めんどくせぇことばかり 『日本語は泣いている』 外山滋比古

『日本語は泣いている』 外山滋比古

見知らぬ土地への引っ越しにともなって転校した子が、言葉の違いを笑われて悲しい思いをする話が書かれていた。私がおんなじ思いをしたのは大学に入学して、実家のある山村から東京に出て行ったときのことである。

「君がなんて言っているのか、僕には全然わからないよ」って、東京の奴に言われた。未熟者の私は、見事に自分をさげすんだ。もともと自分でも思ってたからね。生まれ故郷で生きるのは、・・・いやだ。

同じコラムの中に、古代ギリシャ人は周辺に居住する者たちを見下して“バルバロイ” と呼んだという話が書かれている。ギリシャ人の耳には周辺の者たちの話す言葉が、「ベラベラベラベラなんか言っているけど、なんだか僕には全然わからないよ」・・・ということなんだろう。ギリシャ人には“バルバル” 聞こえたんだろう。そう言えば、北アフリカには古くから“ベルベル人” と呼ばれる人がいるよね。“ベルベル” 聞こえた人がいたんだろうね。

あ~あ、僕が、“バルバロイ” として生きていこうと考えられるようになったのは、いったいいつ頃からだったろう。
『日本語は泣いている』   外山滋比古

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日本人が束になって、日本語をいじめた。だから、日本語は泣いている
話のうまい人は文章がまずい。文章のうまい人は、たいてい話下手である、といわれる。口も手も両刀使いという人は、あっても少ない。話すように書けないからである。書いてはいけないからである。書くように話せないのが日本語で、そんなことをすれば、儀式で読まれる式辞を聞いているみたいになってしまう。
本書P103

たしかにそうだ❢ と、いったん同調しておいて、あらためて考え込んだ。ブログでこんな下手な文章を人目にさらし続けているのは、“虚仮の一念” というところか。少しは上手な文章を書いてみたい。などと言いつつ、実は私、人に向かって話をすることを商売としている。話が下手なのと字が下手なのはもとから自覚しているところ、でも立派に文章も下手ですよ。

《両刀使いはあっても少ない》とは書かれているものの、《両方だめも少ない》とはない。そういう私みたいのは結構いるんだろう。・・・とまあ、そう言ったところで、日々精進。“話し” も、毎日の商売で、何となく続いてはいるし、“書く” ほうも、継続は力と、ただその言葉にすがりついて書き続けてみよう。

《年をとった人には若い人が自分たちと違う言葉を使っているのを見て、心の中で、このバルバロイがと思っているのかもしれない》と書かれているが、そんなことはない。若い時期からバルバロイを笑ってきた年寄りはそうかもしれないけどね。でも、私のように若い時期から、逆にバルバロイを自認してきた者にとっては、バルバロイはあくまで自分なのよ。そんな私が、いまさらヘレネすなんかになれるかい。

ヘレネスとバルバロイの関係って、アジアにおける「支那とその周辺」の関係に似てないかな。バルバロイであることに安らぎを感じるのは、案外そんなところに原因があるのかな。







 


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No title

こんばんは。

昔から、お国訛りは道中手形と言うじゃないですか。
まあ若いうちは一生懸命訛りを隠そうとしますがね。
いい年になれば生国に誇りを持ち「お国訛り」を隠そうともしない。
ベルベル人は誇り高い人たちです。
今でもベルベル人は自らをイマジゲン・・・高貴な人・・・だと胸を張ってます。
彼らにとっては経済や先進技術は高貴さの証明にはならないんでしょう。
所詮、ロンドンやパリ、東京や大阪は大いなる田舎者の集まりですよw

hachiman01chiman01 さま

コメントありがとうございます。

ベルベル人のような経済や先進技術をものともしない人間としての高貴さは到底持ち得ない。いや、私の場合、持ちえていない。ただ、意識としては、その頂きをめざしているのかな。そのいただきに憧れた時に、バルバロイになったのかな。いや、バルバロイは、どこかで経済や先進技術に憧れているか。

ごめんなさい。私のほうが考えさせられてしまいました。

ありがとうございました



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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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