めんどくせぇことばかり 『日米衝突の根源 1858-1908』 渡辺惣樹

『日米衝突の根源 1858-1908』 渡辺惣樹

二〇一一年の暮れに読んで記事を書いている。この頃は今とはちょっと違う書き方してたんだな。本の写真も崩れちゃってるんで、訂正して、あらためてご紹介しておこう。・・・とか言って、ちゃっかり過去記事で・・・
ホーマー・リーという人物が、『無知の勇気』という本を書いているという。その中で彼は、ポーツマス条約の締結時点で日米の衝突を予言していたという。 この本の中では、すでに衝突を既定の事実として時代の状況を分析している。 彼が衝突を既定の事実と結論づけた背景をあげてみる。

一つは、極東にアメリカ自身が目覚めさせた日本という国が、相応の力を持って立ち上がったということ。 特に日露戦の後は、日本が非支配民族の期待を集めたという事実も重なる。

もう一つは、アメリカは必ずそこへ行くと、著者のホーマー・リーが確信しているということだ。 これはホーマー・リーが、セオドア・ルーズベルトと同じ目で世界を見ていた、あるいはルーズベルトと同じ目がアメリカを動かしていることを彼が理解していたことを示している。

そしてそこに立ちはだかるものがいれば、衝突となる。 難しい分析ではない。しかしそれは、アメリカから見れば“難しくない”のであって、日本から見てそれを予測するのは、そう簡単なことではない。やってくる主体は、あくまでアメリカであるのだから。

『日米衝突の根源 1858-1908』 渡辺惣樹『日米衝突の根源 1858-1908』 渡辺惣樹
(2011/10/22)
渡辺惣樹

商品詳細を見る
ー根源はアメリカに・・・ー
第1章  日本人と支那人
第2章  カリフォルニアの争奪
第3章  太平洋シーレーン
第4章  南北戦争
第5章  大陸横断鉄道開通
第6章  「アメリカの湖」
第7章  岩倉使節団の失敗
第8章  フィラデルフィア博覧会
第9章  支那人排斥法
第10章  ハワイ国王カラカウア
第11章  グラント将軍の日本訪問
第12章  フロンティアの喪失
第13章  ハワイ攻防戦
第14章  米西戦争
第15章  白い艦隊(ホワイト・フリート)

だからこそ、この『日米衝突の根源 1858-1908』という本には意味がある。 もともとアメリカを見なければ、日米戦争を理解することなどできるはずはないのだから。

しかも、単なるアメリカ史ではない。 ここには、アメリカが、どう日本との戦争に向かっていったかが書かれている。 国内産業を保護して国力の増強を目ざすアメリカン・システムとその綻び。独立後も続くイギリスとの確執。成長と共に必然的にもたらされる国内の人種問題。南北戦争。ハワイ併合。米西戦争とフィリピン領有。日経移民排斥。
 
高校の世界史では、そうは教えないけど、南北戦争の前と後では、アメリカ合衆国というのは違う国家になっている。もともと独立した時は、そこには十三の独立国家ができると認識していた人も多い。特に自立できる力を持った植民地はそうだった。自立できない植民地が連邦を望んだんだ。南北戦争というのは北部が勝ったからそういうのであって、南部にしてみればこれは国際戦争。アメリカ連合国は敗戦国として、・・・何だかこのあたり、日本が重なる・・・北の奴らに蹂躙された。

ついつい熱くなってしまった。・・・なにはともあれ、統一国家としてのアメリカ合衆国が登場したわけだね。統一されたアメリカは、アメリカ連合国のからの利益に励まされて工業化を進める。資源にも恵まれて、早くも一八九〇年代にはイギリスの工業力を上回る。折から太平洋の反対側には、もうひとつの統一国家が生まれていた。それが日本。欧米列強の圧力に危機感を持って近代化を進めた日本は清朝を敗り、さらにはロシアをも退ける。いずれも自存自衛のための戦いだった。

しかし、太平洋をフロンティアの草刈り場と定め、支那への進出を目したアメリカには、・・・。日本はアメリカの国家戦略にとって最大の障害と映った。

この視点から日米戦争に迫る本書の登場は、それ自体大きな価値がある。 それだけでなく、面白い。 読んで面白い。私自身は、日米戦理解の歴史を変える一冊になると思っている。
だいぶ加筆しちゃった。





    




にほんブログ村 政治ブログへ 一喜一憂。ぜひポンとひと押しお願いします。
関連記事

テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

ありがとうございました



「《めんどくせぇことばかり》は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。」
よくお越し下さいました

イーグルス16

Author:イーグルス16

息も絶え絶えです、ぜひ応援してください
人気ブログランキングへ にほんブログ村 政治ブログへ


言葉は人の心をあらわします。
「歌は世につれ世は歌につれ」と言いますが、言葉についても同じことが言えるでしょう。
これから出る本
















































当ブログ内人気図書 






















































カウンター
カテゴリ
ブロとも一覧
アジシオ次郎の時事原論
はりこのはやしや 
ハシビロコウ
素足のアイドル達
うさぎ屋の四方山話
わくわく株式投資
プロモデラー林哲平のジャンクロボット創作ブログ『ケルバーダイン』
大好き!グラビアアイドル!
伊織のブログ
Re:BAD TASTE♥
QWERT 5w1h
「伝わる技術」オトデザイナーズ・坂本真一
歌と知恵でハッピーライフ^^
こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
最新記事
応援して下さい