めんどくせぇことばかり 「食肉用の牛」論争・・・『クール・ジャパン』より

「食肉用の牛」論争・・・『クール・ジャパン』より

今日の記事を書くのは、この本の中にその題材が載っていたからなんだけど、まあ、この本がどうのと言う意味の記事じゃない。ただ、この間、この本の記事を書いたときにもすごく心に引っかかっていて、日増しにのどに引っかかった骨みたいに気になって、気になってね。・・・どうにも、仕方なくなったもんで、紹介しておこうかなってね。

この間の記事の中でもまったく触れなかったわけじゃないんだけどね。
そんでもって、「食肉用の牛」論争。これってまるっきり「捕鯨論争」だよ。自分が育てた牛が売りに出される時、涙を流す農業高校生を笑う西洋人には、おそらくなんにも分からない。・・・《cool japan》に出演される彼ら日本通外国人にも、やっぱりわからないみたい。「いただきます」って言葉の意味が・・・。
・・・って、この程度にね。

今日は、その点だけに主題を絞って、・・・まずは該当の本文を紹介してしまおう。・・・いいよね。
『クールジャパン!? 外国人が見たニッポン』  鴻上尚史

講談社現代新書  ¥ 821 

二〇〇六年四月からNHKで始まった《cool japan》も、ついに一〇年目に突入
「食肉用の牛」論争
 日本の高校の特集の時、農業高校の畜産科を取材しました。二年半、手塩にかけて育てた黒毛牛『相夢号』を出荷する風景でした。生徒たちはみんなで記念写真を撮って別れを惜しみました。
 「小さい頃は撫でてあげると舐めてくれることがありました」「トラックに乗せるとき私たち押したんですけど、なかなか乗ってくれなくて、もう涙があふれました」
 彼ら彼女らは相談して、出荷して食肉となった相夢号の革をもらいました。育てた牛の思い出に、その革でしおりかブックカバーを作ろうと決めたのです。
 というVTRを流した時、オランダ人男性が爆笑しました。釣られて、二人の外国人が笑いました。あとの二人は戸惑った顔をしました。残りの二人は理解できないという顔をしました。日本人と同じ反応をしたのは、韓国人だけでした。七人の西洋人は、笑うか、戸惑うか、理解できない顔をしました。
 オランダ人の男性は「食肉用の牛なんだよ。なぜ、牛の思い出を大切にする必要があるんだよ」とまったく理解できない顔で言いました。
「だって、子牛の時からずっと育ててきたんだよ。ずっと世話してきたんだから、食肉用なのはしようがないけど、育てた思い出を大切にしたいでしょう?」と言うと、「だって、牛ですよ」と笑ったほかの二人も言いました。「日本人らしいと思うけど理解できません」とアメリカ人女性は戸惑った顔で言いました。
本書P205~206
このあと本書は、なぜか“「食肉用の牛」論争”を放棄して、話を論理を重視する西洋と、調和や共有という感情を大切にする東洋という方向に持って行ってしまう。・・・いや、“「食肉用の牛」論争”を放棄したわけではないのか。その論争の根っこがそこにこそあるという判断なのか。だとしたら鴻上さん、ちょっと短絡的じゃないかな。さらにはキリスト教が禁じた自然信仰とかって話じゃあないと、私は思うんだけどな。
神は言われた。「地は、それぞれの生き物を産み出せ。家畜、這うもの、地の獣をそれぞれに産み出せ。」そのようになった。神はそれぞれの地の獣、それぞれの家畜、それぞれの土を這うものを造られた。神はこれを見て、良しとされた。
神は言われた。「我々にかたどり、我々に似せて、人を造ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うものすべてを支配させよう。」神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。男と女に創造された。
神は彼らを祝福して言われた。「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ。」
神は言われた。「見よ、全地に生える、種を持つ草と種を持つ実をつける木を、すべてあなたたちに与えよう。それがあなたたちの食べ物となる。
地の獣、空の鳥、地を這うものなど、すべて命あるものにはあらゆる青草を食べさせよう。」そのようになった。
神はお造りになったすべてのものを御覧になった。見よ、それは極めて良かった。夕べがあり、朝があった。第六の日である。

高校生たちは、涙を流しながらも相夢号を売りに出すわけですよ。牛肉を食うわけだよね。涙流しながら・・・。それって、「ただかわいそうだから鯨は食べないで・・・」なんて話とは違うわけですよね。私たちは“自然崇拝” と言ってしまうと、なんだかかえって安っぽく思えるけど、自然と自分の間に明確な線引きなんてないわけだよね。肉だって、野菜だって、けっして自分たちの対極に存在するものじゃなくておんなじ自然の側に属するわけでしょ。おんなじ側にいるから泣く泣く食うんでしょ。

私は鯨の肉を食いますよ。いろんな生き物を食いますよ。植物にだって命があると思ってるよ。残酷というならベジタリアンもおんなじように残酷だと思うよ。でも、その“命” をいただく覚悟はあるよ。相夢号に涙を流す農業高校生を笑った西洋人は、その“命” をいただく覚悟を持って牛肉食ってないだろう。

私たちにしてみれば、それこそ野蛮に思えるんだけどね。





 


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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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