めんどくせぇことばかり 『1907 IN KOREA WITH MARQUIS ITO』 ジョージ・トランブル・ラッド
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『1907 IN KOREA WITH MARQUIS ITO』 ジョージ・トランブル・ラッド

桜の花出版の人から「こんな本が・・・」って教えてもらって、注文して読み始めた。読み始めて驚いた。“え~ なんでこんな情報を眠らせておいたの・・・なにをいまさら・・・” って、そこまで言っちゃあ、言い過ぎか。

でも、「伊藤博文は韓国の併合に反対していた」ってことの論証として、さまざまな伊藤の発言が研究されたり、それこそハルビンで自分を撃ったのが韓国人だと知ったとき、「バカなやつだ」と言った言う話もその論証の一つとして登場する。

ジョージ・トランブル・ラッドは、1907年の9月にこれを書いている。なにが重要かって、書いた本人が“自分が現地で直接観察した事実に基づいているか、最も的確で信頼できる一次資料による” と証言していることだ。つまり、歴史の証言者としての意識を持って書いているということだ。

となると、あとはなに?・・・この人、誰? って、そういうことだよね。信用していいのかってことだな。編者の“まえがき” や“あとがき” も、その点に触れている。和約出版こそされなかったが、いろいろな意味で注目は浴びたらしい。“いろいろな意味” とは、ありていに言えば、「日本政府によるプロパガンダ」として受け止められた。もしくは、悪意を持って決め付けられたということだ。

ラッド批判家の一人にジェームズ・E・ホアという人物がいる。彼は、「ラッドは朝鮮人に必要なものは最低レベルの教育だと確信していた。朝鮮人に高等教育のシステムはまだ必要ない。伊藤の後任がラッドの意見を採用したかどうかはわからないが、これが1945年までの朝鮮の教育となるのであった」と言っている。しかしラッドは、「国の発展に必須の各分野を発展させ、道徳と法の知識のある行政官を作る教育」の必要を説いており、併合後の総督府は、それまで存在しなかった高等学校、専門学校、大学や女子学校を作っていわけだ。

《日本肯定は悪。日本に批判的であることはすなわち善》というわけのわからない考え方が存在したこと自体が、書かれてから百年間、これだけの本が翻訳されてこなかったことの原因か。
『1907 IN KOREA WITH MARQUIS ITO』     ジョージ・トランブル・ラッド

桜の花出版編集部  ¥2,452

伊藤博文の依頼を受けて赴いた、大日本帝国の保護国であった大韓帝国での体験をもとにつづった貴重な記録


“どうしてこんな本がいまさら・・・” そんな思いが先行した。読みながら、いや、読めば読むほど、そんな思いが強まった。今もそうだ。そんな思いにけじめをつけなけりゃ、この本について、何かをかけるわけもない。だから、内容以前に、この本が、今、出版されたことについて、まず書いた。

この本のほかにジョージ・トランブル・ラッドさんの情報を求めてみたら、ラッドさんは神学、哲学の世界を通して心理学に進んだ人のようだね。初来日は1892年のことで、その後、1899年にも来日してる。三度目の来日が、伊藤博文から要請を受けた1906年から1907年にかけてのものだったようだ。
日本心理学会の初代会長松本亦太郎は、ラッドさんの初来日のときの講演を聞き、ラッドさんのもとで学位をとったっていうんだから、日本の心理学の育ての親みたいな人だね。

さまざまな功績から旭日中綬賞、旭日重光章というのを受けているんだそうで、まあ日本に縁が深かったのは間違いないね。1921年に亡くなると、おそらく本人の意思なんでしょう。遺灰の半分は横浜の総持寺に分骨されたそうだ。
神護寺

そうだね。こんな人がいたことさえ知らなかったんだもんね。つくづく、《日本肯定は悪。日本に批判的であることはすなわち善》という力は強烈なものだったんだね。

さて、ここまでラッドさんのことに触れて、やっとこの本の内容に正面から向き合えるような気がする。・・・って言ったって、並大抵じゃないけどね。







 


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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































































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