めんどくせぇことばかり 『経済で読み解く大東亜戦争』 上念司

『経済で読み解く大東亜戦争』 上念司

“日本はなぜ「大東亜戦争」に突入したのか” について書かれた本の中では、もっとも納得のいく本。何年か前に東京大学の女の先生、・・・名前忘れちゃった。読んだはずなのに・・・。・・・加藤陽子さんだ。『それでも「日本人」は戦争を選んだ』って本だ。

最近、物忘れが激しい。思い出せるはずなのに、・・・うううっ・・・。この、「・・・うううっ・・・」の部分、苦しいよね。でも、この部分で諦めず、一所懸命にいくつもの引き出しを開けていくイメージで何としても引っ張り出してくる。物忘れに抵抗するにはそれしかないみたいよ。

そんなことはともかく、悪いんだけど加藤さんのこの本、ちょっと読後の後味が悪かった。まあ、題名の通りのことが書いてあるんだけどさ。日本人が戦争を選んだってね。「だからなんだ?そんでどうしたってんだ?戦争ってのは相手がいなきゃ出来ないよ」と、・・・そう思った・・・だけだった。

この本は違うよ。この人は人間を理解している。
「人はパンのみにて生きるにあらず」とはよく言ったもんです。しかしこれは、「人はパンなしで生きていける」という意味ではありません。「明日もパンを食べることができるだろう」という経済的な見通しを持った人が初めて、「パン以外」についても考える余裕が出てくるということです。
・・・パンがない人は、パンを食べさせてくれそうな人について行くのです。たとえそれが、激しいユダヤ人差別を標榜する危険な団体であってもです。

『私の仮説ですが・・・』としながら著者は、極度の経済的な停滞により将来に見通しが立たなくなった時、人々は既存の政治に対する絶望を、なにかやってくれそうな人々への期待で埋め合わせようとすると語る。ひどい言い方してるよ。満州事変から大東亜戦争を戦っていく日本人のことを、『スパイがしいたレールの上を破滅に向かって全力疾走するバカ』っていうんだからひどいもんだ。

でも、加藤陽子さんの本よりもはるかに納得できるし、何よりその時代への愛情を感じる。

『経済で読み解く大東亜戦争』 上念司『経済で読み解く大東亜戦争』 上念司
(2015/01/24)
上念 司

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ー「ジオ・エコノミクス」で日米の開戦動機を解明するー

まえがき  ~なぜ今、「大東亜戦争」を学ばなければならないのか
序章  【経済と戦争の相関】
     「経済」がわかれば、「戦争」がわかる❢
第一部  【第一次世界大戦までの世界経済の動向】
       「金本位制」が世界経済を成長させ、そして、奈落に突き落とした・・・
第二部  【第一次世界大戦の明暗】
       凋落するドイツとフランス、台頭するアメリカと日本
第三部  【第二次世界大戦前夜の日本経済】
       日本はなぜ「大東亜戦争」に突入したのか
終章  【日本の戦後復興】
     焼け野原から「高度経済成長」を成し遂げた奇跡の国・日本
あとがき  ~日本は二度と過ちを繰り返してはならない

上述したけど、戦争っていうのは相手がなけりゃ出来ない。だから全体像として理解するためには米英支ソだの、F・D・R、スターリン、毛沢東だのといった、ネジの幾つかぶっ飛んだような連中も見てかなきゃならないけど、この本の役割はそうじゃない。国際関係、国際紛争を読み解こうとするとき、経済が極めて重要であること。その点から「日本がなぜ大東亜戦争に突入したのか」を読み解くことによって、二度と同じ愚を繰り返す事のないようにすること。この本が書かれた理由は、これに尽きる。

日本人が “全力疾走するバカ” の道を選択したのは、結構紙一重だった。一九三一年十二月、日本は高橋是清蔵相のもとに金本位制から離脱した。一九三二年五月に五・一五事件が発生、暗澹たる空気が日本経済をおおう中、髙橋蔵相は日銀が直接国債を引き受けて市場に流通する貨幣量を増量した。財政政策に金融政策を合わせることで日本は、一九三三年には、主要先進国に先駆けて不況を克服した。

著者はそれでも、髙橋是清の財政金融対策による景気回復は、タッチの差で間に合わなかった、と言う。これと前後して、一九三一年の満洲事変、三二年三月の満州国建国、五月の五・一五事件、三三年二月の国際連盟脱退、三六年ニ・二六事件と暗い出来事が続く。ニ・二六首謀者の思想は国家社会主義であり、“明日が見えない”風潮の中で、本来ならばありえない社会主義思想が国民の間に蔓延しつつあったのがうかがえるわけだ。

著者は満州事変が起こされたことへの国民の熱狂から、すでに日本は戻れない所まで来てしまったと考えているようだ。私は個人的には、支那事変を早期に解決できなかったことと理解しているが、そうなったことも、支那に関しての国民意識が熱狂してしまったこと、尾崎秀実ら社会主義思想の広がりにあると考えれば、・・・やっぱり満州事変かな。

私よりも九歳も若い著者だけど、ずいぶんと勉強させてもらった。




    




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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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