ、歴史の中の残虐なシーンではあるが、学校の教科書に『殺す』なんて言葉使う必要ある? それに続いて、《東アジアの新しい情勢》という小項目では、この出来事の意義を、以下のように綴る。
六一八年、中国では隋が滅び唐がおこった。また朝鮮半島では、唐の軍事的圧力を受けることによって、高句麗・百済・新羅それぞれが権力の集中をはかり、新しい政治体制がうまれた。一方、厩戸皇子と蘇我馬子の死後、蘇我蝦夷・入鹿の父子が権力を握り、皇子の子の山背大兄王の邸をおそい、自殺させるなど、倭国では政治的混乱と、いままでとかわらない氏姓制度が続いていた。これに対し中国から留学生が帰国し、緊迫した中国・朝鮮半島の情勢や国家制度のしくみを伝えた。蘇我氏に反対する勢力は危機意識を募らせ、東アジア諸国の新しい体制に対応するために、天皇中心の強力な国家をつくろうとした。これが大化の改新の原動力であった。

この教科書だけじゃないだろうけど、ここに書かれている“中国”ってなんなんだろうね。隋だの唐だのっていうのは、おそらく古代の漢族がほぼ絶滅して、それに変わって支那の主人公成り上がった鮮卑族の王朝だよね。この当時には、“中国”は存在しないよね。

それからここで語られる“国家制度”とか“国家”というのが、現代的な意味の、いわゆるウェストファリア以降の主権国家という言葉と、区別されないままに使われているように感じる。

“倭国”は論外。大和朝廷という言葉はお嫌いらしい。せめて大和政権じゃないの?

“権力の集中”に至ってはお笑い。社会主義用語じゃないの。スターリンとか、毛沢東とか、金日成なんて、大好きなんだろうな。とりあえず、共産党一党独裁ですか。

大和朝廷に、支那の律令制度や大陸の新情勢の情報をもたらした留学生だけど、・・・楽じゃないんだよね、大陸に行くってこと。送り出すってことの背景に相当の危機感があるわけだよね。じゃあ、誰が送り出したの?

これだけの短い記述で、よくこんだけ文句言いたくなるような内容を書けるもんだ。しかも実質的内容にはいっさい触れていないのにね。

面白い現象なんだよね。この教科書は左翼的傾向の強い人達が書いた教科書らしい。そんでもってこの人たちって、日本は嫌い。日本の敵は好き。だけど、日本の敵は好きだけど、敵ではなくなったアメリカはじめ資本主義国家は嫌い。社会主義・共産主義は大好物。支那、朝鮮も大好物。そういう人たちだから、なんだか支離滅裂なんだよね。日本の歴史の軸になってる皇統は嫌いで、日本の神話なんて大っ嫌いだけど、日本書紀のこの辺りの記述には、無邪気に思えるほど忠実なんだね。

『古代史は知的冒険』 関裕二『古代史は知的冒険』 関裕二
(2015/01/06)
関 裕二

商品詳細を見る
ー甘樫丘に登る道は“意外な歴史”に通じているー


社会の先生だったら、まず物事は疑ってみる。そういうところを生徒さんたちに見せなきゃいけないんじゃないかな。こんなにも無邪気に受け入れてちゃ、権力の欺瞞なんて暴けやしないよ。まあ、毛沢東語録でも振り回してりゃ米軍機も落ちるか。

身の回りに日本の古代史を専門的に勉強した人がいて、古墳時代が専門らしい。関さんの本の話なんか出すと、「いいね、無責任に発言のできる人は・・・」なんて言ってる。全体が見えないから時々トンチンカンになる。怨霊思想の話を出すと、「飛鳥時代にはないですよ。平安にはそういう意識が出てきますけどね」なんて言ってた。巻向は専門家の間でも認知されたらしくて、その話をすると興奮しだすんだけど、そこまでだね。古墳や土器が分かっても、人間が分かってないからな。
でも、巻向はほんとうに面白いね。巻向が東からの力に主導されていたっていうんだからね。この時、物凄く活発な人の交流が起きていて、ヤマト建国の原動力になったって言うんだけど、どうやって人の行き来を掌握したかってのがおもしろい。

この時代の人は「マイ土器」を持って移動しとり、地域によって時の型が違うから、時の数を数えることで、そこにどの地域の人がどれくらいやってきたかがわかるという。
土器 
そうして調べあげたのが、本書P61にも掲載されているこの地図、『三世期の人の動き』(松木武彦)だそうです。ウワっ 尾張がものすごく動いてる。

・・・時々見かける、縄文ややよいの遺跡で、炎天下でもはいつくばって刷毛を使ってる人たち。・・・おかげさまで・・・





    



にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
関連記事

テーマ : 歴史関係書籍覚書
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください
人気ブログランキングへ にほんブログ村 政治ブログへ


言葉は人の心をあらわします。
「歌は世につれ世は歌につれ」と言いますが、言葉についても同じことが言えるでしょう。
これから出る本








































直近3ヶ月当ブログ内人気図書 






















































カウンター
カテゴリ
ブロとも一覧
アジシオ次郎の時事原論
はりこのはやしや 
ハシビロコウ
素足のアイドル達
うさぎ屋の四方山話
わくわく株式投資
プロモデラー林哲平のジャンクロボット創作ブログ『ケルバーダイン』
大好き!グラビアアイドル!
伊織のブログ
Re:BAD TASTE♥
QWERT 5w1h
「伝わる技術」オトデザイナーズ・坂本真一
歌と知恵でハッピーライフ^^
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
最新記事
応援して下さい