めんどくせぇことばかり 絶望のメシア(覚書)『弥勒の来た道』

絶望のメシア(覚書)『弥勒の来た道』

阿弥陀さまや弥勒さまは、やっぱりあやしいよね。どっか仏教的じゃない。だいたい、仏教は“悟る”ことが第一義だよね。“救われる”こととは違うよね。なのに、阿弥陀さまや弥勒さまは、人を救おうとするんだ。
地獄の恐ろしいさまを心に宿せば、人は自ずから謙虚になる。たしかにそのとおりだと思う。その元になったのは源信の『往生要集』でしょ。経典や仏教書から極楽往生に関する文章を集めて三巻構成にまとめたものだそうだ。その最初の章が「厭離穢土」、ここに地獄の様子が描かれる。

浄土教の世界への理解を広げんがため、世のため衆生のため。・・・苦しみが人の世の現実で、苦からの離脱が何よりも最優先された世界でこその業績だけど、今おんなじことをやれば、新興宗教の悪徳商法に他ならないな。
それはともかく、《地獄》といえば、《極楽》だよね。極楽は阿弥陀さまがおられる浄土で、平安の頃には浄土への生まれ変わりを祈りながら死んだわけでしょ。観想念仏ですよね。浄土を心のなかに描き出しやすいように平等院鳳凰堂みたいな浄土建築、浄土式庭園が流行ったわけでしょ。なんだか私には、天使たちに導かれて天に登っていくネロとパトラッシュの姿が見える。

『弥勒の来た道』  立川武蔵

NHK BOOKS  ¥ 1,512

ヴェーダの宗教、ゾロアスター教などの影響を受けて誕生したミロク=未来の救世主=のあゆみ
阿弥陀さまは浄土にいて、人はみんな、死んで極楽浄土に生まれ変わるのを願うわけだよね。んで、阿弥陀さまはみんなに手を差し伸べてくれるんでしょ。み~んな救ってくれるのは一緒でも、兜率天にいるという弥勒さまは、弥勒さまの方からこっちに来てくれるんだよね。

本来は、修行を積んで、仏様とおんなじ境地に至ること。これが解脱、悟り、成仏だよね。こっちから行くんだよね。仏教っていうのは、本来、こっちから行く宗教で、向こうから来てくれる宗教じゃないんだよな。その辺、弥勒さまは仏教における例外だね。弥勒様の方から降りてきてくれて、救ってくださる。まさしくメシアだな。
ただし、弥勒さまの方から来てくれるっていうんだけど、その来てくれるのが五十六億七千万年の後、ってことなんだよね。これって、《来ない》ってことでしょ。

パウロの時代、「裁きの日は近い」という言葉の、“近い”は、どれくらいの距離感覚だったんだろう。もしそれが二千年、三千年の後なんてことだったら、そんな話、誰も見向きもしなかったはずだよね。だから“近い”ってのは、すぐそこだったんだろうね。一年か、二年か・・・?

でも、いつまで待ってもなかったわけだよね。パウロが死んでも、パウロの言うことを聞いた父が死んで、その子が死んで・・・。キリストは、メシアは、・・・《来ない》。そんな絶望が、五十六億七千万年の後に下生し釈迦の救いに漏れた衆生を救う弥勒信仰に現れていったのでは・・・。




 


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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
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