対日戦勝70年(覚書)『岡田英弘著作集 第四巻 シナとは何か』
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面白いんだよね。日本側には中共と戦った記憶はほとんど無いんだからね。この記事も、本来おかしな記事で、以下のように書かれている。
中国は日本が国民党政府に降伏文書を手渡した9月3日を「抗日戦争勝利記念日」と制定。今年9月3日には習近平国家主席らが出席し、北京郊外の「抗日戦争記念館」で大々的に記念式典を開催した。中国メディアは、「日本が過去の軍事侵略の歴史を否定、歪曲したり、軍国主義に回帰することを中国は決して容認しない」という習近平の相も変わらぬ発言を報じている。 |
日本が降伏文書を手交した相手は国民党政府なわけで、現在、中華人民共和国という国家を支配する中国共産党ではない。日本軍と戦ったのも国民党軍であって、共産党軍ではない。共産党軍は、戦中、戦力を温存したからこそ、戦後の国共内戦に勝利したわけだ。だから、“日本と戦わなかった” という事こそが、中国共産党が現在の世の中に存在できた理由になるわけだ。だから、ほら、今年に入って、台湾から突っつかれてる。
Record China 2015/3/10 中国共産党は歴史を捻じ曲げるな❢ 日本と戦ったのは国民党だー台湾 http://www.recordchina.co.jp/a103964.html (抜粋) 中国共産党の宣伝を台湾側は史実の捏造だと批判してきた。先日、中国の王毅(ワン・イー)外交部長は日本が歴史を真摯に見つめるよう発言したが、これを受けて台湾国防部政戦局の王明我局長は日中戦争の主力が国民党だったという歴史的事実も変えられないと指摘。日本を批判する中国が歴史をねじ曲げていると批判した。 |
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それにしても腹の立つのは、最初の記事における習近平の『日本が過去の軍事侵略の歴史を否定、歪曲したり、軍国主義に回帰することを中国は決して容認しない』っていう発言だよね。本当に腹が立つ。でも、習近平は間違っていないんだよね~。支那人の言う“歴史”というものと、日本人の“歴史”がおんなじものだと考えるからおかしなことになる。これは、上の本、岡田英弘さんの著作集の第四巻『シナとは何か』には、以下のように書かれている。
中国人にとって、歴史とは、「正確」でなければならない。「正確」というのは日本語ではなく、現代中国語の「正確」である。現代中国語で「正確」というのは、「その時々の政府や皇帝の政策のラインに添ったものの見方」という意味であって、現政権にとって都合のいい歴史の解釈が、「正確な歴史」である、ということになるわけだ。 シナ大陸では、紀元前一世紀の初めに書かれた司馬遷の『史記』に始まり、歴代王朝の正史が明代まで書き連ねられた。これをいわゆる「二十四史」という。清代にもその伝統が続いたが、それは事実の客観的な記録の集積ではない。その時々の皇帝の天下を誉め讃えるための文献なのである。今の皇帝がいかに正統な権利を天から受けて天下を統治しているかということを証拠立てる文献が、中国人のいう「正確な歴史」なのである。 だから、徹頭徹尾、現政権を正当化しなければいけない。これが中国人の考える歴史であって、純然たる政治そのものなのである。 本書P112 |
・・・、どうしよう・・・
どうしようもないよね。習近平にしてみれば、習近平の、中国共産党の支配の正当性を支える物語そのものが「歴史」なわけで、それ以外の「歴史」はありえない。あり得ることになれば、中共の支配、習近平の支配は崩壊する。だから、中共の支配が終わる時、「歴史」は変わるわけだ。・・・もうすぐかな・・・?
おまけだけどさ。おんなじ記事の中で習近平は、『来年は国連設立70周年であり、かつ、反ファシズム戦争と中国人民の抗日戦争の勝利から70周年でもある』とかってとぼけたこと抜かしてる。ファシズムってのは、政治的には、国家機構の上に政党が君臨する状態を言うわけで、朝鮮労働党や中国共産党がそうなんだよ。今の支那の体制こそがファシズム❢


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