めんどくせぇことばかり 『天皇家と古代史十大事件』 関裕二

『天皇家と古代史十大事件』 関裕二

こんなところで紹介したら笑われるかもしれないけど、「いろはにほへと」、いわゆる「いろは歌」。おんなじ仮名を一回だけ使って、しかもすべての仮名を使いきる。手習いの見本として日本の文字教育にどれだけ貢献したか、それだけでも価値は計り知れない。しかもその内容は、仏教の無常感を的確に表現している。まさに天才の仕事。でも、・・・もうひとつ。

いろはにほへと ちりぬるを  わかよたれそ つねならむ 

うゐのおくやま けふこえて  あさきゆめみし ゑひもせす


これを作ったのは空海と言う説もあるという。「いろは歌」には、もうひとつの読み方があるという。それを知って以来、誰が作ったかよりもなぜ、誰を思って作ったのかが気にかかって仕方がない。

もうひとつの読み方というのが“七字読み”。七文字目を読んでいく。“と”、“か”、“な”、“く”、“て”、“し”、最後は七字に足んないけど、“す”。・・・“とかなくてしす”。濁点と漢字をあてがって、「咎なくて死す」、誰かが無実の罪で死んでいる。その恨みを、「いろは歌」の中に忍ばせている。
『天皇家と古代史十大事件』 関裕二『天皇家と古代史十大事件』 関裕二
(2015/01/07)
関 裕二

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古代の謎は、藤原氏が歴史をゆがめたところに始まる
第一章  大津皇子謀反事件
第二章  軽皇子立太子
第三章  石川刀子娘貶黜事件
第四章  長屋王の変
第五章  大仏殿造立事件
第六章  橘奈良麻呂の変
第七章  宇佐八幡宮神託事件
第八章  藤原種継暗殺事件と平安京遷都
第九章  藤原氏の他者排斥事件(承和の変と応天門の変)
第十章  院政の始まり・源平合戦

日本史の底流には藤原氏の暗躍と、それへの抵抗があったということか。そして藤原氏の祖、中臣鎌足は、百済の王子豊璋では・・・、というのが関裕二さんの主張だよね。関さんの書いたものを読めば、情況証拠はある程度そちらの方向を指しているようにも思える。それでも確信は持てない。確信は持てないんだけど、やっぱり違うんだよね、藤原氏ってさ。人間の質が・・・。

藤原なんて、赤子の手をひねるくらいのもんだったわけじゃない。蘇我、物部、大伴なんかにしてみれば。ところが旧勢力は、藤原を追い詰めても、ツメが甘いんだよね。それに比べて藤原は、最初から相手の息の根を止めにかかる。恨みを買い、怨霊を発生させることなんか、最初から頭にない。そう思える。・・・やはり、国内の勢力じゃないからかな。・・・関さんの主張、なんだかあたっていそう。

天武朝でまったく相手にされなかった連中が、主流から外れた天智天皇の娘鵜野讃良-草壁の周辺に集まり始めた。その中心が藤原不比等。ありそうな図式なんだよね、これって・・・。さらに、大津を謀略にはめた出来事は、当時の天武系遺臣の怨嗟の的になったろう。だから、草壁は玉座につけなかったというのが関さんの主張。鵜野讃良の即位、軽皇子の即位は無理に無理を重ねてのこと。関さんは”持統即位”は自作自演では・・・、とまで言う。そんな無理をあとから正当化するために、日本書紀に現れる『天孫降臨神話』が創作されたという筋書きは理屈にかなっちゃうね。
天照大御神---正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊---天津彦彦火瓊瓊杵尊
鵜野讃良皇女(持統天皇)---草壁皇子---軽皇子(文武天皇)

天武崩御・大津謀殺から始まる蘇我派と反蘇我派の暗闘、こう言うとなんだか対等な立場みたいで気持ち悪いな。蘇我派に対する鵜野讃良・藤原不比等テロリスト連合の攻撃は熾烈を極め、ようやく正気を見出した持統天皇の歌がこれってことか。

春過ぎて 夏来たるらし 白妙の 衣干したり 天香久山

霊山天香久山をとった者がヤマトの王となる。白き衣は天女の羽衣。天女こと、蘇我を象徴する「トヨ」の名を持つ豊受大神は羽衣を翁に盗まれ身動きがとれなくなった。翁こと持統天皇は、今まさに天女の羽衣を手に入れようとしている。





    




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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