めんどくせぇことばかり 『日本農業への正しい絶望法』 神門善久

『日本農業への正しい絶望法』 神門善久

《「TPPで日本農業活性化」も、「“農”を人身御供にしては失うものが大きすぎる」も、猿芝居》

土地を持ってるなら、それなりの責任を果たせよな。

うちの近くには週末になると家族づれでとってもにぎわう施設があるんだけどさ。周辺の元農家(?)、自称農家(?)の元田圃や元畑が駐車場になってる。元農民のおじさん、おばさんが、「ここで稼がずに置くべきか」って勢いで駐車場待ちの車に群がる。一台五百円くらい取って、二十台も入れれば一万円。土日で二万円。四週間で八万円。祝祭日を見込んで、一か月で十万円。一年で百二十万円。・・・っけ、畑なんかやってられっか・・・部分的には、もうとっくに滅びてる。
過去記事です
日本農業への正しい絶望法 (新潮新書)日本農業への正しい絶望法 (新潮新書)
(2012/09/14)
神門 善久

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著者の悲壮感は生半可じゃない。このままじゃいけない。
農の問題じゃない、日本の問題。

「改革派」であれ、「保護派」であれ、日本農業の応援団を自称する。両者は農産物貿易自由化の是非などでしばしば対立するかのように見えるが、それは見せかけにすぎない。両者とも日本農業のハリボテ化という厳しい現実から逃避し、空論を交わすことで慣れ合いの猿試合を演じているのだ。

「改革派」と「保護派」とが繰り広げる猿芝居を止めに入ろうとすれば、両陣営から憎悪の目が向けられ、四面楚歌も覚悟しなければならない。私は四面楚歌を受け入れるつもりだ。本書は日本農業の本当の問題はどこにあるのかをあきらかにしたうえで、どのような方策が残されているのかを検討する。現状も未来も決して甘いものではない。しかし、ここから始めなければなにも好転しない。

四面楚歌の中、「虞や、虞や、汝を如何せん」と愛人の名を呼びながら死んだ猛将・項羽を私が気取るつもりはない。もう遅すぎるかもしれない、という気持ちもある。だとすれば、本書の挑戦は、単なる犬死で終わるかもしれない。それでもなお真実を伝えるのが研究者としての私の責務だ。

私の周囲には、「改革派」や「保護派」の人達も多い。この本を書くことで、これまで、私に味方してくれていた人たちが少なからず去って行くかもしれない。私はそういう状況を好いているわけではない。しかし、私の意志ではなく、真実が私の手を繰る。私の選択に問題ではなく、いわばこれが私の人生なのだ。
 
これは“あとがき”ではない。“まえがき”である。一体何を訴えようとするのか。世間はTPPを受け入れることで“農”の活性化を促して世界に打って出ようとする声よりも、みすみす日本の“農”を人身御供にしては失うものが大きすぎるという声への同情のほうが大きいように思える。

著者は、それを“猿芝居”という。

彼らが前提としているのはマニュアル依存型の農業であり、TPPに参加しようがどうであろうが、所詮、日本の農業に未来はない。だれでも真似できるからこそマニュアルの意味があり、大型化というなら日本に勝ち目があるわけない。日本の農業に将来があるとすれば、それは“技能集約型農業”だという。徹底して土と向き合う農業だという。それが今は死に絶えようとしていると、著者は訴えている。

輿石東の農地転用疑惑、・・・疑惑などではなく、間違いのない事実なのだが・・・有耶無耶にされたのは、それが農地を有する人たちの間では当たり前に行われていることであるからだという。それはそうだ。自分に火の粉が振りかかる恐れのある“疑惑”など、誰が追求するか。 「土地基本台帳」は杜撰にも程がある状態に成り果てているという。基本資料となる土地基本台帳がそんな状態では、いかなる農業政策もアリバイ作りに過ぎない。

農地の有するものだけの問題であるはずがない。大義を忘れ、目先の利益に走ったのは他のものも一緒だ。だからこれは日本人すべての問題だ。私達がここまで日本をダメにしたのであり、私たち自身がダメになったのだ。

第7章には未来への提言が書かれている。著者の叫びのようだ。この第7章を読んで私は日本農業へ、“正しく絶望”した。こんなこと出来っこない。絶望は深い。しかし、私だけが絶望するのはあまりにも理不尽だ。だから、あなたも読んで“正しく絶望”しろ。





    


 


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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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